番狂わせ
引き出しやジュエリーボックスを乱暴に扱うボンゴレ元同盟ファミリーにアルジェントの部下達に押さえ付けられている椎子は喚き散らす。
「ちょっと止めなさいよ!あんたらには似合わないから椎子が貰ってあげたんじゃない!」
椎子を無視して奪われた物を取り返すボンゴレ元同盟ファミリーに椎子はふざけるな!触ってんじゃねえよ!と醜い顔を晒して唾を飛ばしながら喚き続ける。するとパァンッと音が響いた。
左頬が腫れ上がる椎子は平手打ちされたと分かり頬を打った人物を睨んだが更に平手打ちをされた。
「ひっぱたいてんじゃねえよ!」
「煩いっ!てめえが付けてるダイヤの髪飾り返してもらうからな!」
椎子の頭を乱暴に掴みダイヤの髪飾りを取り返した。
椎子は返せよ!クソが!と怒鳴るがアルジェントとボンゴレ元同盟ファミリーはクスクスと嘲笑った。
「何がおかしいのよ!」
「いや、そんな醜態を晒して良いのですか?」
「メッキが剥がれとるぞ?」
「はっきり言ってやりましょう。本性が晴の守護者に見られてますわよ?」
「あ・・・。」
椎子はゆっくりと了平の方に顔を向けるとそこには信じられないという顔をした了平がいた。
茫然としている了平と顔色を青くして硬直した椎子はロープで縛られた後蹴り飛ばされた。了平は両手を砕かれ左足を折られて椎子の隣に転がされた。
アルジェントの部下が煌に連絡を入れた。
「こちら第四混合部隊と第五混合部隊。背瀬川椎子と晴の守護者を確保しました。」
「よくやった!第五混合部隊そのまま待機!第四混合部隊はロビーに待機している部隊と合流して例の物を準備しろ!」
「了解!」
連絡をしたアルジェントの部下は煌の指示を他の部下達に知らせ次の作戦に移った。
煌は連絡を切ると目線を9代目とその守護者達に向けた。
「初めましてボンゴレ9代目とその守護者達。ボンゴレの部下は守ろうと必死になっているというのにまさか隠し部屋にこそこそと隠れているとは思いませんでしたよ。」
拳銃や槍、ナイフ等それぞれが得意な武器を9代目達に向けている。
9代目達何故攻撃されているのか分からずにいた。
「ドン・アルジェント。何故理由もなく我々を攻撃したのかね?それに君の後ろにいる者達はボンゴレの同盟ファミリーではないか?」
9代目の問い掛けにボンゴレ元同盟ファミリーは爆笑した。
「俺達に攻める理由が分からないとは##RUBY#耄碌#もうろく##したな。9代目。」
「私のファミリーを弱小だからと言って馬鹿にして物資を要求し、人員を要求し、断れば武力で脅してきた。だがそれももう終わりよ!」
「背瀬川椎子に奪われた物を返して欲しいと懇願しても宣戦布告するつもりかと遠回しに脅され、更に抗争が始まると潰されたくなければ人員を寄越せと脅してくるボンゴレにはもう従うつもりはない!」
「背瀬川椎子の悪事を庇い我々を脅す組織など何の未練もない!」
「てめえらとの縁もここまでだ!」
怒りを爆発させる元同盟ファミリーに9代目達は冷や汗を垂らした。
リボーンとビアンキは南側から攻めて来る敵と戦っていたが同時にツナを探していた。
「ダメツナの奴どこに行きやがった!」
「本当に使えない子ね!」
次から次と現れる敵にリボーンとビアンキは応戦する。
「しかしこの非常時にヴァリアーは何故迎撃しないんだ!」
「隼人に連絡を取ってみるわ!」
ビアンキは獄寺の通信機に連絡を入れたが繋がらない。
「つ、繋がらないわ!!」
「何っ!?それなら椎子と山本と了平に連絡を入れるんだ!」
リボーンに言われてビアンキは山本と了平と椎子に連絡を入れたが繋がらない。獄寺と山本、了平、椎子の通信機を破壊されていることを知らない二人は何故繋がらないんだと焦りつつアルジェントの攻撃に迎え撃つが多勢に無勢。弾丸は尽きジリジリと追い詰められた。
「リボーン一旦退くしかないわ!」
「物置部屋に多少弾丸がある筈だ!」
「分かった!私が囮になるからリボーンは補充して!」
ビアンキが敵を引き付けリボーンは物置部屋に走って行き扉を乱暴に開くと窓から脱出しようと窓枠に足をかけているツナが目に入った。
「何逃げようとしてんだ!このダメツナが!!」
「リボーン!?」
ツナは急いで飛び降りようとしたがリボーンがツナの右肩に飛び乗りツナのこめかみに銃を当てる。
「逃げようってか?死にたくなきゃさっさと迎撃しろ!」
「ッ!?」
リボーンは撃鉄を引き上げた。その音に驚きツナは慌てて飛び降りた。
飛び降りたツナにリボーンは舌打ちをするがすぐに顔色が真っ青になった。
飛び降りたツナは地上からの攻撃を受けて体は蜂の巣にされ落下していった。
「クソッ!!」
死んでしまったとはいえツナは初代直系の血筋。敵対してきたアルジェントに渡すわけにいかないと飛び降りようとしたがリボーンの頬を一発の銃弾がかすった。
リボーンは後ろを振り向くとそこには左頬が腫れ上がり両腕が折られロープで拘束されたビアンキを盾にするように前に立たせたヴァレリオがいた。