静寂の住人2
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リボーンは獄寺と山本に紘吉の修行に協力しろと言い出した。
「二人にコイツの修行にちょいとばかり協力してもらいたいんだが。」
「「?」」
「ダメツナの炎が弱くて小さいのは覚悟が足りていないと俺様は考えている。そこでコイツが今日の修行で失敗したらお前らが軽く制裁してやってくれ。」
「分かりましたリボーンさん!」
「小僧の頼みじゃ仕方ないのな!コイツの覚悟が足りなかったら制裁してやるのな!」
失敗したら制裁。それが嫌なら覚悟を決めて修行しろ。
只でさえリボーンが銃弾を急所ではないとはいえ撃ってくるのだ。その上獄寺と山本が制裁してくるとなったら怪我も益々増える。体が持たないと紘吉は青ざめた。
「今日も左足は使わないでこの崖を登るんだぞ!」
紘吉は嫌がったがリボーンが銃で紘吉を脅して修行を始めた。
包帯で左足を使えないように巻いて固定された状態で紘吉は崖の半分を登っていた。
「ダメツナ!さっさと登りやがれ!」
リボーンは命綱を付けて崖の上からぶら下がり怒鳴り散らして銃を撃ってくる。たまに体をかすっていくが紘吉は短い呻き声を出しながら登っていく。
頂上まで後少しというところでリボーンは左腕を掠めるように銃を撃った。
「ッ!?」
紘吉の左腕は衝撃で崖から離れ真っ逆さまに落ちていく。
これだけ高い位置から落ちたら流石に炎を強く出力させないと死は免れない。リボーンはそれを狙っていた。
上手く行けば紘吉の中で覚悟はこういうものだと自分なりに納得したら常に炎を灯すときにこの状況を思い出させるように指導しようと考えてのことだった。
ボンゴレからの依頼を完遂し、玲奈への苛めを止めさせ立派なボスに仕上げなければならない。依頼が完遂出来なければ自分の地位や名誉が地の底に堕ちる。だからこそ必死になっていた。完遂出来れば紘吉の体や心なんてどうでも良いと片付けて無茶苦茶な修行をさせた。
落下していく紘吉グローブに炎を灯そうとしたが中々バランスが取れず激突寸前で何とか炎を出したがリボーンや獄寺、山本が納得出来ないものだった。
リボーンは降りてきて紘吉の後頭部に飛び蹴りをした。紘吉は顔面を地面に叩き付けられた。
「このダメツナ!そんな炎じゃ意味がねー!真面目にやりやがれ!」
リボーンは目配せをし獄寺と山本は頷いた。
起き上がる紘吉を山本が脇腹に蹴りを入れて獄寺は煙草に火を付けて紘吉の左腕に目掛けて投げつけた。
脇腹を押さえながら咳き込み左腕は熱でジリジリと痛む。紘吉は痛みを堪えて獄寺と山本を見た。
「ちったぁ真面目にやれよ。それにしても使えねぇ炎だぜ。」
「俺達の時間を割いてるんだからちゃんとやるのな!」
「・・・・・・ごめんね。」
呆れる獄寺と自分達の時間を無駄にするなと苛立つ山本に紘吉は謝った。
「謝るなら鳥居に謝れよ。」
「全くだぜ。俺達だって制裁したいわけじゃないのな!」
「・・・・・・。」
玲奈への苛めを認めない紘吉にリボーン達は頭を抱えたい気分だ。
「とりあえず修行再開だぞ。さっさと登りやがれ!」
紘吉は銃弾が掠めた左手を治療することも出来ないまま登り始めた。
『俺がこの修行をこなせばリボーンも獄寺君も山本も少しは俺の話を聞いてくれるかも。』
微かな希望を持って紘吉は登るがリボーンが紘吉が落下するように仕向けその度に獄寺と山本が制裁する。
結局修行と制裁で紘吉は気絶してリボーン達は口々にこの程度でと馬鹿にした。
「いくらコイツがチビでもそれなりに重いんだよな。」
「迷惑な奴なのな!」
仕方なく紘吉を担ごうとする獄寺にリボーンは面倒なら置いていけば良いと下ろさせた。
地面に転がされた紘吉を見てリボーンは帰り道くらい分かるんだから問題ないと言って獄寺と山本と一緒に帰って行ったが彼等は気付かなかった。
丸い体をした黄色の鳥が飛んでいたことに。そしてその鳥の足に小型カメラが付けられていたことを。