静寂の住人2
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翌日の昼休みーーー
いつものように紘吉が制裁されている時、雲雀は苛立っていた。原因は応接室の外から聞こえる声だ。
「あのぉ~雲雀さんに会いに来たんですぅ。中に入れて下さ~い♪」
「委員長は執務中だ。中に入れることは出来ない。」
玲奈は使用人に作らせた弁当を持って応接室に来たのだが。
「玲奈、雲雀さんにお弁当を作って来たんです~♪だから中に入れて欲しいんですぅ。」
「応接室は風紀委員以外入室禁止だ。」
「それじゃあ、お弁当を雲雀さんに渡して下さ~い。」
「委員長は生徒からの物は受け取らん!さっさと自分の教室に戻れ!!!」
「は、は~ぃ・・・。」
草壁に門前払いされて玲奈は取り付くシマもないとトボトボと応接室を後にした。
「あー!もう!雲雀さんは可愛い玲奈に冷たいのぉ!ダメツナには優しく笑うのにぃー!」
何でダメツナの肩を持つんだと自慢の顔を醜く歪める玲奈はふと思い付いた。
「そうだ!ダメツナの家には~ランキングフゥ太がいるじゃなーい!フゥ太に雲雀さんの好みをランキングしてもらおうっと♪フゥ太は玲奈が可愛い過ぎて緊張してるみたいだから~余り近寄らないけどこっちから近寄れば大丈夫よね~。」
よくよく考えればランボは10年後は美形らしいし、フゥ太は美形に育つ容姿を持っている。
「この際だからランボとフゥ太も子供だから玲奈が育てて玲奈好みの騎士にしようっと!」
イーピンは適当に仲良くしておけばアルコバレーノだった風と知り合える。そうなれば何かと便利だ。
「ウフフ!そうと決まれば~学校が終わったらダメツナの家に行かなきゃね~♪」
教室に戻り使用人に作らせた大量のおかずを制裁を終えた獄寺と山本と了平と、教室にいた京子、花に沢山作っちゃったからと振る舞い、余ったからとクラスの生徒にも良かったら食べてと振る舞う玲奈。
「鳥居って料理出来たんだな。まぁ悪くはねぇな。」
「美味いのな!」
「玲奈ちゃん美味しい!」
「極限に美味いぞ!」
「玲奈は料理上手ね!」
獄寺達は勿論、クラスの生徒も美味しいと絶賛し玲奈はこれでまた自分の株が上がったとほくそ笑み、本当に馬鹿な連中と嘲った。
ーーーー
午後になり、雨が降り出すと雲雀は屋上に行き気絶している紘吉を抱き上げ応接室に運ぶ。
紘吉の体を拭いて手当をしてソファーに寝かせた。
雲雀はデスクで書類を見ながらこれまで打ってきた布石がじわじわと効いてくるだろうと口角を上げた。
『風紀違反女は何とか僕を引き入れようと躍起になってるからそれを利用させてもらうよ。』
大方、玲奈は紘吉が大切にしている子供達の能力を欲しがるだろう。ならそれを使わない手はない。
雲雀はもう少しで紘吉を自分に振り向かせることが出来ると笑った。
紘吉は気が付くといつものように応接室のソファーで寝ていて、制服は真新しい物になっていたことにまた雲雀に助けてもらったと分かった。
体を起こすと痛みが走り呻き声を漏らすと書類を見ていた雲雀は「大丈夫かい?」と傍に来た。
「体が辛いなら横になってなよ。」
「また迷惑をかけてすみません。」
本当にすまなそうにする紘吉に雲雀は首を横に軽く振った。
「気にしなくて良いよ。それよりお腹空いてない?何か食べる?」
「い、いえ!これ以上ーーーー」
キュルル~
紘吉の腹が鳴った。
紘吉は顔を真っ赤にして雲雀は思わず笑った。
「くく、君本当に面白いよね。」
「そんな笑わなくても・・・。」
穴があったら直ぐ様入りたいくらいに恥ずかしい紘吉に雲雀は食べていきなよと前日のように老舗の料亭を脅し持って来させた。