静寂の住人2
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また保健室のドアに外出中の札が掛かっていた。
獄寺はシャマルはまた居ないのかと思いつつ絆創膏や湿布、消毒液を漁り先ずはドッジボールで当たった箇所が赤くなった所に貼った綱吉の湿布の取り替えをしようとしたが綱吉は首を横に振った。
「俺より獄寺君の怪我が先だよ。消毒液を貸して。」
「いいえ!先ずは10代目の湿布の取り替えが先です。」
「今は獄寺君の方が酷いことになってるんだから駄目だよ。」
頑として頷かない獄寺に綱吉は半ばひったくるように消毒液を奪い脱脂綿に消毒液を染み込ませた。
「痛かったらごめんね。」
切れた口にそっと脱脂綿を当てる綱吉はこれからのことを考えた。
このままだと獄寺まで酷い目に遭う。だったらこの騒動が終わるまで距離を置くしかない。
綱吉は獄寺の腫れた頬に湿布を貼って口を開いた。
「この騒ぎが終わるまで距離を置こう?このまま俺と一緒にいると獄寺君まで酷い目に遭うと思うし。」
獄寺は命を救われてから忠誠を誓って慕っている。その綱吉を放置して自分だけ難を逃れようとすることは受け入れられない。
「それは受け入れられません。10代目を放って自分だけ助かろうとは思いません。俺は貴方の守護者です!」
綱吉は獄寺を部下とは思っていない。綱吉にとって獄寺は初めて出来た友人で今は親友だ。
綱吉は眉を八の字にして困ったような顔をした。
「でも南川さんに嵌められるかもしれないから。俺、そんなの嫌だよ。」
獄寺は綱吉の目を見て力説した。
「俺は助けられた日にボンゴレ10代目に忠誠を誓いましたが今は沢田綱吉という人物に忠誠を誓ってます!そして俺にとって初めての親友です!!だから御側にいるんです!」
獄寺の最後の方の言葉、初めての親友。
綱吉はずっと獄寺が傍にいるのは自分がボンゴレ10代目だからだと思っていた。
だが実際は親友だがら傍にいると言われて嬉しくて涙を流した。獄寺は泣き出した綱吉にあたふたした。
「じ、10代目!?」
「俺、ずっと獄寺君がいるのはボンゴレ10代目だからと思ってた。でも親友だって言ってくれたから嬉しくてさ。これからも親友でいてくれるかな?」
「勿論です!!」
胸をドンと叩く獄寺に綱吉は笑顔でありがとうと言った。
時間は午後の授業が終わりホームルームも終っていた。
「帰って何とか調査してもらえるようにリボーンさんに頼みましょう!」
「うん。」
諦めるにはまだ早いと綱吉は鼓舞して獄寺と家に帰った。
帰宅して家のドアを開けるとリビングから家光が出てきて有無を言わさず綱吉を拳で殴り付けた。
「痛っ!?」
「10代目!」
助けようとする獄寺に家光は睨み付けた。
「獄寺、ツナは同盟ファミリーの瑠花嬢を襲ったんだ。庇うのは許さん。」
「南川は嘘をついているんです!10代目は無実です!!」
家光は一つ息を吐くとリボーンの言った通りだなと呟き吐き捨てるように言った。
「リボーンから聞いたが愚息に騙されているようだな。少し冷静になってみろ。普通なら愚息のした行動は許されない。なのにツナを庇うとは。守護者としてボスを信じるのは良いが無駄に騙されるな。」
家光は視線を座り込んでいる綱吉に怒りがこもった目で向けた。
「ツナ!お前は何てことをしてくれたんだ!マルルーモファミリーは同盟ファミリーなんだぞ!それを分かっていて瑠花嬢を強姦しようとするとは!!早く謝罪するんだ!」
「父さん!俺はそんなことしてないよ!!」
家光はツナの胸ぐらを乱暴に掴んで怒鳴り付けた。
「いい加減にするんだ!お前がしたことは許されない!最悪同盟破棄される可能性がある!そうなったらどう責任取るつもりだ!」
「父さんは信じてくれないの!?」
「女の子を襲うような奴をどう信じればいいんだ!!」
家光はまた綱吉を殴り付け、掴んでいた綱吉を無造作に突き飛ばした。
「瑠花嬢に謝罪しろ。マルルーモファミリーの方は9代目と俺が何とかする。全くこんなことになるとはな。」
家光は荒々しくドアを閉めて家に入った。
綱吉の話を聞かない家光に綱吉は何でと呟き、獄寺は何も出来ない自分を責めた。