番狂わせ


「今日集まって貰ったのは背瀬川椎子とボンゴレとスコトスの悪事を知って欲しいと思ったからです。そして更にスコトスと背瀬川椎子はボンゴレを裏切る最大の行為をしたのです。それは正統なるボンゴレ10代目候補を陥れたことです!」

煌の言葉にボンゴレの同盟ファミリーは口々に話す。

「確か最初は日本人で一般人の少女だと聞いていたが。」

「そういえばそうでしたわね。何でもその少女は仲間の為に前線に立ち戦っていたという話でしたわ。」

「心優しいゆえに戦うのを好まない性格とも聞いたな。」

「いつの間にか沢田都奈から背瀬川椎子に代わっていたの。てっきり一般人だから降ろしたと思っていたのじゃが。」

「本当に真実ならスコトスファミリーはボンゴレに宣戦布告をしたということになるのでは?」

集まったファミリーに煌は続けた。

「陥れたことは事実です。ある一般人(京子)が沢田都奈が陥れられたことを知っていました。だが沢田都奈はその一般人に被害が及ばぬように口止めしていました。そして沢田都奈は罪人としてボンゴレに捕らわれ、奴隷のような日々を送っています。」

スクリーンに今度は煌とツナが再会した日をが映し出された。
醜い顔でツナを罵るリボーンと守護者。リボーン達以上に醜悪な顔でツナを庇うふりをする椎子。
余りの醜さに集まったファミリーは嫌悪を露にした。

「まあ!何て醜いのでしょう!」

「背瀬川椎子の顔が語っている!庇うふりをしていのがまる分かりじゃ!」

「あんなドンナに心酔している守護者達には幻滅だ!」

「アルコバレーノだった者があのような醜悪な小娘に付いているとは呆れるわ!」

「背瀬川椎子をボスに選んだボンゴレには失望した!」

スコトスファミリーの悪事と椎子の悪行。それからリボーンと守護者達の椎子の為の蛮行。椎子を庇うボンゴレの圧力。そんな被害にあったファミリーは涙ながらに無茶な要求を飲むしかなかったのだ。
そして彼等は真実を知って不満を剥き出しにして憎しみが生まれた。

煌は映像を切るように部下に指示を出し自分の呼び掛けに集まったファミリーに話を再び始めた。

「映像を見て頂きありがとうございます。この映像は全て復讐者が証拠として認めています。そして今あなた方に一つだけお願いがあります。それは我々がボンゴレとスコトスを攻める時ボンゴレとスコトスに手を貸さないようにして頂きたい。」

映像が全て復讐者が証拠として認めているということはアルジェントは正々堂々とボンゴレを攻めることが出来る。そして煌は言ったのだ。他のファミリーをこの抗争に巻き込むことはしないと。
だが集まったファミリーは逆に力を貸すと言い出した。

「アルジェントに是非協力させて頂きたい!」

「私のファミリーは規模は大きくはありませんが是非協力させて頂けませんか?」

「俺もだ!」

「ワシのファミリーはアルジェントとは同盟を組んでいないが力を貸すぞ!」

煌は上手く行ったと安堵したがおくびには出さなかった。

「いやこの抗争にあなた方を巻き込むつもりは無い。これはあくまでボンゴレを潰す為にアルジェントが動くだけですから。」

「いいえ!俺自身の意思です!自分の意思で協力したいと思っています!」

「腐ったボンゴレとは手を切って戦う方が良いに決まってる!私も協力させて頂きたいわ!」

「ワシも同感じゃ!これ以上ボンゴレやスコトスの言いなりになるつもりはない!」

次々とアルジェントと同盟を組んで協力したいと殺到した。
ボンゴレと同盟を組んでいるファミリーは同盟を破棄してアルジェントと同盟を組んで協力することを煌に約束したのだった。


アルジェント本部に戻ると煌はボンゴレを嘲笑った。

「ボンゴレの同盟ファミリーと中立ファミリーもアルジェントに付いた。背瀬川椎子達に残されたのはアルジェントとも同盟を組んでいるボンゴレの同盟ファミリーだ。そしてそれらのファミリーは虎視眈々とボンゴレを手に入れようとしている。」

本来なら味方になるはずだった同盟ファミリーと静観に撤する中立ファミリーはアルジェントに付いた。
ボンゴレに残されたのはボンゴレを手中に納めようと暗躍するファミリーしかいない。(そしてそれらのファミリーはキャバッローネと敵対している。)

「さて、同盟ファミリーを失い、ヴァリアーを失い、人質として利用出来る人物を失った背瀬川椎子はどう出るか見物だな。」

ボンゴレに取って必要不可欠なものを取り上げた煌は次の計画を実行しようと動き出した。


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