静寂の住人2
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教室に入ると綱吉は一斉に悪意を浴びた。
「犯罪者!」
「南川に謝れ!」
「ふられたからって襲うなんて最低だよ!」
「瑠花ちゃんが可哀想よ!」
綱吉はやっていない!信じて!とクラスの生徒に言うが誰一人聞かないで罵倒する。獄寺がダイナマイトを取り出し睨み付けると生徒達は顔色を変えて口を閉ざした。
綱吉と獄寺は席に着こうとしたが目を見開いた。
獄寺の隣の席に位置する綱吉の机は『死ね』『学校に来るな!』『最低男』等の罵倒する言葉が彫られていたり、油性ペンで書かれていた。
獄寺は教室を見やると数人の女子生徒が油性ペンやカッター、彫刻刀を持ってヒソヒソと綱吉の悪口を言っていた。
「おい!これやったのてめぇらか!!」
獄寺の怒号に女子生徒達はビクッと体を震わせ怯えるが何とか言い返した。
「そ、そうよ!だってソイツは悪人だし!」
「だって・・・沢田は犯罪者だもん!」
「わ、悪者には反省させないと!」
「沢田の肩を持つのはやめた方が良いわ!」
「獄寺君が庇えば沢田の奴は反省しないよ!」
「親友なら謝罪するように諭すべきだわ!」
「てめえらは10代目の話を聞かないでこんなことしてんのかよ!」
獄寺は綱吉の机を指して怒鳴り付けた。女子生徒達は悪人の机だからと言って綱吉に謝罪をしなかった。
獄寺はどいつもこいつもと舌打ちすると媚びるような声が聞こえた。
「おはよ~。」
右頬に湿布をしている瑠花が京子と教室に入ってきた。
「瑠花ちゃん!?その頬!?」
「朝寝ぼけて転んじゃって・・・何でもないよ~。」
何でも無いわけがないと京子は怒り露にして綱吉のもとに行き睨みながら怒鳴った。
「沢田君!瑠花ちゃんを叩くなんて最低だよ!可哀想に瑠花ちゃん湿布してるのよ!」
「俺はしてないよ!大体今会ったんだよ!」
「笹川。10代目は朝から俺と一緒に居られたんだ!南川が嘘ついてるだけだ!」
「何で瑠花ちゃんが嘘を付かなきゃいけないの!嘘を付いてるのは沢田君じゃない!きっと獄寺君が迎えに行く前に瑠花ちゃんを殴ったのよ!」
「何だと!芝生頭の妹でも容赦しねえぞ!」
睨み付ける獄寺に瑠花は慌てて間に入った。
「獄寺君~!京子ちゃ~ん!喧嘩しないでぇ~。」
撫で声の瑠花に獄寺は鳥肌を立てた。それに気付かない瑠花は獄寺に泣きそうな顔を作って信じてくれないのと言い出した。
「獄寺君は~瑠花を何で信じてくれないの~?本当に怖かったんだよぉ~?瑠花、獄寺君に何かした~?だったら謝るから~瑠花を信じて欲しいの~。」
両手を胸元で組み上目遣いで見てくる瑠花。その目には何とか獄寺の気を引こうとしているのが分かる。
獄寺はその目に吐き気しかない。
「南川。てめぇの話は信憑性がねぇんだよ。」
「ふぇ・・・、ヒック、そんなぁ、ヒック」
嘘泣きをする瑠花。京子は獄寺を怒鳴った。
「酷いよ!何で瑠花ちゃんを信じてあげないの!?」
「なら聞くが笹川は10代目が南川に告白して襲ったところを見たのかよ?他の奴もだ!!」
京子と生徒達は叫び声を聞いたしスカートが破れて泣いている瑠花が言うならそれが証拠だと言い張った。
「泣いてただけで決めつけんな!」
「じゃあ沢田君がやってない証拠はあるの!?」
「そうだ!ダメツナがやってない証拠を出せよ!」
言い合いする獄寺と京子達。そこに朝練が終わった山本が入ってきて騒ぎが大きくなる。
「ツナ早く詫びるのな!!」
「山本、俺は南川さんにそんなことしてない!」
「まだ誤魔化す気なのかよ!!」
山本は綱吉を殴ろうとするが獄寺が腕を掴み捻りあげた。
「っ!?獄寺!何するのな!!」
痛みに顔を歪める山本に獄寺は乱暴に腕を離した。
「守護者の癖に見損なったぜ!!」
「守護者ならツナの間違いを正すもんだろ!!」
獄寺はダイナマイトを出し、山本はバットを構え睨み合う。
一触即発な雰囲気に教室は静まり返る。
綱吉は獄寺の腕を掴んで止めに入ったところで教師が来て山本達は渋々と席に着いた。
獄寺は尚もダイナマイトを放とうとするが綱吉が必死に止める。
「獄寺君!駄目だ!皆が怪我するよ!」
「・・・10代目がそう仰るなら。」
怪我してるのは綱吉の方だと思いつつ獄寺は席に着いた。