神のしくじりと神の呆れ



静寂の世界に戻ったプリマベーラとイヴェール。

「今回はなかなか骨が折れたな。」

今までの事を振り返りイヴェールが呟く。プリマベーラがうんうんと頷くように同意した。

「そうだよね・・・、あっ！」

プリマベーラはある事を思い出して顔色を真っ青にした。
そんな様子のプリマベーラを見てイヴェールは睨む。

「何かしたのか？」

「ううん。何にもしてないよ。」

「本当にか？」

「ほ、本当だもの！」

プリマベーラは全校集会を開く時に邪魔になるかもしれないという理由で風紀委員達を世界から消してそのままにしていた事を思い出した。

『今まで忘れてた！ヤバいよーーー！』

必死に否定するプリマベーラに胡散臭いといった表情のイヴェールは世界を見渡した。

数々の世界がある空間に風紀委員達がフワフワと浮いた状態で身を寄せあって怯えている。

風紀委員達を指差しして問うイヴェール。

「何故風紀委員達がこんな所に居るのだ！？」

「え、えーと。」

何とか言い訳をしようとするが睨まれしまいプリマベーラは白状した。

「全校集会を開く時に邪魔されないようにって存在を軽く否定したんだけど、そのまま忘れてて。」

「・・・・・・。」

無言で目を吊り上げ睨み付けるイヴェールにプリマベーラは謝った。

「イヴェールごめんなさいっ！！」

「これからあの風紀委員達を世界に戻す。説教はその後だ！」

「本当にごめんなさい！！」

「プリマベーラの謝罪は聞き飽きた！」

イヴェールは謝罪するプリマベーラを無視して、手首を掴んで世界の狭間に降りていった。

イヴェールの監視の中、プリマベーラは風紀委員達を元の世界に戻し、更に少年院に放り込んだ。
風紀委員達が少年院に収容されたのを見届けるとプリマベーラはイヴェールをジロリと見る。プリマベーラは今回も説教は回避出来ないと悟り肩を落としたのであった。



End.