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番狂わせ


ヴァレリオはボイスレコーダーと特別製の小型の隠しカメラを煌に手渡す。

「これでいいか?」

「構わない。ボイスレコーダーと隠しカメラを搭載したボタンを都奈と京子さんに。」

「え?」

何故自分と京子に渡すのか分からずツナは目を点にした。煌は説明する。

「ボイスレコーダーで常に背瀬川椎子とリボーン達の会話を録音しろ。それから隠しカメラはスーツに付けておけ。これらは後から必ず必要になるからな。」

「後から必要?」

「背瀬川椎子達の会話は基本的に都奈を罵倒して暴力を振るうんだろ?」

「えっとつまり証拠を押さえるってこと?」

「ああ。証拠を押させえてしまえば背瀬川椎子は失脚してリボーン達は罪人を祭り上げた愚者と笑われて赤っ恥さ。」

「・・・分かった。でも証拠はどうやって保存したらいいの?」

バレたら破壊される恐れがあると言うツナに煌はヴァレリオを指差しする。

「こいつがボンゴレに忍び込むから大丈夫だ。」

「忍び込む!?すぐにバレちゃうよ!」

さすがにそれは不味いと慌てるツナ。煌は大丈夫だと笑う。

「ヴァレリオは幻術士だ。それに日本人とイタリア人のハーフで母親が忍者でさ幻術と忍術が使えるから問題ない。」

「ヴァレリオさんって凄いですね。」

目の前に居るヴァレリオが忍術を使えることに驚くツナにヴァレリオは表情がコロコロ変わるなと口元に笑みを乗せた。

「いずれ見せてあげる・・・おやダンスが終了するみたいだな。」

ダンスが終了するとヴァレリオは幻術で姿を消した。どうやらこのままボンゴレ本部に忍び込むらしい。

煌はヴァレリオに指示を出す。

「ヴァレリオ、先ずはボンゴレ本部を調べあげろ。特に隠し通路と警備が甘い場所と背瀬川椎子の部屋と執務室は念入りに。後は分かっているとは思うが定期連絡は必ずしろ。」

「了解。」

ヴァレリオに指示を出した煌は今度はツナに話をする。

「辛いと思うが今は証拠を集めろ。それとヴァレリオの指示に従ってくれ。」

「わ、分かった。」

不安そうにするツナに煌は頭を撫でてやる。

「大丈夫だ!必ず助けるから。」

そう言って煌はバルコニーを後にした。


ーーーー

煌がバルコニーから立ち去るとヴァレリオはツナにボイスレコーダーを作動させるように促した。

「そろそろボイスレコーダーを作動させて。」

「うん。」

ボイスレコーダーを作動させると椎子達が来た。
睨み付けるリボーン達はツナを罵倒し始めた。

「チッ!こんな分かりにくい所に居やがったのか!!」

「10代目のお手を煩わせるな!」

「本当にダメツナなのな!」

「極限に迷惑だぞ!」

どこかに行ってろと言ったのリボーンだ。分かりにくいも何もないのだが椎子に心酔するあまり言ってることが矛盾していることに気付かなくなっていた。
また椎子に心酔して尚且つ寵愛を欲しがる獄寺と山本、了平はツナを罵る。
ツナは無言で俯くがヴァレリオがツナの手を優しく包むように握った。励ますように。
ヴァレリオの気遣いに気付いたツナは心の中でありがとうと伝えた。


リムジンの中でもリボーン達はツナを罵倒し、椎子はツナを庇うふりをする。

ヴァレリオは椎子の猿芝居を見て下手くそな芝居だと冷笑した。そして騙されてツナを罵倒しているリボーン達に吐き気がした。

ボンゴレ本部に着きツナが部屋に戻るとヴァレリオは幻術を解いて姿を現した。

「大丈夫か?」

「大丈夫。いつものことですし。」

ツナはそう言って硬い床に腰を下ろす。ヴァレリオは部屋を見渡す。

『随分酷いな。ベッドもないし椅子やテーブルすらない。窓も小さいのが1つだけ。壁も所々剥がれている。あるのは毛布くらいか。食事もしょっちゅう抜かれているようだしハッキリ言って劣悪な環境だな。』

こんな場所で寝起きしているのかと思うとヴァレリオは早めに脱出させなければならないと感じた。そのことを煌に伝える為に口寄せの術を発動させた。

「さっそく忍術を見せてあげるよ。口寄せの術! 」

ボフンーーーー

煙りの中から出てきたのは##RUBY#梟#フクロウ##だった。バサバサと翼を羽ばたかせヴァレリオの回りを飛んでいる梟を見てツナは目を大きくさせた。ヴァレリオは驚かせたかなと苦笑いして梟を紹介した。

「こいつは梟のルナ。女の子だ。」

《よろしくね!》

「俺は沢田都奈。よろしく。」

《挨拶が出来る人間は好きよ。》

そう言うとルナはヴァレリオの肩に乗って命令を静かに待つ。ヴァレリオはスーツの内ポケットから手帳を取り出すと早めにツナと京子をボンゴレ本部から救出させなければならないと書き、書いたページを切り取り、小さな筒に入れた。

「ルナ。これを煌に渡してくれ。」

《分かった。勿論ご褒美の肉のことも書いたわよね?》

「煌に極上の肉を用意させるように書いたから安心しろ。」

《それならいいわ。》

ヴァレリオはルナの足に筒を装着させるとルナはツナの部屋にある小さな窓から飛び立った。
ツナはこれが連絡手段なのかと聞いた。

「ルナが連絡手段なんですか?」

「ハハハ。以外だろ?だけど下手にスマホやパソコンを使うと足が付くもんだ。その点ルナは見た目は野生の梟にしか見えないからバレにくい。」

確かに人語を話さなければ野生の梟にしか見えない。ツナは成程と納得した。


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