静寂の住人2
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食べ終わると雲雀は紘吉のマジマジと顔を見た。目の下に隈が出来ている。
「余り眠れてないの?」
「はい・・・。リボーンの修行が早朝で。」
制裁されて気絶するからと早朝に修行と称した暴力を振るってくるリボーンと獄寺達のリンチで体は痛みを訴え、家には居場所がない。自室でさえリボーンが躾と言って制裁をしてくるのだ。
おまけに昨日はリボーンと奈々が紘吉に暴言を吐いて要らない、10代目として育てに来ただけと紘吉自身を否定し、それを聞いていた紘吉は泣き崩れた。眠れなくて当然だ。
雲雀は紘吉にリボーンと奈々の言葉を聞かせたことに罪悪感を感じていた。
いくらリボーン達から引き離さないと紘吉が悲惨な思いをするからといってもわざとリボーンと奈々から言葉を引き出し聞かせたのだ。それを聞かされた紘吉自身辛い筈。二人は紘吉にとって母親、家庭教師なのだから。
それでも雲雀は紘吉を守りたかった。
『本当にごめんね。』
この騒動が終われば雲雀は紘吉に全てを話して、謝罪しようと思っている。口を閉じていればバレることはないが、紘吉の勘は侮れない。いずれはバレるだろう。ならば正直に自分がリボーン達を紘吉が見捨てるように仕向けたことを話し、紘吉が許してくれるまで謝罪し、紘吉が求める償いをすると決意した。償いが二度と姿を見せるなと言われたら去る覚悟も決めた。
恨まれても憎まれても紘吉が笑って生きてくれるならそれで良い。
雲雀は紘吉に嫌われてでも助けたかった。
「小動物、寝れないならいつでもここで仮眠を取っても良いよ。ここなら草食動物は来ないだろうしね。」
「ありがとうございます。雲雀さん。」
感謝してますと言わんばかりの顔の紘吉に雲雀の胸が少しだけチクリと痛みを感じた。
ーーーー
紘吉が目を覚ます数時間前の午後4時。フゥ太は沢田家に獄寺達を連れて来た玲奈に話しかけられた。
「こんにちは~♪フゥ太君。」
「こ、こんにちは。」
玲奈の獲物を捕らえるような目にフゥ太は怯えながら小さな声で答えた。
「今日はぁフゥ太君に~お願いがあるのー。」
「お願い?」
嫌な予感しかしない。フゥ太は玲奈から目を逸らした。
「フゥ太君にランキングして欲しいの~。」
『目を逸らすなんて~可愛い玲奈に照れてるのねぇ~♪』
怯えているフゥ太を照れていると勘違いしている玲奈は話を続ける。
「雲雀さんの好みの女の子をランキングしてほしいの~。雲雀さん好みの服装とかしたら話が出来ると思うの~♪そうしたら雲雀さんを通して紘吉君と仲直りしたいんだ~♪それに仲直りしたら獄寺君達とも仲直り出来るもの~♪」
紘吉と仲良くしたいと言う玲奈にリボーン、獄寺、山本、了平、京子は感動した。
「玲奈は優し過ぎだぞ。まあそこが長所なんだろうな。」
「鳥居は心が広いぜ。」
「ツナに苛められてるのに優しいのな!」
「極限に感動したぞ!」
「玲奈ちゃんは私達のことまで考えてくれて本当に優しいね!」
雲雀を引き入れるために聞いてきただけに過ぎないしリボーン達を更に惹き付けるために仲直りしたいと言ってくる玲奈をフゥ太は白々しいと思った。
『仲直り?絶対違う!雲雀さんを引き入れるために聞いてきただけだ!』
フゥ太は窓を見て雨が降っていることに気付き安堵した。雨が降ってる時はランキングが出来ないことをリボーン達は知っているからだ。
「ごめんなさい。雨が降ってると正しいランキングが出来ないんだ。」
「えー!そんなぁ!」
あからさまにガッカリする玲奈は内心雨くらいで出来ないなんて使えねぇじゃねーか!!とフゥ太を罵った。
玲奈が胸中で罵ってるとは知らないリボーンは慰めるように言った。
「確かにフゥ太のランキングは雨だと正しいランキングがでねぇんだ。また今度ランキングしてもらえば良いぞ。」
「そうだね~。雨に邪魔されちゃうならまた今度お願いするわぁ~。」
リボーンがそう言うなら仕方ないと諦める玲奈を横目にフゥ太は逃げるようにツナの自室に入った。
「何だ?せっかく玲奈がフゥ太に会いに来たってのにな。」
「リボーン君~フゥ太君はぁきっと人見知りするタイプなのよぉ~。少しずつ距離を縮めて仲良く出来るように頑張るわ~♪」
「玲奈ならフゥ太の奴もすぐになつくだろうな。」
フゥ太やランボ、イーピンと本当のような姉と妹、弟して仲良くしたいと言う玲奈にリボーン達は優しいと感じ、尚更紘吉を制裁して反省させないといけないと間違った正義感に酔った。
こっそり会話を聞いていたフゥ太とランボ、イーピンは玲奈と仲良くなんか出来ないと次の日から利用されないように玲奈が来たら公園や空地で時間を潰すようになった。