静寂の住人2
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「俺と鳥居さんが・・・婚約?」
紘吉が呟くと玲奈は頷いた。
「いきなり婚約が無理なら交際しようよ~。」
紘吉は首を横に振った。
「ごめんなさい。俺、好きな子がいるから。」
屋上を出ていこうとする紘吉を待ってと腕を掴んだ玲奈。
「これはお互いに有益なんだよ~。」
「有益?」
「そうだよぉ。玲奈と結婚したらお互いのファミリーの結束は強くなるし~、玲奈と紘吉君の子供が生まれたらボンゴレの血筋も濃くなるはずよ~。初代の血筋は紘吉君と門外顧問だけだもん。ボンゴレの血筋と関係ない女より傍系だけど7世の血筋の玲奈と結婚した方が良いわよ~。」
紘吉からしたら有益なことなど一つもない。マフィアになりたくないし、初代の血筋も正直迷惑な代物。何より玲奈の見下し獲物を見る目が怖くて嫌だった。
「俺さ、マフィアにはなりたくないんだ。普通に生きていたいし。だからーーー痛っ!?」
玲奈は屋上を出ていこうとする紘吉の腕を強く掴んだ。
「何よ!ダメツナって小馬鹿にされてる癖に!可愛い玲奈が付き合えって言ってるの!だから紘吉君は素直に玲奈と付き合えば良いの!」
「鳥居さん・・・!?」
「京子が好きなら玲奈と結婚した後に愛人にすれば良いじゃない!紘吉君は玲奈の物なんだから!」
玲奈の目は欲望に満ちていた。
紘吉は玲奈はボンゴレが欲しいとまだ自分が知らない超直感で分かった。
「鳥居さんはボンゴレが欲しいだけだよね?じゃなかったら好きでもない俺と婚約だとか言わないよね。」
玲奈は笑顔を止めて醜く馬鹿にした顔をし、舌打ちをした。
「チッ!気付きやがって!玲奈とディアボロスファミリーはボンゴレが欲しいのよ!ボンゴレの財と権力が有れば玲奈のファミリーは安泰だしボンゴレ夫人になれば毎日贅沢出来るもの!だから玲奈と結婚して!」
紘吉はボンゴレが欲しいならボンゴレの業を背負うことになるが玲奈に譲れば良いのかもしれないと思った。それに自分が辞退したら元からマフィアの獄寺はともかく自分の守護者である山本と了平と雲雀は一般人に戻れるかもと思った。
「鳥居さんはボンゴレが欲しいんだよね?だったらボンゴレの業を背負うことになるけど鳥居さんが継げば良いよ。リボーンと9代目に言えば何とかしてくれるかも。だから二人で頼んでみようよ。」
玲奈はそれでは意味がない。7世の傍系なんて嘘で家系図を改竄してボンゴレに入り込んだのだから。
「そ、そんなの駄目よぉ!紘吉君が継がなきゃ意味無いの!別に悪い話じゃないでしょ~?抗争があったりして大変かもしれないけど見返りは財力と権力なんだしー。それに可愛い玲奈を妻に出来るのよ!玲奈が生んだ子供を次代にしてくれるなら紘吉君が何人愛人を作っても構わないよ~?パパに頼めば女を何人でも調達出来るし~。だから紘吉君は玲奈と結婚してくれれば良いの!」
ボンゴレは紘吉が継げと食い下がる玲奈に紘吉は眉を寄せる。
『鳥居さん・・・もしかして!?』
紘吉が辞退したらボンゴレの座は他の候補者に転がり込んで来る。しかも他の候補者は皆死んでいるのだから自動的に玲奈がボンゴレを継ぐことが出来る。それなのに拒むのは?
玲奈を見て紘吉は浮かんだ疑問をぶつけた。
「鳥居さん、もしかして・・・7世の傍系っていうのは嘘・・・?」
玲奈は目を見開くが次の瞬間紘吉を突飛ばした。
「馬鹿の癖に何で気付くんだよ!クソが!そうだよ、ディアボロスファミリーは家系図を改竄してボンゴレの血筋の仲間入りしたんだよ!じゃないとボンゴレを手に入れる布石一つ打てないからね!でもバレた以上あんたには絶対玲奈と結婚してもらうわ!してくれたら手荒な真似はしないし、さっき言った条件も保証してあげる!」
紘吉は尻餅を着きながら玲奈を見た。醜く嘲笑う玲奈。これが本性なのかと思うと紘吉は絶対に玲奈の言うことは聞けなかった。仮に結婚して自分に害が無くてももランボとイーピン、フゥ太が嫌な思いをするかもしれない。
「俺はマフィアにならない。だから鳥居さんと結婚もしない!」
静かに答える紘吉に玲奈は怒鳴り散らした。
「ふざけるなよ!お前は玲奈と結婚するんだよ!可愛い玲奈があんたなんかと結婚してやるだから感謝しなきゃならない立場だろーが!これが最後よ!玲奈と結婚しろ!」
「断る!こんな理由で結婚しても俺も鳥居さんも幸せになれない!」
玲奈は顔を歪にして笑いだした。
「アハハハハ!馬鹿なダメツナ!あんたには地獄を見てもらうからね~!」
玲奈は右頬を叩き、ブラウスを思いっきり破いて甲高い声で叫んだ。
「キャーーーーーーーーッ!!!助けてーー!!」
玲奈の耳障りな声は並中に響き渡った。