静寂の住人2
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プリマベーラが映像を消すと口を開いた。
「今見せたのは他の世界の君達だよ。彼等はツナから話を聞いて判断して信じた。結果彼等は何も失うものがなかった。彼等はこれからもお互いを信じてやっていくと思うよ。それに引き換え君達って何?9代目は事後承諾の形で一般人のツナに後継ぎに任命して、9代目の守護者達は何の疑問も持たずに付和雷同してだけ。そんな腐った組織要らないよね。」
マテリアルの世界とトゥリニセッテの世界の9代目と9代目の守護者達はプリマベーラに腐った組織と言われ心中で項垂れた。そんな9代目達からプリマベーラは視線を変えると今度は守護者達に言った。
「マテリアルの世界の獄寺隼人、山本武。それからトゥリニセッテの山本武。君達はツナに助けられて命拾いしたよね?そんな彼に何をしたの?騒ぎを起こして尻拭いさせて、鳥井玲奈と南川瑠花の嘘を鵜呑みにして暴力振るってたよね?普通忠誠を誓ってるなら信じるでしょ?親友なら話を聞くでしょ?口先だけなのがよく分かったよ。」
マテリアルの世界の獄寺と山本、トゥリニセッテの世界の山本はプリマベーラに言われて漸くツナが助けてくれたから生きているんだと理解して涙を流した。
泣いている彼等に今更だとプリマベーラは呆れながら今度はマテリアルの世界の了平とトゥリニセッテの了平に視線を向けた。
「マテリアルの世界の笹川了平とトゥリニセッテの笹川了平。君達も似たようなものだ。君達だって騒ぎを起こしてツナに後始末させてたし、鳥井玲奈と南川瑠花に騙されてツナの話は全く聞かなかったよね。僕が見せた世界の君達はちゃんと話を聞いてたよね。ボクシング部主将ってトップじゃない。人の上に立つならそれくらい出来ないと駄目だ。」
ボクシング部主将失格だと言われてマテリアルの了平とトゥリニセッテの了平は確かにその通りだと内心で俯いた。プリマベーラは次にマテリアルの京子と花に視線を変えた。
「マテリアルの世界の笹川京子と黒川花。君達だって同じだよ。暴力が暴言だっただけでさ。それだけじゃないよ。笹川京子はツナが君の事好きなのを知ってて弄んでたよね?いざという時のキープにしか見てなかったよね?黒川花はそんなツナを面白がってからかってたよね?それって鳥井玲奈と同じ酷い人種じゃない。」
プリマベーラに見せられた他の世界の京子と花はそんな態度はどこにも無く、純粋にツナを助けようとしていた。それに比べて自分達は本当に酷いことをして笑っていたと分かってマテリアルの京子と花は泣き出した。プリマベーラは泣き出した彼女達にも呆れしかないが次に視線をトゥリニセッテの京子と花に向ける。
「君達も酷いよね。ツナのことは信じないで暴言吐いて傷付けて。その癖自分達が疑われた途端に信じてほしいって言ってきて。確かに僕が君達を踏み絵にしたことは謝るよ。でもさ僕が君達を利用しなかったら気付かなかったよね。確かに君達は被害者。だけど結局加害者でもあるんだよ。」
トゥリニセッテの京子と花は泣きながら心中で頷いた。プリマベーラが自分達を利用しなかったら綱吉の苦しみを理解出来なかったのだから。
プリマベーラはトゥリニセッテの京子と花には溜め息しかでないが次はマテリアルの世界とトゥリニセッテの世界の家光と奈々に目を向けた。
「マテリアルの世界の沢田家光と沢田奈々、トゥリニセッテの世界の沢田家光と沢田奈々。君達は本当に何なの?息子を信じないで、暴力振るって罵倒して。おまけにネグレクト。これって児童虐待で犯罪じゃない。子供は作れても親にはなれなかったってやつかな。まあ沢田家光はボンゴレ存続と自分の立場維持の為の道具程度にしか見てなかったから滅多に帰国しなかったみたいだし、沢田奈々はご近所の目を気にしてて自慢出来る息子にしたかっただけ。ツナの意思なんてお構い無しだった。君達はそうやって育てられたの?君達の両親は君達の意思を尊重しなかったの?」
プリマベーラに言われてマテリアルの世界の家光と奈々、トゥリニセッテの世界の家光と奈々は見せられた世界の自分達と違い息子を裏切ってしかも意思をまったく無視したことを指摘されて胸中で俯いた。
プリマベーラは最後にマテリアルの世界のリボーンとビアンキ、トゥリニセッテの世界のリボーンとビアンキを見やる。
「君達も酷いよね。リボーンはツナを10代目にする為にはどんなことをしても良いって思ってたしツナを育て上げれば家庭教師としての箔がつくから引き受けた。ビアンキはツナが邪魔で腹が立っていた。そんな時に鳥井玲奈と南川瑠花の嘘に騙されてツナに暴力を振るって暴言も吐いた。でも普通に考えたらリボーンは雇われ教師だしビアンキは弟が守護者とはいえリボーンの愛人。ボンゴレの人間じゃないじゃん。そんな君達がしたことは立派にボンゴレに対する敵対行為。僕が見せた世界のリボーンは教え子を信じきり動いていた。ビアンキだってツナは教え子だから心配していた。それこそボンゴレの部外者なのにね。」
教師としてどうなの?と言われてそれぞれの世界のリボーンとビアンキは自分達は教師として能無しだと理解して胸中で俯いた。
一言も口を出さないで見守っていたイヴェールが口を開いた。
「プリマベーラ。この試みは今回は試しだったな。さてどうする?私としては復讐者と警察に引き渡したいのだが。」
イヴェールの言葉にそれぞれの世界のリボーン達は元々悪かった顔色が更に悪くなった。そんなリボーン達を横目にプリマベーラはイヴェールに同意した。
「今回は本当にお試しだからね。それに鳥井玲奈と南川瑠花が現れなくてもいずれこの愚者達は世界を壊してた可能性が高いし。トゥリニセッテの世界は崩壊寸前だしマテリアルの世界は崩壊してるしね。」
「プリマベーラにも責任はあるが確かに鳥井玲奈と南川瑠花が現れなくても崩壊していたかもしれないな。」
「うう!それは置いておいてよ。それじゃまあ愚者達は復讐者と警察に。」
「そうだな。」
それぞれの世界のリボーン達は泣いて許しを乞うような目をしたが気分屋の神は楽しそうに真面目な神は冷たく見詰めたのだった。