静寂の住人2
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帰って来た綱吉に奈々は目を丸くしたが直ぐに嬉しそうにした。
いつものメンバーに一人増えていてしかも女の子。
『そうそうこうでなくちゃね!それでこそ私の子供!』
奈々は大学を卒業してアルバイトをしていたが直ぐに家光と結婚し専業主婦になった。そのせいか世間知らずで頭の中は乙女思考のままだった。
そんな奈々が描いていたのは夫を愛して支え、子供には愛情を注ぐ。これだけなら問題はないが家光が滅多に帰って来ない為に綱吉には過度の期待をしていた。
自分の子供は成績優秀でスポーツも万能。教師には信頼され、友人も沢山で、先輩には気に入られ後輩には慕われて中には女の子もいて。
つまり学校で注目される人気者を望んでいた。
だが綱吉は成績は下から数えた方が早いし、運動音痴。そのせいでダメダメのダメツナと笑われ友人はいない。奈々はそんな綱吉に失望していた。
けれどリボーンを家庭教師にした辺りから友人が増えて先輩もいる。京子とハルというガールフレンドも出来た。それにどうやらまたもう1人ガールフレンド出来たようで奈々はその点には満足した。
『ハーフなのかしら。そんな子がツッ君のお友達だなんて嬉しいわ!後は成績が上がれば良いだけね!』
奈々はそんなことを思いながら笑顔でいらっしゃいと言うと瑠花は丁寧にお辞儀した。
「はじめまして。南川瑠花です。よろしくお願いします。」
「はじめまして。ツッ君と仲良くしてあげてね。」
『ちゃんとした言葉使いも出来るのね。』
すっかり瑠花を気に入りはしゃぐ奈々は大人数だからとリビングに通してお菓子とジュースを出した。
食べながらゲームで争う獄寺と山本。それを見て次は自分だと騒ぐ了平。お喋りに興じる瑠花と京子とハル。
だが獄寺と山本を応援する綱吉は瑠花がたまに向けてくる視線に恐怖する。
『何でそんな目で見てくるのかな?』
瑠花の目は獲物を狩るような目をしていた。
リボーンは楽しんでいる瑠花達を見てこれなら大丈夫だと安心して奈々に親睦会をしたいと言って奈々は嬉々として料理を作り始めた。
公園に遊びに行っていたフゥ太とランボ、イーピンが帰ってくるとリボーン主催の親睦会が始まった。
奈々は料理に舌鼓を打つ面々。その中で毎日料理人の食事を食べている瑠花は初めて食べる家庭料理に物足りなさを感じていたが一般家庭はこんなものかと食べていた。
子供達は瑠花が綱吉を見る視線にビクビクと怯えていた。瑠花はそんな風に思われているとは知らずにフゥ太とランボ、イーピンに話しかける。
「へぇ!じゃあフゥ太君って情報屋なんだ!」
「・・・うん。」
「ランボちゃんは雷の守護者なんだ!凄いね!」
「うん・・・。」
「イーピンちゃんの先生は風さんなんだ!」
「そうです。」
瑠花は折角話しかけてるのに素っ気ない返事しかしない子供達に苛立ち舌打ちしたい気分だった。
食事の後のデザートを食べ終わって親睦会は終了した。
リボーンの言い付けで綱吉が瑠花を屋敷まで送って行くことになった。
勿論自称・右腕の獄寺も付いていく。
『やっぱり~獄寺君は瑠花が好きなのね~♪』
瑠花は獄寺がいて有頂天だ。獄寺にその気は全く無いのだが。
他愛のない話をしながら屋敷に着くと瑠花はまた明日ねと手を振って中に入っていった。
綱吉はホッとすると獄寺は大丈夫かと聞いてきた。
「10代目、本当に大丈夫ですか?顔色が悪いですし。」
「大丈夫だよ。ただ普段の修行がキツいからちょっと疲れてるのかも。」
「今日は転校生の親睦会があったりしましたから。でも無理はしないでくださいね。」
ありがとうと笑顔で言う綱吉に獄寺は心配そうに家まで護衛しますと言って送って行った。
綱吉が家に入るのを見届けると自分のマンションに歩いて行く。
「マルルーモファミリーの南川瑠花か。しかし何で10代目を狙うように見てやがったんだ?」
何もなければ良いがと獄寺は綱吉を心配した。