静寂の住人2
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
ーーーー
静寂の世界でプリマベーラは綱吉がいた世界を読み取った。
「何なの?沢田綱吉を裏切った奴は馬鹿ばっかりだよ。」
呆れたように言うプリマベーラ。だがイヴェールがそれをお前が言うのかと突っ込んだ。
「その原因を作ったのはプリマベーラでもある。」
「ぅっ!!」
睨み付けるイヴェールと睨まれて体を小さくさせるプリマベーラ。ヘビに睨まれたカエルといった感じだ。
体を小さくさせるプリマベーラを放置してイヴェールは二人のツナに聞いてみることにした。
「君達は世界に必要な人物だ。私としては元にいた世界もしくは本来生まれる筈だった世界に戻って欲しいのが本音だ。だが無理強いするつもりもない。」
「「・・・・・・。」」
元々いた世界に帰りたいが自分が戻れば信じてくれた人達に迷惑がかかるだろう。
自分がボンゴレ10代目だから。無理矢理ボンゴレを継がされたら間違いなく信じてくれた人達が苦しむことになる。
そして自分を陥れた少女は骨の髄までしゃぶり尽くすだろう。
正直戻るの嫌だ。だけど世界の崩壊というとんでもないことが起きている。崩壊したら信じてくれた人達が強制的に死を迎えることになる。
二人のツナは悩んだ。
「戻りたくはないよ。雲雀さんとクロームとチビ達が苦しむことになるかも知れないから。」
「世界が崩壊したら獄寺君とハルとチビ達が・・・。」
イヴェールは何か良い手立てはないかと模索しているとプリマベーラが良い方法があると言い出した。
「二人共、戻りたくはないけど信じてくれた人が死ぬのは嫌なんだよね?」
頷く紘吉と綱吉。プリマベーラは話を続ける。
「だったらさこの際本来生まれる筈だった世界に行ってみたら?」
目を丸くする紘吉と綱吉。どういうことだとイヴェールは眉間にシワを寄せる。
「死んでしまった紘吉はトゥリニセッテの世界、生きている綱吉はマテリアルの世界に行って、それぞれの裏切り者達をお互いに審査するんだ。戻っても大丈夫そうに見えたらそう伝えれば良いし、まずかったらやめた方が良いって伝えるとかね。」
「つまり死んでしまった紘吉はトゥリニセッテの世界のリボーン、家族、守護者、ボンゴレを。生きている綱吉はマテリアルの世界のリボーン、家族、守護者、ボンゴレを吟味するということか?」
イヴェールが言うとプリマベーラは頷く。
「うん。多分戻りたい気持ちと戻りたくない気持ちがない交ぜになってると思うんだ。だったらそれぞれ世界に行って審査してから決断するのも良いかなって。紘吉と綱吉はどうかな?」
二人のツナは暫く考える。
「俺がマテリアルの世界のリボーン達を審査する?」
「トゥリニセッテの世界のリボーン達を審査してその内容を伝える?」
確かに今の気持ちは複雑だ。戻って戻らなくても信じてくれた人達は苦しむのは目に見えている。それなら一層のこともう一人の自分に吟味してもらうのも手だ。
「俺プリマベーラ様の案に乗るよ。」
「俺も。プリマベーラ様の言うようにもう一人の自分に吟味してもらうのもありだと思う。」
「なら決まりだね。僕達も別れて紘吉と綱吉のサポートをしようよ。」
イヴェールは嫌な予感がした。
「そうとなれば私達も世界に降り立つことになる。プリマベーラはどっちの世界に降り立つつもりだ?」
「それは勿論マテリアルの世界かな。」
楽しそうに答えるプリマベーラにイヴェールはやはりそうかと顔がひきつった。
マテリアルの世界に興味を持ったプリマベーラがマテリアルの世界に行ったらまたその世界に何かする可能性が高い。何よりこの提案もその為だけに思い付いただけだろうとイヴェールは勘づいた。
「マテリアルの世界には私が行く。プリマベーラはトゥリニセッテの世界に行け。」
プリマベーラは不満だと文句を言い、イヴェールはそれを一刀両断した。
「何で?僕はマテリアルの世界が良い!!」
「マテリアルの世界に行ったらプリマベーラは何かしでかすだろう?それにマテリアルの世界は私の力で崩壊を防いでいる。ならば私がその世界に行った方が楽だ。それにプリマベーラが思い付いた案もマテリアルの世界に何かするつもりで思い付いただけだろうが!」
つまんないと文句を言いながらも綺麗な顔を怖い表情にして睨んでくる同胞にプリマベーラは仕方がないとマテリアルの世界を諦めた。
「私は生きている綱吉とマテリアルの世界に、プリマベーラは死んでしまった紘吉とトゥリニセッテの世界へ。それで良いか?」
二人のツナはイヴェールに問われ頷いた。
「プリマベーラ様よろしくお願いします。」
「イヴェール様よろしくお願いします。」
様を付ける二人のツナに静寂の住人は唇に笑みを乗せた。
「僕は堅苦しいのは苦手だから呼び捨てで良いよ。」
「暫くは行動を共にする。様は要らないな。」
「分かった。俺はツナで良いよ!」
「俺もツナで!」
静寂の住人と二人のツナはそれぞれ世界に降り立った。