静寂の住人2
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翌朝、相変わらず奈々は綱吉の朝食は作らず、弁当は玄関の靴箱の上に置いていた。
綱吉はリボーンがリビングに行ったのを確認して机の引き出しからフゥ太達が入れておいた菓子を食べていると獄寺が迎えに来た。
玄関に置いてある弁当を鞄に入れるといつものようにリボーンが綱吉突き飛ばす。獄寺も分かっていたように綱吉の助けに入る。
獄寺は綱吉に大丈夫ですかと声をかけたが目線はリボーンに向いていた。
リボーンはいつまでも信じている獄寺に呆れ顔だ。そんなリボーンに獄寺は口を開いた。
「リボーンさん、ハルが南川に狙われています!」
「!?」
「瑠花が?」
獄寺の言葉に綱吉は目を見開いて獄寺を見た。ハルは一般人だ。何故マフィアの瑠花がハルを狙っているのか分からない。
リボーンはピクリと眉を上げた。
先日の親睦会でハルと瑠花は楽しそうに話していた。なのに瑠花が何故ハルを狙うのか?リボーンは溜め息混じりに言った。
「瑠花とハルは仲良くしてたじゃねぇか。それなのに狙う?馬鹿馬鹿しい。」
「南川は10代目と俺に会ったらハルと両親を殺すと脅されてます。これはマフィアの掟破りです!」
「嘘を付くくらいならダメツナに瑠花に謝罪させろ。」
「リボーンさん!調査をして下さい!」
「くだらねぇな。」
リボーンはフンと鼻で笑い家に入っていた。
綱吉はハルが心配になった。会って無事を確認したいが瑠花は欲しい物の為なら人の気持ちなど考えもせずに陥れることが出来る人間だ。会ったらハルは両親と共に殺されるだろう。ただ何故瑠花はハルを狙うのかが分からなかった。
「獄寺君。南川さんは何でハルを狙ってるんだろうね。」
「俺もそれが気になります。」
手っ取り早く瑠花を問い詰めれば分かるかもしれないがハルの命がかかってる現状では無茶は出来ない。
瑠花に騙されたリボーン、奈々、家光、山本、了平、雲雀、京子には信じてもらえず、ハルは命を狙われている。
八方塞がりな状況。獄寺はこのままだと綱吉の疑いが晴れないと苛立った。
ーーーー
瑠花は右頬に湿布を貼って教室に入った。
朝練が終わった山本、先に来てた京子やクラスの生徒は湿布を見てまた綱吉がやったのかと聞いてきた。
「うん。でもね誤解がとければ~きっと綱吉君と仲直り出来ると思うし~獄寺君とも仲良く出来ると思うの~。」
いつか仲直りが出来ると言う瑠花に山本達は苛められているのに優しいと感動して益々獄寺を引き離して綱吉を制裁して謝罪させようと間違った正義感を燃やした。
瑠花は山本達を見てこれなら更に綱吉を痛めつけられると笑った。
雲雀は基本的に校門の前に立つ。だから最近は綱吉と獄寺は裏門から学校に入るが雲雀が裏門にいた。
「沢田綱吉。まだ謝罪してないんだって?赤ん坊に聞いたよ。南川は毎日泣いてるし。」
トンファーを構える雲雀は綱吉を睨み付けた。
「僕は言ったよね。謝罪しろって。したら風紀を乱したことには目を瞑るとも。でも君はしなかった。」
これは風紀を乱した罰だと綱吉を目掛けてトンファーを振り上げるが獄寺が前に入りトンファーを受け止めた。
トンファーを掴んだまま雲雀を睨む獄寺。
「もうすぐ予鈴だ。てめえが今暴れたら10代目と俺は遅刻しちまう。風紀委員長が風紀を乱すのかよ?」
「フン。仕方ないね。でも次は無い。」
雲雀はトンファーをしまうと教室に行けと目で言うと踵を返した。
獄寺が無事で綱吉は胸を撫で下ろした。
「ありがとう。」
「気にしないで下さい。それより今日もその教室に?」
「うん。獄寺君ごめんね。」
「構いません。では行きましょう。」
行かなかったら瑠花を襲ったことを認めてしまうことになってしまう。それは獄寺も分かっているが内心はもう行かないで欲しいと思っていた。
教室に入って来る綱吉と獄寺。瑠花は怯えるふりをした。
「お、おはよう。獄寺君、綱・・・吉君。」
綱吉の名前をわざとらしく怯えながら言う瑠花に山本達は仲直りしたがっていても怖いんだと思って獄寺を女子が総出で引き摺るように綱吉から離して山本と男子が綱吉を取り囲む。
京子と花は瑠花を慰めた。
獄寺は女子達を振り払うようにして綱吉の傍に行こうとするが女子も必死に獄寺の腕を掴み囲むようにを押さえる。
「てめえら離せ!」
「獄寺君!沢田を庇ったら駄目!」
「ダメツナは犯罪者なんだよ!」
女子に押さえられて身動きが取れない獄寺を尻目に山本は綱吉の鳩尾を殴った。 痛みが走り踞って咳き込む綱吉を男子達が蹴りを入れる。
「こいつがいたら瑠花が怯えるから屋上に連れていくのな。」
「山本の言う通りだ!」
山本は開いているドアに目掛けて綱吉を蹴り飛ばして綱吉は廊下に転がる。
「よし運ぶぞ!」
「分かったのな!笹川、先輩を呼んで獄寺を足止めさせるのな!」
「今からお兄ちゃんに連絡するわ!」
山本や他の男子が綱吉の両腕と両足を掴んで屋上に向い、京子は了平に連絡を入れた。
獄寺は腕を掴んでいる女子を乱暴に振り払い囲んでいる女子達を押し退けると了平が入ってきた。
「今度は芝生頭かよ!邪魔だ退け!!」
「極限退くわけにはいかん!退けばタコヘッドは沢田を助けるのだろう?」
了平はファイティングポーズを取り、獄寺を舌打ちしてダイナマイトを取り出した。
瑠花達はダイナマイトの被害から逃れるために距離を取るとそれが合図になったのか獄寺と了平が戦い始めた。