静寂の住人2
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「あの制服使えるよね。犯人は獄寺隼人だから。」
更衣室の監視カメラに獄寺が笑いながら手で引き裂きそれを見て腹を抱えてゲラゲラ笑う山本と男子生徒達が写っていた。雲雀はそれをリアルタイムで見ていたのだ。
この時間、紘吉に並盛商店街で見回りしたと言っていたがそれは嘘だ。
敢えて制服を破いているのを放置したのは紘吉が獄寺達を見捨てるように仕向けるため。
体育倉庫前で数分間待機したのは時間が経てば経つほど薄暗い体育倉庫に閉じ込められた時間は恐怖になるから。特に怖がりな紘吉なら尚更だ。そんな状況で誰かが助けたら?
お人好しで優しい紘吉なら助けてくれた人物に感謝するだろう。
紘吉には酷いことをしている自覚はある。それでも雲雀は紘吉を今の環境から助けたかった。
ーーーー
教室に入ってきた紘吉を見て制服を破いて更衣室のロッカーに入れた獄寺と山本、それを見ていた男子生徒達とそのことを聞いていた玲奈と京子、女子生徒は普通に制服を着ている紘吉に目を丸くした。
獄寺は念のために着替えを持ってきていたと勘違いしてそうまでして玲奈を苛めたいのかと苛立ち、胸ぐらを掴んで威嚇した。
「てめぇ!着替え持ってくるくらいならさっさと鳥居に謝りやがれ!!予備を持ってきてまで苛めたいのかよ!最低野郎が!」
獄寺に続いて山本はバットを手にする。
「大体ダメツナの制服がボロボロになるのも制裁で破かれても文句言えないのな!!」
胸ぐらを掴んでいる獄寺がまだまだ制裁が足りていないようだなと紘吉を睨み付けると山本と男子生徒が頷いた。
「獄寺の言う通りなのな!」
「そうだそうだ!」
「とりあえず先生が来るまで制裁しとくか?」
「制裁タイムだぜ!」
「なら私は反省させるため沢田君の私物を駄目にしておくわ!」
「あの優しい京子にそこまでさせる沢田は本当にダメ野郎ね!」
京子が紘吉の机に入っている教科書を破き始めると花や他の女子生徒が自分もと京子に混じり壊していく。
それを見て悲しくなるが獄寺が自業自得だと殴り付けた。
それを合図に制裁が始まった。
暴虐の中で紘吉は「信じて!」と泣き叫ぶが誰一人聞き入れず制裁を続ける。中にはストレス発散とばかりに制裁をする人間もいた。
それを遠くから見ている玲奈はにやけていた。
『これだけやられちゃったらぁ~玲奈の出した条件飲むわよね~。ダメツナと結婚したらきっと雲雀さんも玲奈を見てくれる筈よぉ!友人の妻を邪険にはしないと思うしぃー。』
玲奈はボンゴレも守護者も全て自分の物だと心の中で笑っていた。
ーーーー
リボーンの目があって中々出来なかったがランキングを終えたフゥ太は玲奈の悪どさに目を剥いた。
「あの人もディアボロスファミリーも酷いランキングだ!」
玲奈は嘘つきランキングでマフィアの中で98位、全世界の中でも105位。
ディアボロスファミリーは悪どいファミリーとしてぶっちぎりの1位。
他にも玲奈は男好きのランキングは1位、気に入らない人間を陥れるランキングも1位。
ディアボロスファミリーは人体実験で成果を出しているランキングで1位、麻薬売買の売り上げランキングも1位とワーストランキングに連ねた。
本を閉じてフゥ太はこの事をどうしようかと考えた。
「リボーン達はもう駄目だと思うし。」
玲奈の嘘を信じて染まっているリボーン達に言っても無駄だろう。それじゃなくとも玲奈が現れる前から紘吉を軽んじ馬鹿にしていた人間達だ。言ってもまともに聞くかどうか分からない。
「ボンゴレより大きい規模のファミリーがあれば何とかなるかも知れないけど。」
仮にどこかのファミリーに玲奈とディアボロスファミリーの悪事を公開して欲しいと頼んでもランキングだけでは証拠にはならないと一蹴されてしまうだろう。
ランキングしても使えなかったら意味ないと落ち込むがフゥ太の脳裏に雲雀が浮かぶ。
「せめて雲雀恭弥さんに知らせておくだけでも良いかも。」
何も知らないよりはマシだ。フゥ太は以前忍び込んだ時に使った制服を着て並盛中学校に足を運んだ。