静寂の住人2
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獄寺は苛立って道端にある石を蹴ると携帯の着信音が鳴った。
「誰だよ?」
舌打ち混じりに言いながらディスプレイを見ると【アホ女】の文字が表示されていた。
フゥ太との約束もある。獄寺は電話に出た。
「ハルか。何だよこんな時間によ。」
相変わらずの獄寺にハルはホッとするが自分が思ったことを話さないといけない。ハルは口を開いた。
『瑠花ちゃんのことなんですけど。瑠花ちゃんもしかしてツナさんや獄寺さんに何か酷いことをしてませんか!?』
「ッ!?」
息を詰まらせる獄寺。ハルは話を続ける。
『実は親睦会の次の日の朝に瑠花ちゃんに突き飛ばされて二度とツナさんと獄寺さんに会うなって言われて。会ったらマフィアの力を使ってハルと両親を事故に見せかけて殺すって言われました。』
「何だと!?」
『一体何があったんですか?ハルに教えて下さい!』
「・・・・・・。」
獄寺は迷った。知ればその分危険になるし、綱吉も今の状況が治まるまでハルに知られたくないと言っていた。しかしマフィアの力を一般人のハルに使おうとするマルルーモと瑠花。この情報は有力だ。
獄寺はハルには悪いが適当にあしらおうとすると電話口から泣き声が聞こえてきた。
『獄寺さんどうして黙ってるんですか!ハルにちゃんと説明して下さい!このままじゃハルは納得いきません!ハルの動き一つでハルのお母さんとお父さんは殺されるかもしれないんです!』
泣いて問うハルに獄寺は仕方なく綱吉に何が起きたかを教えた。
ハルは綱吉の身に何が起きたか聞いて愕然とした。
『それじゃ・・・ツナさんは瑠花ちゃんとマルルーモファミリーに陥れられて京子ちゃん達は瑠花ちゃんを信じてツナさんを裏切ったってことですか。』
「10代目の味方は俺とアホ牛とフゥ太とイーピンだけだ。アホ牛達はリボーンさんや姉貴の目を盗んで10代目に食料を渡してる。」
『そんな・・・。それでツナさんは!?』
「いつか誤解が解けると信じておられる。だが俺は正直誤解は解けないと思ってる。南川は出鱈目の嘘を付くが回りの人間にあること無いことを吹き込みやがるし手口が巧妙だ。あれは慣れてる証拠だぜ。」
瑠花の演技はまだ中学生の生徒達には通用する。ただマフィア育ちで綱吉に出合うまで一匹狼だった獄寺には猿芝居にしか見えなかった。
「野球馬鹿達には南川の演技に騙されてるが俺からしたら猿芝居以下の演技だ。取り敢えずハルは暫く俺と10代目に接触しない方が良いだろう。」
ハルは納得出来なかったが戦えないどころか護身術すら出来ない。二人の足を引っ張るだけだと渋々頷いた。
『分かりました。でももしもハルに出来ることがあったら言って下さい!』
「ああ分かった。それからフゥ太達がバッグと巾着ありがとうだとよ。今度ちゃんとお礼言うって言ってたぜ。」
『フゥ太君達気にしなくて良いのに。それではそろそろ切りますね。獄寺さんお休みなさい。』
「ああ。」
獄寺は携帯を切ってこの先どうなるんだと思い空を見上げた。
ーーーー
瑠花は眠れずにいた。
マルルーモファミリーのボスで父親の命令はツナと結婚して子供を生むこと。
これだけなら何も獄寺がそっぽを向いていてもさほど問題はない。
だが瑠花は守護者を侍らせたいのだ。守護者は皆良い男ばかりだ。
瑠花は自分の回りに守護者を侍らせて自分は安全な場所で子供を生んでボンゴレ夫人としてボンゴレを動かしたいのだ。動かせればマルルーモファミリーの悪事が隠しやすくなるのだから。
「今はマルルーモファミリーと並中のお姫様だけど~瑠花はいずれマフィア界の女王になるのよ!それにはやっぱり美形で頭脳明晰な獄寺君は必要よ~。」
綱吉と獄寺を引き離すのは今日の獄寺の態度で無理だと判断した。瑠花はもっと綱吉を痛めつけるしかないと思った。
「こうなったら瑠花の奴隷達にダメツナをもっと痛めつけるように煽るしかないわね~。ダメツナが頷けば自動的に獄寺君も手に入るんだから~。」
瑠花は奴隷達の中でも乱暴な人間にある物を渡そうと考え父親に連絡を取った。
「パパ。お願いがあるの~。あのクッキーを送って欲しいの~。」
『分かった。早速手配しよう。』
「お願いね~。」
瑠花は引き出しから数枚のクッキーを出した。
クッキーには麻薬が混ぜられている。勿論依存性も高い。
「これだけしかないけど明日辺りにでも不良共にプレゼントしなきゃね~。」
瑠花はニヤニヤしてクッキーを通学鞄に入れた。