昼休みーーー

並中の生徒達が喋りながら食事をしたり、購買で食物を買っていると校内放送が流れた。


『全校生徒と教師に告ぐ！今から直ぐに体育館に集合しな！来なかった奴は問答無用で咬み殺すからね！！』


並中の支配者である雲雀のドスの聞いた声に生徒と教師は震え上がり急いで体育館に向かった。



「雲雀さんの声よね～？何かしら～？」

「ったく！食事中の鳥居さんを煩わせやがって。」

「せめてメシの後にするのな！！」


教室で雲雀に悪態をつく獄寺と山本を玲奈が宥めながら他の生徒や教師に続いた。


体育館に入ると既に雲雀が壇上に立っていた。

何だろうと騒ぐ生徒達に雲雀は勝手に喋るな！と怒鳴り付け、玲奈と生徒達は恐怖で黙り獄寺達は渋々黙った。
静かになった所で雲雀は口を開いた。


「沢田紘吉が鳥居玲奈を苛めていることについて検証するために集会を開いた。」


生徒達は風紀委員が動いたということは遂に紘吉が雲雀に制裁されると喜び、獄寺達も漸く紘吉が悪人だと分かったのかと呆れていた。
そんな中、玲奈はやっと雲雀が自分のことを見てくれるようになったと心踊った。


「沢田の奴やっと風紀委員会に制裁されるんだな！」

「雲雀さん！徹底的に制裁してください！」

また騒ぎ出す生徒達に雲雀は不機嫌を顕にした。

「さっき勝手に喋るなって言ったよね？なのに1分もしないうちに喋るって何なの？咬み殺すよ！」

咬み殺す。この言葉に体育館にいた全員が怯え黙りこんだ所で雲雀は玲奈と獄寺達と生徒達、教師達を睨み付けながら話し出した。


「まず沢田紘吉が鳥居玲奈を苛めている。今のところ鳥居玲奈の証言だけで目撃者や物証が何一つない。それに疑問も持たない草食動物達にこれからこれを見てもらう。黙って見てなよ。」


草壁に指示を出すとスクリーンにある映像が流れる。


屋上で獄寺と山本、了平、生徒達が紘吉に暴力を振るっている。紘吉は怪我だらけになっていく。

ここで一端映像を止める。

「草食動物達、これを見てどう思う？」

獄寺達と2-Aの生徒達を中心に他の生徒達はだから何だ？という顔をしていたが、紘吉に何もしていなかった生徒達と教師達は眉を寄せていた。


ーーーこれは集団リンチだ！




雲雀は生徒達、教師達を見やった。

「ごく少数だけど分かった草食動物もいるみたいだね。それじゃ続きを流す。」



紘吉が動けなくなって数分後、現れたのは苛められていた玲奈だった。

生徒達、教師達は苛められている玲奈が何故一人で紘吉がいるところに来たんだと不思議に思う中、玲奈は何で！？と固まった。