静寂の住人2
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学校に着き下駄箱を開けようとしたが異臭がしていた。紘吉は恐る恐る開けると生ゴミと虫の死骸が上履きに詰め込まれていた。
「ヒッ・・・・・・!?」
紘吉は悲鳴のような声を上げて下駄箱のドアを閉めた。そこに校内の見回りをしていた雲雀が来た。
「小動物?」
雲雀はいつも遅刻寸前の紘吉がこんなに早く登校しているとは思わず驚いたが、青ざめた顔で口を押さえていることに気付いて紘吉の傍に行った。
「何この臭い!?」
「ひ、雲雀さん、開けない方が!」
紘吉の声を無視して開けると僅かに眉を寄せた。雲雀は桃巨会の騒動を片付けた後、校内の見回りをしたときには紘吉の下駄箱に生ゴミや虫の死骸は無かった。
「どうやら君より早く登校した奴が犯人だね。思い当たることは・・・その顔を見るとありそうだね?」
雲雀は風紀委員に下駄箱を片付けさせ、紘吉を応接室に連れていった。
紘吉をソファーに座らせ新しい上履きを渡すと口を開いた。
「何があったの?」
眉間に皺を寄せたまま鋭い目付きで見てくる雲雀。紘吉は怒っているんだと思い謝った。
「・・・下駄箱があんなことになってすみません。」
悲痛な顔の紘吉に雲雀は表情を変えず言った。
「僕が聞いてるのは君に何があったのかを聞いてるんだ。」
紘吉は自分と玲奈の問題だからと黙っていたが雲雀が玲奈の名前を出して、漸く紘吉は話した。
「鳥居玲奈が絡んでるんじゃないの?」
「っ・・・・・・!俺、鳥居さんに嵌められて。」
「何だって!?」
「屋上で鳥居さんが俺と結婚しろって言ってきたんです。でもマフィアになる気もないし断ったら山本と京子ちゃんとクラスの皆に俺が鳥居さんを襲ったって嘘をついて。皆それを信じて。」
「なら風紀違反女にボンゴレを譲ったら?そうしたら君はマフィアに成らずに済むし元の生活に戻れる。」
雲雀の言うように紘吉は譲ると言ったが玲奈はそれを受け入れなかったと話続けた。
「本当は7世の傍系じゃないんです。ボンゴレを手に入れようと家系図を改竄して血族に成りすまして。だから鳥居さんがマテリアルリングを身につけたら拒絶されます。」
「つまりボンゴレ欲しさに君に近付いた。けど断られたから嵌めたってことか。」
確かに襲われたと女が言えば回りの人間は信じる可能性が高い。痴漢の冤罪がいい例だ。
雲雀は玲奈の女を使ったやり口に吐き気を覚えた。
「安心しなよ。嵌められた場所は屋上なんだろ?防犯カメラに写ってると思うから無実が証明されるさ。」
防犯カメラに写っていれば自分は助かると紘吉は顔を上げた。
雲雀は安心しろと言って草壁にデータを取りに行かせたが。
「委員長!防犯カメラが壊されてます!」
草壁から出た言葉に紘吉は下を向き、雲雀は目を見開いた。
「学校は僕の物なのに一体誰が!?」
憤慨しながらも風紀委員に新しい防犯カメラを設置させ、昇降口の防犯カメラを草壁に取りに行かせた。
「昇降口のカメラで犯人が分かればソイツを咬み殺しながら証言を取るよ。風紀違反女なら手っ取り早いんだけど 。」
他にも防犯カメラはあるから犯人の手掛かりは掴めるだろうと紘吉を慰めたが犯人だって馬鹿ではない。多分顔を隠して犯行に及んだと雲雀は推測していた。