静寂の住人2
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翌日、獄寺はまだ眠っている綱吉を起こさぬように簡単だがハムとチーズを挟んだサンドウィッチを用意した後フゥ太に綱吉を匿っていると連絡をして学校に行った。
登校中の生徒達、特に2-Aの生徒達は獄寺を見て驚いていた。何故なら隣に綱吉が居ないからだ。
勿論瑠花も驚いていた。
瑠花や生徒達の視線に苛つくが獄寺は教室に入っていった。
『問題はまず出来ることからだな。となると・・・。』
獄寺は自分の考えが正しければリボーンは瑠花との関係を取り持つだろう。ならそこから瑠花と交流を深めるふりをしてハルとその両親の安全の確保をする。
自分の席に着いていると案の定瑠花が俯いて入ってきた。しかも登校中にはしていなかった湿布を右側の頬に貼って。
綱吉は右利きだ。平手打ちされたら左側の頬が腫れてる筈。獄寺からしたら嘘を付いてますと言っているような物だ。そしていつものように京子達女子生徒が慰めて、男子達は制裁してやると息巻いている。
獄寺はコイツらは馬鹿かと呆れていた。
『10代目は俺の部屋に居られているんだ。南川てめぇは墓穴を掘ったぜ!』
獄寺のポケットにはスイッチが入ったボイスレコーダーが作動していた。そして獄寺の部屋には防犯カメラが設置されている。
「ふぇ、綱吉君にぃ、生意気だって殴られたのぉ~。どうやったら仲直り出来るのかな~。」
「瑠花ちゃん、今日も沢田君に殴られたのね!」
「そうなの~。でも瑠花は~仲直りしたいの~。」
綱吉に殴られたと訴える瑠花。バッチリ獄寺のボイスレコーダーに録音されている。
獄寺はこのままどんどん墓穴を掘るのを期待した。どんなに殴られただの、怒鳴られだの言っても綱吉はいない。嘘を言えば言うほど瑠花が嘘がばれる。
山本は教室に入ってくるとまた綱吉が暴力を振るったんだと瑠花を慰める。
「瑠花!今日も朝から沢田に会いに行ったのな!?」
「うん。謝ろうとしたんだけど~。上手くいかなかった~。」
綱吉が瑠花の作ったシナリオから消えてしまった以上、何を言っても嘘にしかならない。獄寺はバレバレなんだよ!と笑いたいのを堪えた。
昼休み、獄寺が売店に行こうとすると瑠花が腕を掴んだ。
「獄寺君~。もしかして昼ご飯は売店で買うの~?」
「ああ、そうだ。」
「だったらぁ~作り過ぎちゃったから~瑠花のお弁当分けてあげる~。」
今までの瑠花に対する態度からいきなり誘いに乗るのは不味いと獄寺は判断した。慎重にことを運ばなくてはならない。山本や京子に疑われたらやりにくくなる。今回は断り、徐々に瑠花に近づいた方が良い筈だ。
「俺はいらねーよ。」
瑠花の手を振り払って廊下に出るとリボ山に扮したリボーンがいた。
「女には優しくしろ。」
「・・・リボーンさんが仰るなら。」
リボーンに言われて獄寺はこれなら疑われたりはしないと瑠花の誘いに乗った。リボーンは了平を誘って屋上へ移動した。
「はい。獄寺君。まだ沢山あるから~リボーン君も山本君も笹川先輩も京子ちゃんもどうぞ~。」
確かにこの量は女子には多すぎだろう。というより明らかにおかずを配って自分の株を稼ごうとしているのが分かる。おまけに割り箸まで持参している。
獄寺は無言で弁当箱の蓋に盛られたおかずを受け取るとリボーン達は即座に綱吉を罵り始めた。
「昨日ママンが躾だって言ってダメツナを追い出したんだぞ。」
「ハハッ!沢田には丁度良いお仕置きなのな!」
「極限に同感だ!」
「でも綱吉君大丈夫かな~?」
「瑠花ちゃんは優しいね。」
「そんなことないよー。」
罵るリボーン達、綱吉を心配する瑠花。獄寺は食欲も出てこないくらい胸糞悪い。
「獄寺君~?どうしたの~?具合悪いの~?」
全く食べていない獄寺に気付いて瑠花は気遣うふりをする。
「獄寺。せっかく瑠花が作ってくれたんだぞ!」
リボーンに言われて獄寺はおかずの唐揚げを口にした。かなり美味い。だが作ったのは瑠花ではなく雇われた料理人だと分かる。
黙々と食べる獄寺を見てリボーンは「黙ってはいるが食べてる辺り少しは瑠花の方を向いてきたか。」と思い更に瑠花を見るように仕向けようと暫し考えてから提案した。
「放課後皆で遊びに行くぞ。」
リボーンの提案で瑠花達はどこに行くか話し合う。
「極限に楽しむぞ!」
「ボーリングが良いのな!」
「私はバドミントンとかしたいかな。」
「瑠花は~皆がやりたいのを全部出来る所にしたいな~。」
「さすが瑠花なのな!」
「優しいね!」
話し合う山本達に獄寺は全員で遊ぶならハルを呼ぼうと考えた。
「だったらハルも呼ぶか?」
話に入ってきた獄寺に山本達は一瞬驚くも瑠花の味方になりはじめていると思って漸く綱吉を見捨てるかと安心した。
瑠花は『えっ!?』と内心焦った。焦る瑠花をせせら笑いして獄寺は続ける。
「最近会ってねえしよ。」
「そう言えば私もハルちゃんに会ってないなぁ。」
「そうだな!ならハルも呼ぶぞ!京子、ハルにメールしてくれ。」
良い子ぶってる瑠花はメールする京子を妨害出来ない。
顔が若干引き吊ってる瑠花に獄寺は口の端を上げた。