静寂の住人2
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超直感で納得した紘吉とこの異様な状況で神と判断した綱吉。
プリマベーラは二人のツナを椅子に座らせ、イヴェール が紅茶を力で作り出しテーブルに置き紘吉の方を見た。
「沢田紘吉。君はもう理解しているみたいだね。」
紘吉は目を伏せてコクンと頷いた。
「体はもう一人の俺と違って透けてるし。俺は死んだんだ。」
驚く綱吉は紘吉を見た。確かに気が付いたら自分のはここにいて横を見たら彼は透けていた。
「死んだって何故?」
戸惑う気持ちと心配する気持ちが混ざったような目を紘吉に向ける綱吉にイヴェールは落ち着いた声で言った。
「それを聞くために君達を呼んだ。死んでない沢田綱吉も死にかけていたしな。」
「でも神様が俺と生きている別の俺に話を聞くんですか?」
「俺もそれが知りたいかな。」
人間の自分達に何が聞きたいんだと不思議そうにするツナ達にイヴェールは説明した。
「君達はそれぞれの世界に必要な存在。一人はトゥリニセッテの安定、もう一人はマテリアルの安定の為に。」
「俺と彼が?」
「世界の安定?」
お互いの顔を見合せる綱吉と紘吉。
イヴェールはツナ達を見て言いにくそうに説明を続ける。
「生きている沢田綱吉は本来マテリアルの世界、もう一人の沢田紘吉はトゥリニセッテの世界に生まれるはずだったが、私の愚かな同胞が君達を入れ替えた。」
イヴェールはジト目でプリマベーラを見据えた。プリマベーラは冷や汗を垂らした。
「えと、神様の話を纏めるとつまり入れ替えことが理由で片方の世界が崩壊の危機になってるってこと?」
「もう片方も危険なんだよね?」
そして二人のツナは同時に『それなら何で入れ替えたんだろう??』と思った。
二人のツナの疑問にイヴェールは横に首を振る。
「入れ替えたことも原因だが世界が崩壊する兆しが顕著に現れたのはごく最近。君達の回りの人間と悪意を持って近付いた人間が最たる原因だ。」
回りの人間。
家族、家庭教師、初恋の女の子、友人、先輩。
悪意を持った人間。
転校生の女の子。
綱吉と紘吉は裏切った人間はどうでも良かったが信じてくれた人達が無事でいて欲しいと俯いた。
イヴェールは二人のツナを見て難しい顔をした。
世界を救うなら彼等を本来生まれる筈だった世界に戻せば良いだけだが、少なくとも読み取れた世界は原因の人間達がいる限り戻した所でいずれは殺される可能性がある。既に一人は殺されているのだ。
今までいた世界に戻しても同じこと。
何より綱吉と紘吉は戻りたいと思っているのかも分からない。
だが先ずは世界を救わなければならない。それが自分達の使命だから。
「プリマベーラ、沢田紘吉が居た世界を読み取って記憶を私に伝えろ。」
プリマベーラは頷き読み取り始めた。