静寂の住人2
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いつも問題を起こしては尻拭いをさせるリボーンや獄寺達。
紘吉が居れば都合が良いだけとしか見ない両親。
外堀を埋めて無理矢理マフィアの道を歩かせるボンゴレ。
付き合いが浅い玲奈の嘘を信じて制裁してきた仲間達。
元々道具として見ていた彼等だ。道具には心などないと思っていたのか。
暴言を吐き暴力を振るってきた。
そんな中で信じてくれたのは雲雀とフゥ太と、ランボ、イーピン。そしてクローム。
彼等は紘吉を1人の人間として接した。
雲雀はいつも気にかけてくれていた。
骸との戦い、リング戦も何だかんだ言いつつも手を貸してくれた。
クロームは玲奈に陥れられた時、体を張って山本達から守ろうとしてくれた。修行中も割って入り休憩させようとしたり傷の手当てをしてくれていた。
そして心配して骸に逆らってまで並中に来てくれた。
フゥ太は紘吉を心配して最初は自分も一緒に頼むから雲雀に助けてもらおうと言った。数日後には並中に侵入してまで雲雀に頼み込んでいた。食事だって残しておくのも大変だった筈だ。
ランボとイーピンも幼いのに食べたいのを我慢してオヤツを残すのは辛かっただろう。
裏切った人間と守ろうとした人間。
雲雀が言っていた群れる人間を見極めろとはこの事だったんだと分かった。
いくら大空属性の紘吉でも自分を道具扱いしかしない人間までは包み込めない。
「俺はーーーもう諦めます。そもそも最初から母さんとリボーン達との関係は破綻していたんです。それに信じてくれた雲雀さんとクロームとフゥ太達が俺にとって大切ですから。」
「辛かっただろうけど英断だと思うよ。」
少し寂しそうな顔だがハッキリとした声で言った紘吉に雲雀は心の中で裏切者達から紘吉を引き離すことに成功したと笑った。
『赤ん坊達は馬鹿だね。こっちは君達を追い詰めるだけの証拠があるんだよ。それに小動物は君達を切り捨てた。』
内心思ったことをおくびにも出さないで雲雀は草壁に朝食の手配をさせ、紘吉の手当てをした。
ーーーー
雲雀がいずれ裏切者が夜中に侵入し、維吉の下駄箱や机等に何か仕掛けると見越して何日も前からわざと侵入しやすいようにしていたことなど知らない獄寺と山本は深夜学校に忍び込み殺した子猫を紘吉の下駄箱に入れていた。
翌朝、二人はなに食わぬ顔をして登校した。
「これで少しは反省するだろーよ。」
「そうなのな。玲奈を苛め続ける限り下駄箱は酷いことになるからなー。」
玲奈を苛めるからこういう目に合うんだとせせら笑っていると偶然玲奈と会った。
「獄寺君、山本君おはよ~。」
玲奈を見て顔や腕に湿布や絆創膏などが貼られてないが浮かない顔をしていた。
「玲奈。何か元気ないのな?」
「鳥居、具合が悪いのか?」
心配そうに見てくる美形二人に玲奈は自尊心を満足させたがそれを顔に出さずに寂しそうに笑みを見せた。
「あのね~。まだ正式に発表はしてないんだけど~玲奈ね、紘吉君と婚約したの~。」
「えっ!?鳥居マジかよ!」
「玲奈とダメツナと婚約!?」
驚く獄寺と山本に玲奈は頷き話の続きをした。
「多分紘吉君は誤解しちゃってぇこんなことになっちゃったと思うんだぁ。でもこれが切欠で~ディアボロスファミリーとボンゴレファミリーがぁ少し険悪な感じになっちゃって~。だからねぇ玲奈考えたの。紘吉君と婚約したらこれ以上関係が悪化しないと思ったんだー。」
悪化したら最悪抗争になるからそれを防ぐために双方のファミリーに頼み込んだと話す玲奈に獄寺と山本は自分を犠牲にしてまでファミリーのことを考える玲奈に感動した。
「鳥居、いや鳥居さん!ファミリーのことを考えて行動する優しさに感動しました!」
「玲奈は苛めてくるダメツナと婚約してまでファミリーの関係を大切するなんて偉いのな!」
優しい、偉いと誉め称える獄寺と山本に玲奈はそんなことないと笑って答える。
「ありますって!あんな最低で軟弱で使えない奴と婚約する覚悟を決めたんですから!」
「そうなのな!」
目を輝かせて力説する獄寺と獄寺の意見に合意する山本に玲奈は誉めすぎたと苦笑いする顔を作った。
「そんなこと本当にないよ~。寧ろこれで済むならこんな良いことないんだよ~。それにぃ沢山の血が流れるのは嫌だもの~。」
玲奈の言葉にますます感動する獄寺と山本は口々に言った。
「これからは鳥居さんを沢田の野郎からお守りします!!」
「沢田が来たら追っ払ってやるのな!だから安心しろ!」
玲奈はポロッと涙を流して笑顔で言った。
「獄寺君、山本君、ありがとー♪玲奈は幸せ者だよねぇー。」
『コイツら本当にチョロいわぁ。』
嘘泣きの玲奈は獄寺と山本を嘲るように笑った。