静寂の住人2
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夕方になり綱吉と獄寺は沢田家に着くと家の中から泣き声と怒鳴る声が聞こえてきた。
慌ててドアを開るとリビングでリボーンがランボを玄関の方に蹴り飛ばしてきた。
「グピャアッ!」
「ランボ!」
「アホ牛!」
綱吉がランボを抱っこするとランボは泣きながら言った。
「うわーん!ツナー!もうご飯あげられなくなったーー!!うわーん!!ハルに貰った巾着破られたーーーーー!!!」
「「!!??」」
綱吉と獄寺は驚いた。
「巾着が破られたってどういうこと!?」
「10代目のお食事のことがバレたのか!?」
綱吉と獄寺は急いでリビングに入るとそこにはフゥ太とイーピンを叱りつけるリボーンと奈々、ビアンキがいて、床にはビリビリに破られたフゥ太の手提げバッグとランボとイーピンの巾着があった。
「リボーン!これフゥ太達のバックだよね!?」
綱吉の非難の声にリボーンは殴り付けた。
「っ痛!!」
「10代目!!」
「コイツらはこのバッグに飯を入れて渡してたんだってな?だから躾てんだぞ!!」
「これはハルの手作りだよ!それを破いたりして、そんなの躾じゃない!」
「そもそもお前が瑠花を襲ったのが原因だろうが!」
そんなのは間違ってると綱吉は反論するが口答えするなとリボーンは怒鳴り散らした。
獄寺は無駄かもしれないと思いつつもリボーンに瑠花とマルルーモファミリーの調査を頼んだ。
「リボーンさん!お願いですから南川とマルルーモファミリーの調査をしてください!」
頭を下げて頼み込む獄寺をリボーンは鼻でフンと鳴らし、ビアンキは目を吊り上げた。
「隼人!瑠花はツナは襲われたのよ!それなのにツナの味方して瑠花に冷たくして!!」
「いい加減にしやがれ!瑠花が泣いてたんだ!調査の必要はねぇ!何度言わせるつもりだ!」
リボーンはそう言うと綱吉を蹴り飛ばし髪を掴んで引き摺って外に放り出した。獄寺と子供達は綱吉の傍に行く。
「痛いっ!!」
「10代目!」
「ツナ兄!」
「ツナ!」
「ツナさん!」
助け起こす獄寺と泣きながら心配する子供達。それを見てリボーンとビアンキは溜め息をして奈々が鞄を投げてきた。
「ツッ君が瑠花ちゃんに謝るまでこの家には入れません!それを持って出ていきなさい!!全くこんな出来損ないを生んだ自分が恥ずかしいわ!」
出来損ない。奈々が吐き捨てた言葉に綱吉は愕然として子供達はなんて酷いことを言うんだと泣きじゃくった。
獄寺は奈々の顔を見て驚いた。奈々は綱吉をゴミを見るような顔付きをしていた。
獄寺は自分の母親を思い出した。
いつも優しい笑顔で抱きしめてくれたこと。
慈しむ心で愛情を注いでくれたことを。
なのに綱吉の母親である奈々は全く違った。綱吉を睨み付けて、出来損ないと罵った。
「10代目のお母様。10代目は貴女の子供ですよね。何故信じて差し上げないのですか?」
獄寺の静かな問いに奈々は小さく溜め息をした。
「獄寺君や山本君のような子供を持っている親御さんは幸せね。自慢出来るもの。」
獄寺は頭脳明晰で山本は野球部のエース。了平はボクシング部の主将。勿論三人共見た目も良い。
でも綱吉は勉強もスポーツも出来ないし、最近まで友人もいなかった。
やっと出来たと思えば女の子を襲ってしまう始末。
奈々はこんな子供なら要らないと思った。
「10代目のお母様?持ってるって・・・自慢って・・・?」
獄寺は顔をしかめた。そんな獄寺に気付かず奈々は続ける。
「ツッ君は何をやらせても駄目で、友人すらいなかったのよ。やっと友人が出来たと思ったら瑠花ちゃんに酷いことして悪びれもしない。こんな自慢出来ない子供なら要らないわ。」
うんざりだと言わんばかりの奈々に獄寺はそれは違うと言った。