静寂の住人2
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紘吉を置き去りにして来たリボーンに奈々は気に止めることなく出迎えた。
「リボーンちゃんが帰ってきたから夕御飯にしましょ。さあランボちゃんもイーピンちゃんも席に着いて。」
ランボとイーピンは紘吉が居ないことに寂しさを感じて無言で座る。紘吉を蔑ろにしている奈々が原因なのに分かっていない奈々はここ数日元気がないランボとイーピンの為にハンバーグやパスタ等の子供が喜びそうな物を作っていた。
自分から手伝うと言ってパスタを盛り付けていたフゥ太はランボとイーピンの為なら考えて作るのに息子の紘吉の為に考えたりしないのだろうと悲しくなった。今だって紘吉は帰っていないのに気にしていない。
家庭教師のリボーンも紘吉を修行と言って置いてきたのだろう。
フゥ太はそんな奈々とリボーンに小さく息を吐くと既に皿に盛ってあるハンバーグを見て紘吉の分がないとに気付いた。それにまた溜め息を漏らし回りを見渡した。
奈々はご飯を盛り付けていて、リボーンはビアンキと話をしていてフゥ太が見ていることに気付いていない。フゥ太はこっそりパスタをタッパーに入れて冷蔵庫の奥にしまった。
「あら?フゥ太ちゃんどうしたの?」
冷蔵庫を開けているフゥ太に気付いた奈々は声をかけた。
「ケチャップを出そうと思って。今日はハンバーグだし。」
焦って咄嗟に嘘を言ったが奈々は気付かなかった。
「ハンバーグのソースも作ったから大丈夫よ。お手伝いありがとう。フゥ太君も席に着いて食べましょうね。」
いつもは賑やかな食卓が紘吉が嵌められてからは静かだった。
子供達はこの食事の時間も苦痛でしかなかったからだ。
「ツッ君ってば今日も玲奈ちゃんを苛めたの!?」
「獄寺や山本の話だと頬を腫らしていたらしい。玲奈もツナにやられたって泣きながら登校してな。」
「ツナは本当に情けない男ね!」
こんな会話をするリボーン達の中で紘吉を兄のように慕っている子供達は黙々と食べるしかなかった。
食べ終わった子供達は紘吉の部屋に行こうとすると玄関のドアが開く音がして慌ててリビングを出た。
「お帰りツナ兄・・・・・・!?」
「・・・!?」
「ツ・・・ナ・・・!?」
傷だらけの紘吉。明らかに朝より酷くなっているのを見て子供達は目を開く。
「大変!早く手当てしないと!」
フゥ太が救急箱を取りに行こうとするとリボーンが邪魔をした。
「フゥ太!余計なことをするんじゃねぇ!ダメツナの自業自得だからな!」
「そんな!あのままじゃツナ兄が!!」
「うるせー!女を苛める奴を庇うな!」
リボーンとフゥ太が言い合いになっているのが聞こえて奈々はやれやれといった感じでリビングを出る。
「フゥ太君は優しい子ね。でもリボーンちゃんの言う通り悪い人間を庇っちゃ駄目よ。」
奈々は優しい声で諭すがフゥ太からしてみれば悪い人間は紘吉を陥れたであろう玲奈の方だ。それなのに玲奈の話は親身に聞いて自分の腹を痛めて生んだ紘吉の話は聞かないで罵倒ばかりか食事を抜いた。そして今度は怪我の手当てをするなと言ってきた。
奈々にとって息子の紘吉とはどんな存在なのだとフゥ太は憤った。
憤るフゥ太に気づきもせず奈々は紘吉をゴミを見るような目で見た。
「また玲奈ちゃんを苛めて!明日は謝るのよ!!謝るまで母さんは御飯を食べさせません!」
紘吉は泣きそうな顔をするが奈々は玲奈の方が辛い思いをしている!と手を振り上げて紘吉の頬を打ち、リボーンは自業自得だと怒鳴ってリビングへ戻っていった。
救急箱は奈々が何処かへ隠してしまい手当てが出来なくなってしまった。
紘吉の顔は殴られて腫れていたり切り傷もあり、手の甲には火傷が何個もあった。服から出てる部分でさえこれだけの怪我なのだ。服で隠れている部分はどうなっているのか。子供達は泣きそうになった。
「俺は大丈夫だよ。」
だから心配するなと言うがフゥ太は勿論、幼いランボとイーピンはそんなはずはないことくらいは分かる。
「・・・ツナ兄、とりあえず部屋に行こう。絆創膏くらいなら持ってるから。」
「イーピンも持ってる!」
「ランボさんも!」
「フゥ太、ランボ、イーピンありがとな。」
子供達は出来ることをしようと紘吉に絆創膏を貼っていたがリボーンが乱暴にドアを開けた。