静寂の住人2
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
マテリアルの世界に降り立ったイヴェールは並中の応接室に足を運んだ。
「久しぶりだな。」
「イヴェール!」
ガタンと音を立てて席から立ち上がる雲雀にイヴェールはソファーに座るとある事を話した。
「まず裏切り者達は復讐者の水牢行きが決定した。水牢から出る時は息絶えた時だろう。マフィアではなかった者達はそれぞれ刑務所や少年刑務所行き(刑罰を与える刑事施設)になっている。まあ刑期は長引かせるつもりだがな。」
「二度と出てこないで良いんだけどね。ついでにあの牝豚はどうしたの?水牢かい?もしそうなら一旦ここに連れて来てよ。咬み殺すから。」
水牢なんて生易しいと言う雲雀にイヴェールはそれは出来ないと言った。
「無理だ。」
「どういう事?」
「鳥居玲奈はあるファミリーのボスの娘に恨まれていた。その娘は復讐したいと強く思っていた。だから機会を与えた。娘は見事本懐を遂げた。鳥居玲奈は反撃もまともに出来ずにいたな。」
「あの牝豚は一人じゃなにも出来ないからね。大方みっともなく泣き喚きながらなぶり殺しにされたんじゃない?」
「ああ。泣き喚き許しを乞いていたな。許されなかったが。」
「自業自得だね。」
雲雀は一番聞きたい事を聞く為、向かい側のソファーに座ると紘吉の事を聞いた。
「ねえ、小動物は何時戻って来るんだい?」
帰せるならさっさと帰せと言いたげな雲雀にイヴェールは雲雀の問いに答えず別の話をした。
「もし沢田紘吉の姿形が変わっても護る気はあるか?」
雲雀は自分の質問を無視したイヴェールに眉を寄せるが当たり前だと答えた。
「確かにあの子の容姿は気に入ってるけど護るのは当たり前だろ。」
当然だと言う雲雀にイヴェールは口元に笑みを乗せる。
「そうか・・・。それを聞いて安心した。沢田紘吉をこの世界に戻そう。ただし数年待て。」
「ちょっとそれどういう事さ!」
「理由は沢田紘吉はリボーンによって殺されている。生まれ変わるのに数年かかる。」
「・・・そう。でも君なら直ぐに生き返らせる事は出来るんじゃないの?」
不機嫌そうに聞く雲雀にイヴェールは答える。
「今のボンゴレはボスが不在で混乱している。その状況で生き返らせたらボンゴレは紘吉をどんな手を使ってでも手に入れようとするだろう。だから紘吉は雲雀達をボンゴレから切り離す為に死を選んだ。そして生まれ変わる事にしたんだ。それに私達は神に近い存在に過ぎない。死んでしまった人間を生き返らす事は出来てもすぐに全く違う人間には出来ない。」
イヴェールの説明に雲雀は溜め息をした。
「あの子らしいよ。全く!」
不機嫌な雲雀にイヴェールはめずらしく声を上げて笑った。
「それが大空だ。」
ーーーー
トゥリニセッテの世界に降り立ったプリマベーラはジッリョネロの日本支部で過ごしている獄寺の部屋に向かった。部屋の扉をノックすると獄寺が扉を開けた。
「ただいま。」
「待ってたぜ。まあ入れ。」
プリマベーラは獄寺の部屋に入るとハルと子供達が居た。
「あれ?皆集まってるね。」
「最近は全員ここで過ごしてんだ。」
すぐに綱吉の事が聞けるように待機している獄寺達にプリマベーラは成程と頷く。
ハルがジュースを用意すると全員ソファーに座りプリマベーラが口を開いた。
「裏切り者達は全員まとめて復讐者の水牢に収監したんだけど沢田奈々は刑務所、笹川京子と黒川花は少年刑務所だよ。他の馬鹿達も少年院や刑務所行きね。」
プリマベーラがジュースを飲みながら話すと獄寺が瑠花の事を聞いた。
「あの牝豚はどうなったんだ?」
「南川瑠花はもう存在してないから大丈夫。」
「存在してない?くたばったのかよ?」
死んだのかと聞かれてプリマベーラは顔色を蒼白にして事の顛末を話した。それを聞いた獄寺とハル、フゥ太は顔色が悪くなった。
「それじゃ牝豚ははなから助からねえだろ。恨んでいる奴からしたら絶好のチャンスだろうしよ・・・・・・。」
「・・・あの人を罰する為に恨んでいる人に復讐させるなんて凄すぎです!」
「イヴェールさんって怒らせると怖いんだね・・・。」
獄寺とハルとフゥ太は顔を引きつらせた。(幼すぎるランボとイーピンは意味が理解出来ず、不思議そうに獄寺達を見ていた。)
引きつった顔から真顔になった獄寺とハル、フゥ太は綱吉の今後について聞いた。ランボとイーピンはプリマベーラを見上げる。
「それで10代目は何時お戻りになるんだ?」
「ハルは早く会いたいです。」
「僕もツナ兄に会いたい。」
「ツナと遊ぶんだもんね!」
「イーピン、ツナさんに会いたい!」
プリマベーラは綱吉に一刻も早く会いたいと思っている獄寺達の真剣な顔を見て言い淀む。
「あー、今すぐにはちょっとね・・・。」
「何でだよ?牝豚も裏切り者も居なくたったんだ。問題ねえだろ?」
「まあ理由は簡単。隼人達を巻き込みたくないからだよ。ボンゴレはボスが居なくなっちゃってる上にジッリョネロが潰しにかかってるから混乱してるんだ。そんな状況でトゥリニセッテの世界に戻ったらボンゴレはツナをボスの座に着かせようとするかもしれない。だからボンゴレとは全く関係ない人間として生まれ変わることにしたんだ。」
理由を聞いた獄寺達は綱吉らしいと苦笑した。