静寂の住人2
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トゥリニセッテの世界ーーー
紘吉は獄寺と子供達を起こさないようにそっと部屋を出てベランダに行く。
夜空を見て呟くと結論を出さないといけないと考えるが。
「マテリアルの世界に留まるとしてもトゥリニセッテの世界に行くとしても俺が初代ボンゴレ直系の血筋だってことは変わらない。」
ボンゴレの血筋である以上、他のファミリーが狙ってくる筈。そうなると言うことを聞かせようと人質として子供達が利用される可能性が出てくる。そして自分は最悪狙ってきたファミリーの言いなりにならなければならなくなる。そうなれば雲雀とクロームは自分と子供達を助けだそうと動くだろう。雲雀はともかくクロームは怪我を負うかもしれない。それは避けたい。
だがトゥリニセッテの世界に行けば綱吉の帰りを望んでいる獄寺とハル、子供達が苦しむかもしれないのだ。
「どうしたらいいんだろう・・・。」
紘吉はしゃがみこんだ。
ーーーー
マテリアルの世界ーーー
綱吉は部屋の窓を開けた。
「どうしよう。」
星空を見詰めながら悩んでいた。
「初代ボンゴレの血筋が流れてるからこのままトゥリニセッテの世界に留まってもマテリアルの世界に行っても他のファミリーに狙われるよね。」
他のファミリーに狙われながら生きていくのは難しい。狙われたらすぐに獄寺とハルと子供達は助けてくれるだろう。その度に怪我を負うかもしれない。そんな事はさせられない。
マテリアルの世界に行けば紘吉の事を待っている雲雀とクロームと子供達が悲しむだけ。
「俺はどうしたらいいんだろう。」
綱吉は窓を閉めるとベッドの上で膝を抱えた。
ーーーー
静寂の世界でそ二人のツナを見ていたプリマベーラとイヴェールはお互いの顔を見た。
「とりあえず二人の気持ちを聞こうよ。」
「そうだな・・・。」
プリマベーラとイヴェールは二人のツナを静寂の宮殿に移動させる事にした。
ーーーー
静寂の宮殿に移動させられた紘吉と綱吉は考える時間はあったのだが答えが出せずにいた。
表情が硬い二人のツナにイヴェールは何とも言えない顔で口を開いた。
「その顔を見ると決断出来ないようだな。」
頷く紘吉と綱吉にプリマベーラは相槌を打つように口を開く。
「そうだよね。二人の一番気にしている事は信じてくれた人間達の身の安全だし。迂闊に答えなんか出せないよね。」
「うん。俺がボンゴレの血筋である限りマフィアから狙われ続けると思う。もしマフィアに捕まったら雲雀さん達は助けようと動く筈。それで雲雀さん達が命の危険に晒されるのは嫌だ。」
「俺もそう思っているんだ。それにもしもマフィア出身の獄寺君とランボが人質に取られたら俺はマフィアの要求を飲む事になる。そうなったら俺も獄寺君もランボも骨の髄までしゃぶられると思う。」
自分のせいで危険に晒すわけにはいかないと言う二人にプリマベーラとイヴェールは以前から考えていた事を紘吉と綱吉に話をする事にした。
「これから私達が言う事を良く聞いてくれ。」
「多分これが一番最良だと思うよ。」
プリマベーラとイヴェールは話した。紘吉と綱吉に死んでもらう事を。
プリマベーラとイヴェールの話を聞いた二人のツナは暫く考えた。
『俺は元々死んでるし。それで雲雀さん達がボンゴレから解放されるなら。』
『俺が死ぬ事で獄寺君達がボンゴレから解放されるなら。』
紘吉と綱吉は決断した。
「俺はプリマベーラとイヴェールの話を飲むよ。」
「俺を信じて支えてくれた皆が助かるなら。」
二人のツナは異口同音で答えた。
「「死んでも構わない。」」
静かに答えた紘吉と綱吉。
プリマベーラとイヴェールは二人に死を与えた。
魂の抜けた亡骸を消すと気分屋の神と真面目な神はそれぞれ守っていた世界に降りていった。