沢田綱吉



彼は紘吉の時と同様に母親の奈々に煙たがられ、父親の家光はボンゴレ繁栄の為の道具、家庭教師のリボーンは綱吉をボンゴレの依頼を遂行するための道具として扱い、ビアンキは紘吉を邪魔者扱い。山本と了平は綱吉を小馬鹿にして自分達が起こした騒ぎの尻拭いさせて見下していた。
京子は綱吉の想いに気付いていたが知らないふりを決め込みいざというときのキープとして見ていた。

そんな彼等の中で過ごしていた綱吉には初めての友人、獄寺がいつも傍にいた。


「10代目おはようございます！！」

とびきりの笑顔で挨拶する獄寺に綱吉は苦笑いする。

「おはよう獄寺君。」

二人で学校に向かう途中ポニーテールがよく似合う少女が声をかける。

「ツナさんおはようございます！はひ！今日も獄寺さんがいますー！」

綱吉に元気いっぱいの笑顔を向けるが獄寺には少しムッとした顔みせるハル。

「おはようハル。」

「ケッ！朝からうるせえ女だな。」

「ハルは煩くなんかありません！」

「二人とも朝から喧嘩は止めようよ。」

慌てて獄寺とハルを止める綱吉。

獄寺とハル。この二人はリボーン達と違って綱吉を命の恩人、何より親友として一人の人間として見ていた。


そんな中で骸との戦い、リング争奪戦を何とか乗り越え綱吉は安心したがボンゴレ本部は綱吉の炎に問題があると騒ぎになった。

『超直感がない上に炎が小さく若干だが所々に濁りがある！』


綱吉が超直感がない上に炎にも問題があるのは致命的だった。
家光は何とかしないとボンゴレが潰えてしまうとリボーンに超直感を開花させることと、炎を大きくさせて濁りもなんとして欲しいと連絡を入れた。

『超直感はともかく炎は弱いボスもいた筈だぞ？』

『そうだが小さく濁っている炎ではツナはこの先やっていけない。』

リボーンは超直感だけでも問題なのに炎の濁りも問題があるのかと頭を抱えた。


リボーンはリング争奪戦の翌日から怪我が完治していない綱吉に容赦なく修行させたが全く開花しない超直感。炎は小さく濁ったまま。苛立ったリボーンは暴力紛いな修行を行い、山本や了平を焚き付けて騒ぎを起こしまた山本と了平自身が騒ぎを起こした後の尻拭いをさせて鬱憤を晴らしていた。


山本と了平は相変わらず小さく濁っていてる炎しか出せない綱吉にこんな弱い奴がボスなのかと失望した。
それからは騒ぎを起こして後始末をさせていた。彼等は将来こんな弱いボスに支えるんだからこれくらいはやって当然と勘違いして綱吉を見下した。

尤もその度に獄寺が山本と了平をどつきながら綱吉を助けていた。


そんな日々が1ヶ月が過ぎた頃ある少女が転校してきた。


「はじめましてぇ！よろしくお願いしま～す♪」


茶色で長い髪に緑色の目の美少女に2-Aの男子は美少女が来たと盛り上がり、女子は興味を持った。


転校してきた南川瑠花。

彼女が切欠で綱吉は最悪なことになってしまった。