静寂の住人2
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瑠花の屋敷を出て山本達と別れると獄寺は1枚1枚包装されている麻薬入りクッキーを見る。
「普通のクッキーに見えるが多分麻薬かそれに近い物が入れられている。じゃなきゃ南川が焦ってこれをしまおうとする筈がない。」
しかし獄寺にはこのクッキーの成分を調べることは出来ない。伝もない。
暫く考えて一つだけ思い付いた。だが相手が相手だ。引き受ける可能性はかなり低いが獄寺は黒曜ヘルシーランドに足を向けた。
ヘルシーランドに現れた獄寺に睨み付ける犬と警戒する千種。クロームは目をパチクリして獄寺に話かける。
「嵐の人、何か用?」
「ああ。骸に用がある。出せるか?」
「骸様に?」
獄寺は必死の形相で何かがあったと分かるが主の骸はマフィア嫌い。マフィア出身の獄寺に会うかどうか分からない。クロームが悩んでいると骸がクロームに精神世界で話しかけてきた。
『クローム。体を少し借りますよ。わざわざ1人で乗り込んできた理由が知りたいですから。』
『分かりました、骸様。』
クロームの体に骸が乗り移りクロームの姿のままでクフフと笑った。
「僕を嫌っている君がわざわざ来るとは珍しいこともあるものです。何か用でも?」
獄寺はクッキーを渡す。骸は一目で分かった。
「これは麻薬か何かが混入しているクッキーのようですね。何故このような物を?」
「骸。てめえの伝か何かで成分を調べられねーか?」
「イタリアでマフィア潰しをしていた時に色々な人間と契約してますし日本でもそれなりに契約はしてますから伝は有ります。しかし調べる理由は僕には有りません。」
調べたところで利益が無いと言う骸に獄寺は口角を上げた。
「利益ならあるぜ。」
「どういうことです?」
若干興味を持った骸に獄寺は話し出した。
「マルルーモファミリーとその令嬢の南川瑠花を知っているか?」
「ええ。以前アルコバレーノが彼女を連れて色々話してました。何でも沢田綱吉に襲われたとかで。胡散臭さくて信じてませんがね。大方ボンゴレ欲しさで沢田綱吉を嵌めたのでしょう。南川瑠花の目は欲にまみれてましたし。」
「ああ、その通りだ。そしてこのクッキーは奴の部屋にあった物だ。調べて公表したら雲雀の野郎は赤っ恥だ。」
「彼は南川瑠花の嘘を信じてるんですか?クハハハハ!笑えますね!!それを利用して並盛を乗っ取ったらさぞ雲雀君は悔しがりますね!」
「それにクッキーを調べればマルルーモファミリーは潰れるし南川も破滅だ。そうなればボンゴレの椅子は空席だ。」
「空席なら簡単にボンゴレは潰えて僕としてはありがたいことですが沢田綱吉が座るのでは?」
「10代目はマフィアにはなりたくないと仰っているのを忘れたか?」
マフィアにならない。それは綱吉がいつも言っている言葉。骸もそれは知っている。
「知ってますが彼は後継者です。無理矢理にでも座らせられるのではないですか?」
「それは何とか阻止したい。今のボンゴレは堕落しきってやがる。」
骸は一瞬目を丸くした。てっきり獄寺は綱吉が継ぐことを望んでいると思っていたからだ。
しかし綱吉が継がないことで骸の望みは叶う。
「良いでしょう。このクッキーは調べますよ。」
「本当か!?」
「このクッキーは僕にとって幸運のクッキーになりそうですから。ですから獄寺隼人、必ず阻止して下さいね?」
あてなり作戦なりあるのでしょう?と聞いてくる骸。
「ああ。それについては何とかなる。」
獄寺は答えると踵を返してヘルシーランドを後にして、骸はクッキーを見ながらボンゴレを冷笑し、動き出した。
帰宅し食事を終えると獄寺は麻薬入りッキー を見せた。
「これは恐らく麻薬入りかそれに近い物が入れられているクッキーです。」
「え!?それってまさか南川さんの?」
「奴がクローゼットに隠していました。偶々扉が開いて落ちてきたのをこっそり持ってきました。これを調べればマルルーモファミリーと南川は終わりです!」
綱吉とハルはどうやって調べるのだろうと思った。少なくても二人にそんなことは出来ない。
「どうやって調べるの?」
「ハルもそれが気になります!」
「実は骸と取引したんです。奴はあちこちで契約してますからね。簡単に調べるでしょう。」
「む、む、骸と取引ーーーーーー!!??」
骸と取引したことに綱吉は何て恐ろしいことをしたと目を剥いた。
「マフィア潰しになるなら嬉々としてやるでしょう。」
「そ、そうかもしれないけど。」
綱吉は獄寺の突飛な行動にただただ驚きしかなかった。