静寂の住人2
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閉め出された獄寺は綱吉の自室を目指してリボーンにバレないように細心の注意を払ってよじ登った。
綱吉の自室の窓を覗くとリボーンが綱吉を殴り付けていた。
「このダメツナが!女を襲う奴がボンゴレを継げると思ってるのか!」
「俺はやってないよ!」
「言い訳するな!これから謝りに行け!謝罪が済んだら腐った根性を叩き直してやるぞ!」
リボーンは綱吉の顔面に蹴りを入れる。堪らず獄寺は窓を開けた。
「10代目!!」
獄寺は綱吉の前に立ちリボーンから庇う。リボーンはどういうつもりだと怒鳴り付けた。
「ダメツナを庇うんじゃねぇ!そいつは同盟ファミリーの瑠花を襲ったんだ!」
「先程も言いましたが南川とマルルーモファミリーは家系図を改竄してボンゴレの親戚に成りすましているんです!南川が自ら10代目に言ったそうです!罰するのは10代目ではなく南川です!」
「ダメツナに騙されやがって!!おいツナ!守護者騙してまで自分の罪を認めたくねえのか!」
「リボーンさんボンゴレ諜報部にマルルーモファミリーと南川の調査を依頼して下さい!南川は怪しすぎます!」
やっていないと言う綱吉と庇う獄寺にリボーンは銃を出して脅した。
「うるせぇ!お前らこれ以上俺様に楯突いたら容赦無く撃つぞ!!」
銃口が獄寺に向いて怯える綱吉は退いてと促すが頑として退かない獄寺。
「お言葉ですが今10代目を撃とうものならボンゴレに歯向かうことに成りかねませんよ?」
リボーンは綱吉を10代目にする為に雇われた家庭教師。
リボーンは舌打ちして銃を下ろした。
「ダメツナ。今日のところは勘弁してやる。明日は瑠花に謝れ。」
結局綱吉の話をまともに聞かずリボーンはリビングに降りていった。
「10代目。疑いは必ず晴れますから!」
元気付ける獄寺に綱吉はありがとうと頷き、玄関まで送ろうとしたが獄寺は首を横に振り窓に指を差した。
「姉貴に出くわしたら不味いんで窓から帰ります。」
玄関から帰ろうとしたら綱吉のことだ。玄関まで見送るだろう。そんな所を見られたらリボーンと奈々は綱吉を見たらまた怒鳴り付ける可能性があると思い嘘を付いた。ビアンキにバッタリ会うと不味いのもあるが。
「た、確かにビアンキに会っちゃうと不味いよね。」
「それではまた明日迎えに上がります。」
「今日はありがとう。」
獄寺は笑顔で窓から出て行き綱吉は見えなくなるまで見送った。
「・・・獄寺君は信じてくれて話も聞いてくれたのに何で母さんとリボーンは信じてくれないのかな・・・。」
ポツリと呟いているとドアをノックする音がした。綱吉が開けるとランボとイーピン、フゥ太がショボンとして手提げバッグを持って立っていた。
「どうしたの?もう直ぐ夕ご飯だよ?」
いつも夕食前はリビングで過ごしている子供達がここに来ることはあまりない。それに元気がない。騒がしいランボでさえ大人しい。
不思議そうにしているとフゥ太は手提げバッグを渡した。
「ママンがツナ兄のご飯作らないって言ってから。良かったらこれ食べて。」
手提げバッグにはコンビニ弁当とペットボトルのお茶が入っていた。
「ありがとう。でもお金はどうしたの?」
フゥ太もランボもイーピンもお小遣いを奈々に渡されているわけではない。それを察してフゥ太は情報屋で稼いだ金が多少あるから気にしないでと綱吉に言ってそれよりと話を続けた。
「ツナ兄、一体何があったの?」
「ランボさん心配だもんね!」
「ママンもリボーンも怒って怖い。ツナさん元気ない。」
フゥ太は凄腕の情報屋。
ランボはボヴィーノファミリーのボスのお気に入りで雷の守護者。
イーピンは風の愛弟子。
強欲そうな瑠花が彼等に目を付けないわけがない。
綱吉は知っておいた方が良いだろうと瑠花に嵌められたことを説明した。
「やっぱり南川さんは・・・ツナ兄が目的だったんだ。」
話を聞いたフゥ太は瑠花が家に来た日に綱吉を見る目が怪しかったのを覚えていた。そして自分とランボとイーピンを品定めするように見ていた瑠花に恐怖を感じていた。
「フゥ太?南川さんと何かあったの?」
「特に何かされたわけじゃないけど南川さんが来た日ツナ兄を狙うように見てたし、僕達を品定めするように見てたんだ。」
「ランボさんあの化粧オバケ女嫌いだもんね!怖いもんね!」
「イーピンもあのお姉さんの目は嫌い!」
綱吉は予想が当たったと眉を寄せた。
ボンゴレの同盟ファミリーの瑠花だ。リボーンは守護者のランボは当然のように関わらせようとするだろうし、情報屋のフゥ太、拳法の達人のイーピンも関わらせようと動く筈だ。
「フゥ太、ランボ、イーピン。南川さんにはなるべく関わらない方が良い。多分リボーンはフゥ太達の気持ちを無視して南川さんと接させようとするかもしれないから。」
子供達は頷くと綱吉は怖い思いをしていたのに気付かなくてごめんと謝った。
「怖い思いをしてたのに気付かなくてごめん。」
「ツナ兄は悪くないよ!」
「あの女が悪者だもんね!」
「ツナさん悪くない!」
いつも遊んでくれる綱吉を兄のように慕っている。だから綱吉が誰かに酷いことをするわけがないと知っていたから子供達は悪いのは瑠花だと簡単に分かった。
綱吉は信じてくれてありがとうと頭を優しく撫でると子供達は嬉しそうに笑った。