静寂の住人2
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「ツナ、全然食べてないのな?」
玲奈のことで考え事をしていて箸が止まっていた紘吉に山本が声をかけた。
「え!?ちょっと食欲がなくてさ。」
「大丈夫なのな?今日も小僧の修行があるんだろ?ちゃんと食っとかないと辛いのな。」
「大丈夫だよ。修行はいつものことだし。」
咄嗟の言い訳に山本は納得しつつもどこか紘吉を見下すように言った。
「ツナは俺達のボスになるんだからさ、頑張れよ。」
「うん。」
「10代目が頑張って強くなってくださったら俺も嬉しいですよ。」
獄寺は強くなってくれないと困るという感じに小さな溜め息をした。
紘吉は二人が今の自分の能力に不満に思っていることは仕方ないと分かっていたがそれでも悲しいと感じた。
玲奈は紘吉が 獄寺と山本に馬鹿にされているのを見て嘲るがそれを隠して気遣う素振りを見せる。
「紘吉君~無理しないでねぇ~。」
「ありがとう鳥居さん。」
「名前で呼んで良いのに~。」
「ごめんね。何かもう名字が癖になっちゃってるから。」
紘吉はランボ達を値踏みする玲奈を名前で呼びたくはない。出来れば関わって欲しくない。
「ボス、無理しないで。」
「ツナ君はいつも頑張り過ぎちゃうから心配だよ。」
「ありがとう京子ちゃん、クローム。」
玲奈は京子を見て顔を赤くする紘吉を見てやっぱり京子を牽制しないと不味いと感じた。
『京子に紘吉君に対して不信に思うように仕向けなきゃ!念のためクロームも!』
京子とビアンキだけではなくクロームも玲奈にとっては邪魔者。だが嵌めて陥れるにはリスクが高過ぎる。なら味方に付けて徹底的に利用してやろうと考えを変えた。
午後の授業が終わり獄寺はダイナマイトの仕入れでイタリアへ、山本は部活。
紘吉は帰宅した途端にリボーンにリング戦の時に修行の場として使った崖がある場所に連れていかれた。
「お前は覚悟が足りねぇせいで死ぬ気の炎が小さいのかもしれねぇ。だから今日の修行は左足を使わず崖を登るんだぞ。」
「えぇ!?それって右足と両手だけ!?無理だよ!」
「うるせぇ!さっさと登りやがれ!」
グローブをはめて死ぬ気丸を飲んで登ることになった。
「ハァ、ハァ・・・。」
紘吉は回りを見渡し手が届く場所を見付けて手をかけ、崖の出っ張りに右足乗せていく。
「まだ半分だぞ!さっさと登れ!」
リボーンは叱咤しながら紘吉が落ちるのを待った。
落下したら命の危機だ。窮地に陥り炎を大きくしたならばそれは死ぬ気の炎だろうと踏んでのことだった。しかし死ぬ気の炎は危機が理由で大きくなるわけではない。それ以前に紘吉はこのマテリアルの世界の人間ではないからマテリアルリングに炎を通すこと自体が無茶なことだ。
「っ!?」
右手を伸ばした瞬間足場が崩れ落ち紘吉は落下した。
「くっ!」
紘吉は両手を下に向けて炎を噴射するが炎は小さく体を支えきれない。
「うわぁぁぁぁぁーー!!」
ボフンッーーー
レオンが変化したマットに落ちた紘吉は胸を撫で下ろしたがリボーンは渋い顔をしていた
『炎は弱々しいままだ!まだ覚悟が足りてねぇのか?』
リボーンは紘吉をボンゴレ10代目にする使命がある。このままでは依頼を完遂することが出来ない。
「ったく。ダメツナが!もう一回だ!」
「・・・・・・うん。」
リボーンが腹を空かせるまで崖登りは続いたが紘吉の炎は小さく弱々しいままだった。