悪魔
少女達の過去
ミリアムは一般家庭に生まれて両親とやんちゃな盛りの弟のジルと暮らしていた。学校に通い放課後や休日になると恋人や友人達と出掛けたり、家族旅行をしたりとどこにでもいる普通の少女だった。
そんなミリアムが16才の時に一人の少女が現れた。
その少女がデボラ・ビーニ。
転校生のデボラは企業の令嬢で優しく振る舞いクラスの人気者になった。
だがデボラはミリアムの見事な金髪、澄んだ青色の瞳、端正な顔をした恋人がいることに嫉妬した。
ある日デボラはミリアムを学校の屋上に呼び出た。
「ビーニさん話って?」
ミリアムが屋上に入るとデボラはミリアムの長い金髪を掴み引っ張った。痛がるミリアムを見てデボラ更に強く引っ張る。
「痛い!何するのよ!」
「五月蝿い!ムカつくんだよお前!お前程度の顔であんな格好いい彼氏と金髪と青い目は勿体ないんだよ!」
デボラは金髪をグイグイと一頻り引っ張った後ミリアムの腹に蹴りを入れた。
「グッ!!!」
踞るミリアムの背中に足をダンッと乗せてデボラは喚くように言った。
「目の色は仕方ないけど髪はムカつくから染めてよね!それからアンタの彼氏譲ってよ!」
あまりに横暴で自分勝手な言い分にミリアムは踞りながらデボラを見上げ睨み付けた。
「目も髪も生まれつきなのよ!それに人の彼氏を欲しがるなんて最低!」
睨み付けて最低と言うミリアムにデボラは苛立った。
「この可愛いデボラより良い物を持ってるお前の方が最低だろーが!!今すぐ言いな!髪を染めて彼氏はデボラ様に差し上げますってね!」
「ふざけないで!何であんたの言いなりにならなきゃならないのよ!」
デボラの言いなりになど絶対にならないと言い放つミリアムにデボラはニターと笑い背中から足を退かし強引に立たせるとカッターをポケットから出した。そのカッターの柄の部分にはハンカチが巻かれていた。
ミリアムはカッターの刃を見てゾッとする。デボラはアハハと笑う。
「アハハ!別にお前を切りつけるわけじゃないのよ~?ただお前の立場を分からせてやるだけ!」
そう言うとデボラは右頬と左手の手の甲をカッターで自ら切りつけた。
「何・・・してるの・・・?」
自分でカッターで切りつけてるデボラを見てミリアムは茫然としている。
デボラはニタリと笑う。その笑顔は普段見せているお嬢様の笑顔ではなくまるで悪魔のように歪んでいた。
「アハハハハ!馬鹿だよお前!デボラの言うことを聞いてれば良かったのにね~。」
デボラはカッターだけをミリアムの足元に投げ捨てると息を大きく吸い込み甲高い声を上げた。
「キャァァーーーーーッ!誰か助けてーーーーーっ!!!」
デボラの声が学校中に響き渡りその声に気付いた生徒達が何事だと駆け付けた。
屋上に着き彼等が目にしたのは立ち尽くすミリアムと投げ捨てられたカッター。そして右頬から血を流しているデボラ。
デボラは集まった生徒達に助けてと嘘泣きして駆け寄る。
「た、助けて~。」
「デボラ何があったの!」
「ヒック、ブランディさんが~デボラのこと、ムカつくって、ヒック、カッターでヒック。」
泣きながら助けを求めるデボラに生徒達は一斉にミリアムを罵った。
「ミリアム何てことしてるのよ!」
「こんなことするなんて見損なったぜ!」
「ブランディさん最低!」
ミリアムは自分は何もしてないと否定する。
「あたしは何もしてないよ!ビーニさんが自分でカッターで切りつけたのよ!」
「はぁ?何で自分から切りつけるんだよ!」
「ちゃんとデボラに謝れよ!」
「違う!あたしは本当に何もやってない!」
やってないと言うミリアムに生徒の一人が仕返ししてやろうと言い出した。
「コイツ自分がしたことわかってないぜ!デボラの代わりに仕返ししてやろう!」
一人が言い出すと他の生徒達も口々に言った。
「そうね!こんな性悪女には罰を与えないと!」
「やっちまえ!」
生徒達はミリアムを取り囲むように近付く。ミリアムは青ざめる。
「や、止めて!」
ミリアムの言葉は無視されて生徒達は一斉に暴力を振るった。
暴力の中、ミリアムが見たのはデボラの愉しそうにニタニタと笑っている顔だった。
生徒達はミリアムが動けなくなるまで暴力を振るった後「自業自得!」と罵ってデボラを守るように屋上を後にした。
ミリアムは「何でこんなことに?」と涙を流した。
翌日、ミリアムが教室に入ると汚水をかけられた。ずぶ濡れのミリアムを見てクラスの生徒達が嘲笑う。
嘲笑う生徒達の後ろにはニヤニヤして笑っているデボラ。その隣にはミリアムの恋人と親友達がいた。
恋人と親友達は睨み付けながらミリアムの側まで歩み寄った。
「ミリアム最低よ!何でこんなことしたのよ!」
「貴方がこんな性格だったなんて絶交よ!」
親友二人に言われてミリアムは愕然とする。そして。
「ミリアム別れてくれ。カッターで人を傷付ける女が彼女なんて勘弁だ。」
「!?」
「お前の明るい性格と笑顔は偽物だったんだな!騙された俺が馬鹿だった!!」
恋人に別れを告げられた挙げ句に罵られてミリアムは泣きながら教室を飛び出した。
そんなミリアムを見て生徒達が身から出た錆だと嘲笑った。
その日からミリアムは地獄の日々を送った。
ミリアムは一般家庭に生まれて両親とやんちゃな盛りの弟のジルと暮らしていた。学校に通い放課後や休日になると恋人や友人達と出掛けたり、家族旅行をしたりとどこにでもいる普通の少女だった。
そんなミリアムが16才の時に一人の少女が現れた。
その少女がデボラ・ビーニ。
転校生のデボラは企業の令嬢で優しく振る舞いクラスの人気者になった。
だがデボラはミリアムの見事な金髪、澄んだ青色の瞳、端正な顔をした恋人がいることに嫉妬した。
ある日デボラはミリアムを学校の屋上に呼び出た。
「ビーニさん話って?」
ミリアムが屋上に入るとデボラはミリアムの長い金髪を掴み引っ張った。痛がるミリアムを見てデボラ更に強く引っ張る。
「痛い!何するのよ!」
「五月蝿い!ムカつくんだよお前!お前程度の顔であんな格好いい彼氏と金髪と青い目は勿体ないんだよ!」
デボラは金髪をグイグイと一頻り引っ張った後ミリアムの腹に蹴りを入れた。
「グッ!!!」
踞るミリアムの背中に足をダンッと乗せてデボラは喚くように言った。
「目の色は仕方ないけど髪はムカつくから染めてよね!それからアンタの彼氏譲ってよ!」
あまりに横暴で自分勝手な言い分にミリアムは踞りながらデボラを見上げ睨み付けた。
「目も髪も生まれつきなのよ!それに人の彼氏を欲しがるなんて最低!」
睨み付けて最低と言うミリアムにデボラは苛立った。
「この可愛いデボラより良い物を持ってるお前の方が最低だろーが!!今すぐ言いな!髪を染めて彼氏はデボラ様に差し上げますってね!」
「ふざけないで!何であんたの言いなりにならなきゃならないのよ!」
デボラの言いなりになど絶対にならないと言い放つミリアムにデボラはニターと笑い背中から足を退かし強引に立たせるとカッターをポケットから出した。そのカッターの柄の部分にはハンカチが巻かれていた。
ミリアムはカッターの刃を見てゾッとする。デボラはアハハと笑う。
「アハハ!別にお前を切りつけるわけじゃないのよ~?ただお前の立場を分からせてやるだけ!」
そう言うとデボラは右頬と左手の手の甲をカッターで自ら切りつけた。
「何・・・してるの・・・?」
自分でカッターで切りつけてるデボラを見てミリアムは茫然としている。
デボラはニタリと笑う。その笑顔は普段見せているお嬢様の笑顔ではなくまるで悪魔のように歪んでいた。
「アハハハハ!馬鹿だよお前!デボラの言うことを聞いてれば良かったのにね~。」
デボラはカッターだけをミリアムの足元に投げ捨てると息を大きく吸い込み甲高い声を上げた。
「キャァァーーーーーッ!誰か助けてーーーーーっ!!!」
デボラの声が学校中に響き渡りその声に気付いた生徒達が何事だと駆け付けた。
屋上に着き彼等が目にしたのは立ち尽くすミリアムと投げ捨てられたカッター。そして右頬から血を流しているデボラ。
デボラは集まった生徒達に助けてと嘘泣きして駆け寄る。
「た、助けて~。」
「デボラ何があったの!」
「ヒック、ブランディさんが~デボラのこと、ムカつくって、ヒック、カッターでヒック。」
泣きながら助けを求めるデボラに生徒達は一斉にミリアムを罵った。
「ミリアム何てことしてるのよ!」
「こんなことするなんて見損なったぜ!」
「ブランディさん最低!」
ミリアムは自分は何もしてないと否定する。
「あたしは何もしてないよ!ビーニさんが自分でカッターで切りつけたのよ!」
「はぁ?何で自分から切りつけるんだよ!」
「ちゃんとデボラに謝れよ!」
「違う!あたしは本当に何もやってない!」
やってないと言うミリアムに生徒の一人が仕返ししてやろうと言い出した。
「コイツ自分がしたことわかってないぜ!デボラの代わりに仕返ししてやろう!」
一人が言い出すと他の生徒達も口々に言った。
「そうね!こんな性悪女には罰を与えないと!」
「やっちまえ!」
生徒達はミリアムを取り囲むように近付く。ミリアムは青ざめる。
「や、止めて!」
ミリアムの言葉は無視されて生徒達は一斉に暴力を振るった。
暴力の中、ミリアムが見たのはデボラの愉しそうにニタニタと笑っている顔だった。
生徒達はミリアムが動けなくなるまで暴力を振るった後「自業自得!」と罵ってデボラを守るように屋上を後にした。
ミリアムは「何でこんなことに?」と涙を流した。
翌日、ミリアムが教室に入ると汚水をかけられた。ずぶ濡れのミリアムを見てクラスの生徒達が嘲笑う。
嘲笑う生徒達の後ろにはニヤニヤして笑っているデボラ。その隣にはミリアムの恋人と親友達がいた。
恋人と親友達は睨み付けながらミリアムの側まで歩み寄った。
「ミリアム最低よ!何でこんなことしたのよ!」
「貴方がこんな性格だったなんて絶交よ!」
親友二人に言われてミリアムは愕然とする。そして。
「ミリアム別れてくれ。カッターで人を傷付ける女が彼女なんて勘弁だ。」
「!?」
「お前の明るい性格と笑顔は偽物だったんだな!騙された俺が馬鹿だった!!」
恋人に別れを告げられた挙げ句に罵られてミリアムは泣きながら教室を飛び出した。
そんなミリアムを見て生徒達が身から出た錆だと嘲笑った。
その日からミリアムは地獄の日々を送った。