静寂の住人2
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紘吉と雲雀が執務をしていると日が暮れていた。
「紘吉、一段落ついたし、今日はもう帰ろう。」
雲雀の言葉に紘吉は家に帰るのは正直嫌だったが子供達のことを考えると家に帰らなければと頷いたが。
「帰るのは紘吉の家じゃない。僕の家だから。」
「へ?」
「あの家は居場所ないでしょ?それに牛の子達には草壁が昼間の見回りで知らせてるから大丈夫だよ。」
間の抜けた声を出す紘吉に笑って雲雀は手を引いた。
「紘吉は今日から僕の家で過ごせば良いんだよ。」
雲雀は有無を言わさず紘吉を連れて帰った。
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リボーンは獄寺と山本から紘吉が学校に来なかったと聞いてあのダメツナが!と罵り、奈々は何処で道草してるのかしら!?と怒りを顕にしていたが夜の11時を過ぎても帰ってこない紘吉にさすがに奈々は気にし出す。気にすると言ってもご近所の目が気になるだけだが。
「ツッ君、何処に居るのかしら?早く帰ってくれないとご近所に迷惑かけてしまうわ。」
「ツナの奴、俺とママンに怒られるのが嫌で帰ってこれないだけだ。どのみちツナはこの家以外帰る場所はないから心配する必要はないぞ。」
「それもそうね。あの子には困ったものだわ。」
紘吉が帰る場所は沢田の家だけだとたかを括るリボーンと奈々。それを見てフゥ太は紘吉がリボーン達のことを切り捨て今日から雲雀の家に住むというのに暢気ものだと呆れ返っていた。
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紘吉は雲雀の家に付いた途端、雲雀家の御抱えの医師に治療を受けた。
いくら雲雀が手当てをしても所詮は素人だ。
医師は紘吉の怪我を見ると痣、火傷、切り傷、銃創もあり驚くが雲雀が他言無用だと言ってきて無言で治療をした。
診察が終わると雲雀と医師は部屋を出た。
「暫くは治療が必要です。ですが傷痕はほとんど残ってしまうと思います。何せ古傷や治りかけている傷に新しい傷が出来てしまってますから。」
酷いことをする人間もいるものだと洩らす医師は診断書を雲雀に手渡すと明日また来ると告げて後にした。
「・・・風紀違反女と裏切者達のせいで残るのか。」
怪我だらけで傷がない場所がほとんどない。
雲雀は診断書を見ながら眉間に皺を寄せて呟いていた。
翌日から紘吉の生活は一変した。
寝床、食事、風呂が用意され治療も受けられる。
雲雀は普段と変わりないが使用人達が優しく接してくれる。
登校しても風紀委員の一員として雲雀の手伝いをしているから暴力を振るわれることもない。
以前とは正反対の環境。
紘吉は子供達のことを気にしながらも久しぶりの平穏を感じていた。
放課後、玲奈と獄寺と山本はリボーンに呼ばれ屋上にいた。玲奈は今日も紘吉が登校しなかったと業腹だったがその紘吉が帰宅していないとリボーンに聞かされた。
「紘吉君家出しちゃったのかしら~?玲奈心配だなぁ~。」
「どうせ俺様達に対する嫌がらせだ。大丈夫だぞ。ダメツナごときが何日も野宿なんか出来ねぇからな。」
「そうッスね!あんな弱っちい野郎すぐに弱音を吐いて帰ってくる筈です!」
「ダメツナのことだからもう帰ってたりするかもなのな!」
玲奈はさっさと帰ってこいと胸の中で罵倒しながら雲雀に聞いてみようとリボーン達に言った。
「友人の雲雀さんなら何か知ってるかもしれないわ~。」
「そうだな!群れで行くわけにはいかねぇから俺様が聞きに行くから獄寺と山本は玲奈を屋敷まで護衛だ!」
指示を出し獄寺と山本は玲奈を送り、リボーンは応接室に足を向けた。