番狂わせ


ツナと京子がツナの部屋で過ごしている映像が流れる。その映像に写っているツナは京子は楽しそうに食事をしていたり、談笑していた。

リボーン達は京子は椎子の味方だったのにと訝しげにした。
煌は簡単に説明した。

「京子さんは最初から都奈の味方だよ。」

「何だと!」

「どういう事だ!」

「どうもこうもない。貴様らと違って京子さんは都奈の話を聞いて都奈を信じたんだよ。どこぞの似非友人や無能な家庭教師や父親擬きや中身が腐った二枚貝と違って京子さんは都奈の親友だからな。」

「「「「「ッ・・・・・・。」」」」」

「最初から京子さんのように都奈の話を聞くべきだった。信じられなくても調べれば良かっただけの話だ。」

都奈の話を聞くのもツナと椎子のアリバイを調査するのも簡単に出来た筈だと笑う煌にリボーン達は背筋がゾッとした。
煌は笑っているが目はリボーン達を射殺してやると言わんばかりに睨み付けている。

「理解したかどうかは別としてそろそろ消えて貰うか。」

冷たい声音で煌が言うと空間が歪み暗闇を纏ってバミューダがやって来た。

「久しぶりだな。」

バミューダはリボーン達を見やると首輪を次々とはめていった。

「ちょっと待て!俺様達は被害者だぞ!」

「そうだぜ!」

「お願い!許して!」

「虹の呪いを解いたんだし見逃してくれよ!」

「極限にチャンスをくれ!」

「娘とやり直したいんだ!」

「今ボンゴレが潰えたらマフィア界は荒れてしまう!」

命乞いするリボーン達にバミューダは呆れ返る。

「分かってないな。君達は背瀬川椎子の言いなりになって禁じていた悪事の片棒を担いだ。更に一般人に戻った沢田都奈をマフィアの力で押さえ付けた罪人なんだよ?マフィアの法を破り続けてるんだ。見逃す訳にはいかない。そもそも虹の呪いを解くために色々と動いたのは沢田都奈だ。君達は沢田都奈に少し協力しただけだ。」

マフィアの法を破り続け、ツナの功績を自分達の功績だと勘違いしている獄寺達。リボーンに至っては一番ツナに感謝しなければならない立場だ。
それなのにツナへの謝罪の言葉をすることもなく命乞いをするリボーン達に煌は怒りしかない。

「そろそろ牢屋なり水牢なりにぶち込んで欲しいんだが?」

バミューダに言う煌にリボーン達はそれだけは勘弁してくれ!やめてくれ!と懇願するが煌は怒鳴った。

「やめてくれ?ふざけるな!都奈は何百回も何千回もやめて欲しいと頼んでいたのに貴様らはただの一度も止めた事などないだろうが!それに貴様らは都奈と違って罪人なんだよ!」

煌はにバミューダに目配せした。バミューダは黙って頷いた。
鎖を引くバミューダにリボーン達は絶望する。

「君達はマフィアの法を破り続けた罪で水牢行きが決定している。」

「ま、待て!バミューダ!」

「助けてくれーーー!」

「それだけは嫌なのなーーー!」

「極限に助けてくれえぇぇぇ!」

「嫌あぁぁぁぁーー!」

「ボンゴレが潰えたら不味いことになる!待ってくれ!」

「後生だ!見逃してくれ!」

必死の形相で頼み込むリボーン達。煌は笑顔でボンゴレギアを奪い取る。

「ボンゴレギアはドンナ・ジッリョネロに返還する。ボンゴレはザンザスが継ぐから問題ないさ。だから安心して都奈への謝罪でも言ってなよ。」

ツナに謝罪していないリボーン達は漸くその事に気付いて謝罪の言葉を口にするが煌は既に遅かったと一蹴した。

「今更謝罪したって手遅れだ。都奈は貴様らを切り捨てたんだからな。」

「「「「「ーーーっ!?」」」」」

「何だその顔?まさか都奈なら許してくれるとでも思ったのか?いくら大空でも許容範囲があるんだよ。せいぜい水牢で背瀬川椎子と仲良くするんだな。」

リボーン達は泣きながら懇願するが煌は笑顔で手を振り、バミューダは懇願するリボーン達を無視して引き摺るように復讐者の牙城に連行したのだった。

煌は撤退を指示するとヴァレリオに労いの言葉を掛けた。

「お疲れさん。」

「ははは。確かに今回は骨が折れたな。」

「俺達も帰還するか。」

煌とヴァレリオは専用のリムジンに乗り込みアルジェント本部に戻って行った。


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