静寂の住人2
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
用意された朝食を食べ終えると雲雀はツナに制服を渡した。だがいつもの制服ではなく、風紀委員使用の学ランだ。
紘吉は不思議そうに学ランを受け取った。
「あの?何で学ランなんでしょう?」
「今日から紘吉は風紀委員会所属だよ。」
「エエーーーッ!?」
「ここにいれば少なくとも草食動物共に暴力は振るわれないし、風紀も乱れないしね。」
「でも俺、強くないですよ?」
獄寺達の暴力を避けれるのはありがたいが死ぬ気丸やグローブ、リングがあれば戦えるだけで平時は弱々だ。
「紘吉には主に書類整理をやって貰うから大丈夫。」
オロオロする紘吉に雲雀は風紀委員会入会の書類にサインと拇印で良いから記入しろと渡した。
紘吉が記入すると雲雀は満足そうに書類を受け取った。
「今日から紘吉は風紀委員だよ。」
「・・・よろしくお願いします。」
紘吉は戸惑いながら返事をした。
ーーーー
玲奈は教室で苛立ちを隠していた。
婚約した以上紘吉を追い詰める必要はないが玲奈は暇潰しにいたぶろうとしていたが肝心の紘吉が教室に居ないことに腹を立てていた。
『チッ!ダメツナの奴サボりかよ!まぁ婚約したんだから雲雀さんも少しは玲奈に優しく接するだろうから今日は特別に勘弁してやるわ!』
今日も使用人に作らせた弁当を持参していた。
『これで確実に雲雀さんを落とすわよ~♪』
玲奈は笑いを堪えて獄寺と山本、京子とホームルームが始まるまでニコニコと笑顔で喋っていた。
昼休みーーー
玲奈は弁当を持って教室をでていこうとすると獄寺と山本がどうしたと聞いてきた。
「これから雲雀さんの所に行こうかなって思って~。」
獄寺と山本、京子は目を剥いた。
「れ、玲奈ちゃん!?」
「鳥居さん!何故雲雀の所に!?」
「危険なのな!俺達も行くのな!!」
「玲奈は~これから紘吉君と仲直り出来るように雲雀さんに頼んでみようって思ってるの~。それに一人で行けば大丈夫よぉ♪」
一緒に付いて行こうとする獄寺と山本を一緒に行ったら雲雀に怒られると何とか説得して玲奈は弁当を片手に応接室に向かった。
紘吉と雲雀は書類をある程度捌いたところで昼食を食べていて和やかな時間を過ごしていたが紘吉にとっては恐怖、雲雀にとってはムカつく声が聞こえた。
「雲雀さぁん!玲奈ですけど~、お弁当一緒に食べませんか~♪」
空かさず控えていた草壁が玲奈を追い払いに応接室を出ていった。
「またお前か。委員長は生徒からの物は受け取らない!」
「で、でも~せっかく作ったんですから~一緒に食べたいんですぅー。」
「さっさと教室に戻れ!」
草壁と玲奈のやり取りは10分にも及んで何とか追い払った草壁はグッタリして応接室に戻った。
グッタリした草壁に雲雀は労いの言葉をかけ、紘吉はお茶を差し出した。
「副委員長、ご苦労。しかしあの風紀違反女は僕を引き込もうと必死だね。」
忌々しいと吐き捨てる雲雀に紘吉は雲雀にお茶を新しく入れかえた。
「お茶入れかえました。良かったらどうぞ。」
「ありがとう紘吉。」
二人の様子を見て自分は邪魔だと感じた草壁は校内の見回りに行ってくると告げた。雲雀は頷いたが紘吉は頑張って下さいと言った途端、雲雀は紘吉の両方の耳を引っ張った。
「イタタタターーーッ!!」
「副委員長は僕の手足だから頑張れとか言わなくて良いんだよ。分かった?」
焼きもちを妬いて鋭い目をした雲雀に紘吉はあかべこもビックリするくらいにブンブンと首を縦に振った。
それを見て草壁はそそくさと応接室を後にした。