静寂の住人2
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気絶したふりをしてそのまま眠ってしまった綱吉の傍に子供達は居たかったがリボーンに追い出されてしまい自分達が使っている部屋で過ごしていた。
「ランボさんツナが心配だもんね。」
「イーピンもツナさん心配。リボーンに酷いことされてないといいんだけど。」
優しい兄貴分のようなツナ。
誰かを苛めるわけないのに何故リボーンも奈々も家光も信じない。家庭教師、家族なのに。山本も了平も京子も友人なのに。どうして信じないのだろう。
フゥ太は泣きそうな顔をしたランボとイーピンを慰めながらランキングの本を開いた。
「こちらランキングフゥ太。」
ランキング能力を使いだしたフゥ太はランボ、イーピンと共に宙に浮き、続いて玩具や絵本も浮き上がった。
「麻薬や人身売買、人体実験をしているマフィア20000位中、1位はマルルーモファミリー。表の人間や企業にマフィアの力を使ったマフィア15000位中、1位。」
「他人を騙し陥れる人間5000000位中、123位に南川瑠花。表の人間をマフィアの力を使おうとする人間40000位中53位。」
マルルーモファミリーと瑠花は悪事を働いていることが分かった。
後はこれを話すだけだとフゥ太が言うとランボとイーピンはこれで綱吉の疑いが晴れると喜んだ。
綱吉の部屋ではリボーンが眠っている綱吉を苦々しく見ていた。
リボーンが綱吉の家庭教師に付いたのはマフィア最大の規模を誇るボンゴレからの依頼だったから。10代目を育て上げれば報酬額は膨大で自分の経歴に箔が付くからだ。
「チッ!このダメツナが。炎は弱いわ、瑠花を襲うわでろくなことしねぇ!このままじゃ俺様の経歴に傷が付くだろうが!明日からはもっときつく躾て何がなんでも10代目にするからな!」
リボーンにとって〈ボンゴレ10代目〉とは誰でも良かった。10代目候補者は自分の利益だけに必要な人間だった。
リビングで奈々はハァと溜め息をした。
リボーンを雇ってから綱吉にやっと友人やガールフレンドが出来て安心した。安心と言っても理想の息子に一歩近付いたからで綱吉本人に対しては家光との関係を繋ぐ子供という認識程度だった。
「ああもう!やっと私の理想に近付いたのに瑠花ちゃんを襲ってそのあとも苛めるなんて!勉強もスポーツも出来ない上に女の子を苛めるような子なら生まなければ良かった!」
奈々は人気者の子供を見せびらかせ自慢するのが夢だった。なのに綱吉は自分の理想からかけ離れていて。
奈々にとって綱吉は辟易するしかない存在でしかなかった。
ビアンキは自分に与えられた部屋で苛立っていた。
元々ビアンキはリボーンと一緒にいる為に綱吉を殺しに来た。
だがリボーンがボンゴレの依頼を完了させたらリボーンに箔が付くから我慢していたが綱吉が瑠花を襲ったことでリボーンの経歴に傷が付いてしまうかも知れないと分かり綱吉が邪魔だった。
「ツナったら瑠花を襲って私のリボーンに恥をかかせて!許せないわ!!!」
ビアンキにとって綱吉は自分とリボーンを引き裂いた挙げ句にリボーンに恥をかかせる駄目な人間でしかなかった。
彼等にとって綱吉は道具であり、また厄介者でしかなかった。
自分の子供、生徒、家族なのにも関わらずに何で綱吉が思うようにならないんだと苛立ち怒りばかりが募っていた。
綱吉をどうしようもない道具だと無意識に思っていた。
綱吉がボンゴレ10代目を継げばリボーンは箔が付き更に他のファミリーから依頼が殺到するだろうしビアンキは綱吉がリボーンから離れればリボーンは自由になり一緒に過ごせる。
奈々は文武両道な息子に仕上げれば近所の人間に見せびらかせて優越感に浸れるし家光も良くやったと誉めてくれるだろう。
綱吉の心を無いものだと無視して自分の欲を満たす為の道具。
自分の幸せの為に綱吉には便利で言うことを聞く道具でいてもらいたかった。
だが現実は真逆で。彼等は苛立った。