静寂の住人2
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瑠花がクラスの生徒達と仲良くするふりをしながら待ち続けて数日後、京子は委員会の話し合い、山本と了平は部活、獄寺は教師に呼び出されついに綱吉が一人になった。
放課後だけあって部活や委員会で教室にいる生徒も疎らでその生徒達も帰宅の準備をしている。
瑠花はチャンスだと自分の席で獄寺を待っている綱吉の側に行く。
「綱吉君少し良いかな~?」
「な、何?」
「ここではちょっと言えないから~屋上まで来て欲しいのぉ~。」
綱吉は嫌だったが瑠花に腕を掴まれてしまい仕方なく屋上に行った。
屋上に着くと瑠花はお願いがあると話を始めた。
「瑠花ね~綱吉君にお願いがあるの~。瑠花と婚約して欲しいの~。」
「こ、婚・・・約?」
まさかの婚約の話に綱吉は目を丸くして驚いた。驚く綱吉を気にせず瑠花は話を続ける。
「初代の直系の血筋の綱吉君と傍系だけど7世の血筋の瑠花が結婚したらボンゴレの血が濃い子供が出来ると思うの~。それにボンゴレとマルルーモは同盟も組んでるから~瑠花と結婚したら結束も強くなるわ~。」
綱吉からしたらとんでもない話だ。マフィアになるつもりは全く無いし、瑠花は綱吉とって恐怖の対象だ。
「ごめん。南川さんとは婚約出来ないよ。」
「えー!でもボンゴレを強くするには良い話だと思うよ~?もし婚約が重く感じるなら恋人から始めても良いよ~。」
綱吉は閉口して困った。マフィアになりたくないのにボンゴレの同盟ファミリーの人間と付き合ったらズルズルとマフィアの世界に引き摺り込まれるだろう。だったらボンゴレの業を背負うことになるがそれを説明して瑠花にボンゴレボスになって貰おうと口を開いた。
「ボンゴレの業って知ってるかな?」
「ボンゴレの業?」
如何にも知らない顔をする瑠花に綱吉は簡単に説明した。
「ボンゴレの業は今まで騙したり殺したりした敵や抗争に巻き込まれた人達の怨念なんだ。もしそれを背負う覚悟があるなら南川さんがボンゴレのボスになりなよ。」
瑠花は目を剥いた。そんな話は聞いたことが無かったし、自分は7世の傍系ではない。家系図を改竄して成りすましているのだから。
ボンゴレリングをはめたらザンザスのようになるのは明らかだ。
「だ、駄目よー。ボンゴレは綱吉君が継がないと!綱吉君がボスで瑠花はボンゴレ夫人!これが一番良い形なのよ~?瑠花を妻にしてくれるなら愛人を何人作っても構わないし、京子が好きなら愛人の中に入れれば良いだけだし~。とにかく瑠花と付き合って!」
必死に食い下がる瑠花に綱吉は怪訝そうにした。
ボンゴレの血筋で残っていて継げるのは綱吉と瑠花だけだ。綱吉が辞退したら自動的にボンゴレの座が転がり込んでくるのだ。それなのに妻に拘る瑠花を見て綱吉はまさかと口にした。
「まさかボンゴレ7世の傍系っていうのは嘘なんじゃ?」
瑠花は目を大きく見開いたが次の瞬間両目を吊り上げ怒鳴り散らした。
「ダメツナの癖に何で気付くんだよ!そうよ!マルルーモは家系図を改竄してボンゴレに入り込んだんだよ!そうでもしないとボンゴレを手に入れる為の布石が打てないからね!こうなったら嫌でも瑠花と結婚しなさい!結婚するなら愛人を何人作っても構わないしパパに頼んで何人でも女を紹介しても良いわ!」
だから結婚すると約束しろと迫る瑠花を綱吉は拒絶した。
「断る!そんな理由で結婚しても南川さんも俺も幸せにはなれない!!」
「なっ!ふざけるな!ふざけるな!ふざけるなーーー!!!」
瑠花は叫びながら綱吉を突き飛ばした。
「これが最後よ!瑠花とマルルーモの為に結婚しなさい!さっさと頷けよーー!!」
「俺の答えは変わらない!断る!!」
立ち上がろうとする綱吉を見て瑠花は笑いだした。
「フフ!アハハハハ!あんたはもう終わりよ!これから生地獄をたぁっぷり味あわせてあげる~!」
瑠花は自分の右頬を叩きスカートを破って息を吸い込んでかなきり声をあげた。
「誰かーーーーっ!!助けてーーーーーーーーーーーーっ!!」
瑠花の甲高い声が並中に響き渡った。