静寂の住人2
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
午後の授業でも教師は相変わらず紘吉を晒し者にし、獄寺達は嘲笑う。掃除は紘吉に押し付け終われば引き摺るように屋上に引っ張って行き獄寺と山本は了平を呼んで三人で制裁を始めた。
「立てよ!オラァッ!」
無理矢理立たせて紘吉の腹に蹴りを入れる獄寺。
「さっさと土下座して玲奈に謝るのな!」
バットで紘吉の背中を打つ山本。
「この程度で呻き声をあげるとは極限に情けないぞ!」
紘吉の胸ぐらを乱暴に掴み殴る了平。
紘吉の信じてという言葉を無視して気絶するまで制裁は続いた。
ーーーー
玲奈は京子と花に屋敷まで送られ自室に入るとテーブルを蹴り倒した。
「ああ!もう!何で雲雀さんは玲奈を信じないよぉ!可愛くした制服もメイクも香水も我慢してるのにぃ!」
獄寺、山本、了平、骸は簡単に心を奪えたのにと憤る玲奈。(と言っても骸はふりをしているだけだが。)
どうやったら振り向いて貰えるんだと手当たり次第物を投げつけるとある雑誌に目が止まった。
雑誌の表紙には「特集!男子はこんな女の子に弱い!」とデカデカと書かれていた。
その特集を見るとそこには料理上手な女の子に弱い!手作り弁当に弱い!明るく接してる子に弱い!等と掲載されていた。
玲奈はその手があったと目をギラギラさせた。
「玲奈は明るい性格だからぁ後はお弁当を応接室に持っていけば雲雀さんは玲奈を好きになるわぁ~♪後獄寺君達にもあげようかな~。」
玲奈は使用人に弁当を作るようについでに部屋を片付けるように言い付けるとこれで全員自分の物だとゲラゲラと笑った。
ーーーー
紘吉は目を覚ますと保健室のベッドにいた。
「あれ、俺何でここに?屋上にいたよね?」
混乱する頭を何とか働かせるとドアが開いた。
「気がついたんだね。何か飲む?」
ペットボトルを手にした雲雀が入ってきた。
「あ、雲雀さん。」
起きようとする紘吉に雲雀は手助けをする。
「手当てはしたけど、酷くなる一方だね。大丈夫なの?」
ペットボトルを受け取って飲むと紘吉は頷いた。
「大丈夫ですよ。これでもリボーンに鍛えられてますし。」
ニッコリと笑う紘吉だが両方の頬に貼ってある湿布が痛々しい。
雲雀はそっと頬を触った。驚く紘吉に湿布が温くなってるんじゃない?と優しく剥がし新しい湿布を貼った。
「夕食食べるかい?食べるなら用意させるよ。」
夕食の言葉に驚くと外はもう暗く、時計は夜の7時を指していた。
「俺そんなに気絶してたんだ・・・。」
何もしていないのにまた気絶するほど制裁されていたんだ思うと悲しくて仕方がない。紘吉はこのままだったらどうなるのだろうと俯いた。
「とりあえず家に帰っても夕食はなさそうだし食べてきなよ。」
雲雀は老舗の店に今から10分以内に持ってこいと命令して、店主と従業員達は震え上がり5分で持ってきた。
その様子を見ていた紘吉はやっぱり並盛の支配者だと冷や汗をかいていた。
食べ終わると雲雀は紘吉の目を見て話し出した。
「見回りで屋上に行ったら君が倒れてた。獄寺や山本かい?」
「・・・はい。」
雲雀はふぅと息を吐くと紙袋から切り裂かれた制服を取り出した。
「更衣室に行ったら君の制服が切り裂かれてた。犯人は獄寺隼人。防犯カメラに写っていたよ。」
「そんな・・・。でもきっと・・・。」
たった数日だけの付き合いしかない玲奈を信じた裏切者達をまだ信じていると言っている紘吉の目。
雲雀は内心呆れるが、自分に振り向くように仕向けようと布石を打つ。
「今着ている制服はあげるから。家まで送るよ。」
「すみません。借りるだけだったのに結局貰うことになって。」
傷の手当てに食事、制服。この数日で雲雀にどれだけの迷惑かけたのかと思うと紘吉は体を小さくした。
「午前中も言ったけど気にしなくて良い。それより早く子供達を安心させな。」
君が帰らないと心配するからと雲雀はバイクを押しながら紘吉を送っていった。