静寂の住人2
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フゥ太もまた獄寺とハルが想い合っていることに気付いていた。
「隼人兄はハル姉が好きだよね。ハル姉も隼人兄が好きだもん。絶対にハル姉は素敵な物を作ってくれるよ!!」
フゥ太とランボとイーピンの手提げバッグと巾着はしっかりした作りだ。決して手抜きはしていない。ハルの腕は確かだ。
力説するフゥ太に獄寺はちょっと黙れと低い声で言うが顔を赤くして慌てるように言うから迫力が全くない。それに気付いたランボはガハハと笑い声を出して獄寺をからかい始めた。
「アホ寺良いでしょ~?ランさんの巾着~。どうしてもって言うなら巾着貸そうか~。」
ランボの言葉に獄寺はキレてモジャモジャ頭を鷲掴みした。
「アホ牛うるせぇよ!!」
「ピギャ!?」
既に泣きそうなランボだが獄寺は無視してブンブンと振り回す。だが反ってランボはご機嫌だ。
「ガハハッ!もっと回せー!良いぞアホ寺!」
「んだと!?誰がアホだ!」
騒がしく暴れる獄寺と煽るように笑うランボにフゥ太とイーピンは慌てて止めに入る。
「隼人兄、ランボ。ツナ兄が起きちゃうよ!」
「二人共、静かにする!」
フゥ太とイーピンに言われしまったと静かになる獄寺とランボだが騒がし過ぎたのかツナが目を覚ました。
「ん・・・」
「煩くしてすみません。」
「ツナごめんね。」
謝る獄寺とランボに気にしないで良いと言って起き上がる。
「俺、気絶しちゃってた?」
「・・・はい。」
「獄寺君、運んでくれてありがとう。」
笑顔でお礼を言う綱吉に獄寺は親友ですから!と引き出しから弁当とペットボトルを取り出した。
「フゥ太、ランボ、イーピン。いつもありがとう。」
子供達は首を横に振り早く食べてと勧める。
綱吉が食べ終わると誰かが階段を上がってくる音がしてきて子供達は空の弁当とペットボトルを隠して獄寺は気絶したままのふりを綱吉にさせた。目を覚ましたのが分かればリボーンや奈々が躾と称した制裁が始まる。
ドアを乱暴に開けてリボーンが入ってきた。ベッドに横たわる綱吉を見てまだ起きてねえのかと舌打ちをした。獄寺と子供達はリボーンの舌打ちに嫌な顔をするが獄寺達の顔に気付かないでリボーンは獄寺に瑠花を屋敷まで送っていけと命令した。
リボーンは獄寺が綱吉から離れないなら瑠花に気持ちを傾かせれば離れるだろうと踏んだ。それには瑠花との交流を深めなくては意味が無い。リボーンはこれからは積極的に獄寺が瑠花といる時間を作ろうと考えた。
「獄寺。瑠花を屋敷まで送っていけ。」
獄寺はあからさまに嫌な顔をした。 獄寺にとって瑠花は敵だ。敵をわざわざ家まで送る気等無い。
「何故俺なんですか?俺よりリボーンさんの方が南川は安心すると思いますが?」
「マルルーモファミリーはボンゴレの同盟ファミリーでお前はボンゴレの一員だ!瑠花を送るのは当然だぞ!瑠花が待ってるから早く送ってやれ!」
リボーンは獄寺を綱吉の部屋から追い出すようにしてリボーンも部屋から出た。
リビングには奈々とまだ仮面を被っているビアンキと喋っている瑠花がいた。
「瑠花、獄寺が送るからそろそろ帰り支度をしろ。」
「リボーン君分かったわぁ~。」
瑠花は獄寺が送ってくれると嬉しそうにして帰り支度をした。
獄寺は綱吉を陥れてボンゴレを乗っ取ろうとする瑠花に苛立ちと怒りしかない。
「早くしやがれ。こっちだって暇じゃねぇんだよ。」
「獄寺君~。ごめんなさ~い。」
獄寺は瑠花の顔なんざ見たくないと背を向けて靴を履いて待っている。リボーンとビアンキは獄寺の態度にハァと溜め息が出る。
「獄寺、女には優しくするもんだぞ?」
「瑠花は女の子なんだからもう少し優しくしてあげて。」
獄寺は女でも瑠花みたいな腹黒で媚を売る女に優しくする必要は無いと忠告をガン無視した。リボーンとビアンキは更に深い溜め息をした。
「獄寺君~。お待たせ~。」
リビングから出てきた瑠花を一瞥して「さっさと靴履けよ。」と促した。
リボーンと奈々、ビアンキに見送られて獄寺は瑠花を仕方なく屋敷まで送っていく。
「獄寺君~、送ってくれてありがとー。瑠花は戦えないから~痴漢とかぁ敵対ファミリーが出てきたら大変だもん。」
そう言って獄寺の腕を絡ませようと手を伸ばす瑠花。それを難なく避ける獄寺は呆れ顔で口を開いた。
「マフィアの癖に戦えねーのかよ?クロームだって女だし一般人だったらしいが戦えるぜ?マフィア育ちなら尚更だろ。」
か弱い女の方がウケが良いと思っていた瑠花は呆然とした。
「で、でもぉ、戦うなんて瑠花には~出来ないよぉ~。」
「戦闘技術を身に付けろとまでは言わねーけど護身術くらいは身に付けておけよな。弱いって理由で時間を割かれる方の身になれ!」
確かに戦えないし、瑠花の両親も蝶よ花よと甘やかしてきたしそれが当然だった瑠花はガックリとした。
「そ、そんなぁ~。戦うって暴力みたいで瑠花には無理よぉ~。」
だから守ってと自分勝手な言い分をする瑠花に獄寺は怒鳴った。
「暴力だ?その暴力を野球馬鹿達に振るわせて傷付く10代目を汚ねえ顔で笑って見てるのは南川だろうが!バレてねぇとか思ってんだったら大間違いだ!!」
「ひ、酷い!瑠花、獄寺君に何かした~?」
泣きながら言う瑠花に獄寺は睨み付けて言い返した。
「てめえは俺が忠誠を誓った10代目に酷い仕打ちをした!そんなてめえを守る気はさらさらねえよ!」
「そ、そんな・・・。」
瑠花は獄寺に抱き付こうとしたが獄寺は振り払う。瑠花はよろけた。
「俺はてめえみたいな腹黒で汚い手段しか使えない女が嫌いなんだよ!」
獄寺は吐き捨てて踵を返した。
瑠花は綱吉が言うことを聞かないから獄寺に嫌われたとお門違いの怒りを顕にして顔を醜く歪めながら屋敷に戻った。