静寂の住人2
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「それは違います!俺は過去に10代目に命を助けられました!俺だけではありません!山本やハルも助けられてるんです!10代目は誰よりもお優しいお方です!」
獄寺は奈々を真っ直ぐ見た。これは事実でリボーンもその場にいたから知っている筈だ。しかし。
「獄寺君は優しいのね。そんな嘘を付いてまであんな子を庇って。でももう庇わないで。獄寺君が庇う限りあの子は反省しないで瑠花ちゃんに酷いことばかりするから。」
奈々はついに綱吉のことをツッ君からあんな子、あの子と言うようになった。自分の子供として見なくなった。
獄寺は助けられたのは本当だとリボーンを見た。彼はその場に居て見ていてたのだから。だがリボーンは。
「確かにツナはお前や山本、ハルを助けたが所詮ダメツナだ。本性は最低最悪な奴なんだ。一層のことコイツを候補から外して他の奴を候補にした方俺様はありがてーな。その方が俺様の家庭教師としての箔がつくからならな。」
獄寺はリボーンと奈々の言っていることに呆然とした。
リボーンと奈々は言ったのだ。
他の人間の方が家庭教師としての箔が付くと。
自慢出来ない出来損ない。
要らないと言っているようなものだ。
それを綱吉の目の前で言い捨てた。
獄寺は信じられないような目で見ていた。
綱吉は本当に信じてもらえないのだと悟った。
奈々は出来損ないと見ていて、リボーンはボンゴレ10代目候補なら誰でも良いと言って。
つまり母親も家庭教師も綱吉は要らない、代わりなら幾らでもいると言っているということ。
何よりリボーンと奈々、ビアンキはツナを使い物にならなかった道具を見ているような目で見ていた。
山本と了平は愉しそうに暴力を振るい、京子や花はそれを見て笑っている。
ボンゴレ命の家光はマルルーモの関係が壊れるのを恐れているだけ。
9代目は本当なら綱吉を後継者から外したいが他に代わりがいないために渋々綱吉を後継者のままにしているだけ。
リボーンと山本と了平は暴力を振るっているのにボンゴレの玉座に座らせようとする。
綱吉の言葉を踏みつけて。
綱吉の意思を無視して。
自分達が甘い汁を啜るために、綱吉をとことん利用しようとしてくる。そんな人間と一緒にいられる訳がない。
リボーン達を信じるのはもう止めようーーー。
綱吉はリボーン達を切り捨てた。
綱吉は地面に落ちている鞄を持つと傍にいる子供達の頭を撫でる。
「フゥ太、ランボ、イーピン。いつも助けてくれてありがとな。俺嬉しかったよ。」
子供達は綱吉がもう帰ってこないと分かり泣きじゃくった。でもここにいたら今以上に酷い目に合う。だから引き留めるのを我慢した。
綱吉は若干不安があったが自分がいなければ庇いようがないから子供達は無事に過ごせるだろうと思った。
子供達に別れを告げる綱吉。獄寺は綱吉を自分のマンションに避難させようとするがリボーンが獄寺の前に立った。
「おい。ツナを匿うなよ!お前はボンゴレの一員なんだ!」
「っ!!」
ボンゴレの一員。最早獄寺にとって足枷でしかない。獄寺は顔を歪めた。
「獄寺君リボーンの言う通りにして。」
裏切りには死をもって償うのがマフィアの掟。ボンゴレに逆らえば獄寺は極刑だ。
綱吉はそう言って歩き出した。獄寺は綱吉の鞄にある物を見つけた。
『あれは発信器!!』
獄寺はリボーンが疑わないように綱吉とは違う道を選び、マンションに戻るふりをして綱吉の後を追った。