静寂の住人2
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
リボーン達は辛うじて動く目を瑠花に向ける。その目は睨み付けていて、瑠花はもし声が出るならヒイッと声をあげていただろう。そんな瑠花とリボーン達をプリマベーラが見やる。
「南川瑠花を睨み付けるとか何か勘違いしてない?」
どういう事だと目で訴えてくるリボーン達。プリマベーラはそうだろうという顔をした。
「確かに騙した南川瑠花が悪いけど南川瑠花は君達に仕返しして欲しいって頼んだ?頼んでないでしょ?」
プリマベーラに言われて初めて瑠花は苛められたと言っていただけで仕返ししてと頼まれた事が無かった事に気付いた。
「だから睨み付けるのはお門違い。だってリボーン達は自分から進んで沢田綱吉に暴力を振るって楽しんでたんだから。沢田奈々は虐待と育児放棄のコンボだし、沢田家光は息子を簡単に見捨てて殴り付けるだけだったみたいだし。9代目なんか自分で一般人の沢田綱吉を後継者として選んだのにあっさり切り捨てて南川瑠花の部下にして汚れ仕事をさせようとしてたよね?沢田綱吉は道具じゃないんだよ?」
騙されたから、道具扱いなんて考えていないというような目で見てくるリボーン達だがプリマベーラは京子と花に視線を変える。
「何か自分達が酷い事しましたみたいな顔してるけどさ、僕が仕掛けなかったら全く気付かなかったでしょ?」
どういう事と驚いた表情をする京子と花にプリマベーラは淡々と話す。
「あのボールペンで笹川京子を嵌めたんだ。」
「「「「「!?」」」」」
「あのボールペン騒ぎの時真っ先に僕が疑われたけど僕は無実でボールペンは笹川京子の机の中にあった。でも本当はあのボールペンは僕の机の中にあったんだよ。ねえ?南川瑠花?」
瑠花に視線を向けると瑠花は目を逸らした。そんな瑠花に気にもせず続ける。
「ボールペンの騒ぎの前日の放課後、南川瑠花は僕の机の中にボールペンを入れてた。僕は気付いて笹川京子の机の中に入れたんだ。」
京子と花は何でそんな事をしたという目でプリマベーラを見つめた。
「ここに居る人間達は沢田綱吉に謝れと喚いてたじゃない。だから他の人間にも謝罪しろって喚くのかなって思って。それに僕を疑った後どういう行動を取るのかなって思ってさ。まあ結果は知っての通り無実の僕には謝罪はなし。笹川京子はやっていないと訴えたけど虚しくも信じてもらえず制裁された。庇った黒川花も制裁された。そんな笹川京子と黒川花に僕は沢田綱吉は無実だと教えてあげた。つまり僕が仕掛けなかったら二人は自分達のやってきた事に気付けないままだったと思うよ。」
おまけに綱吉の話は全く聞かなかった癖に自分達が嵌められた途端に信じてと懇願する始末。大概だよねと言われた京子と花は漸く本当の意味で綱吉にした事を理解した。
愕然とした京子と花を一瞥して視線を瑠花に向ける。
「南川瑠花。君って相当ヤバい事してたみたいだね?麻薬入りのクッキーを不良に食べさせたことあったよね?イタリアの学校でも苛められたと騒いで人を陥れてたよね?中には一般人もいた。これって立派に掟破りだよね?」
プリマベーラに言われて瑠花は全て知られていると顔色がどんどん悪くなっている。
そんな様子の瑠花を更に追い詰めていくプリマベーラ。
「マルルーモ自体もかなりやらかしてるよね。一般人を使って人体実験に人身売買。これもマフィアの掟破りじゃない?麻薬製造はかつてまともだったボンゴレが禁じてたよね?これだけの事をやっちゃったからマルルーモは大変な事になってるよ?」
どういう事と目で訴えてくる瑠花にプリマベーラは面白そうにした。
「ジッリョネロが乗り込んでこんな事になってるよ!」
両手をパンと叩くとある映像が浮かび上がった。
マルルーモ本部は瓦礫の山と化し、地面はそこらじゅうに真っ赤な血に染まりマルルーモの構成員と思われる人間が惨たらしい姿で息絶えている。そしてドン・マルルーモとマルルーモ夫人の首が転がっていた。更にマルルーモ支部も全てジッリョネロに潰されていた。
そんな映像を見て瑠花は目を見開いて泣いている。声が出せるなら悲鳴をあげていただろう。
「南川瑠花。君はもうマルルーモの令嬢じゃないよ。南川財閥も近いうちジッリョネロに所有してもらうから。」
楽しそうに話すプリマベーラ。両親は殺され、ジッリョネロによってマルルーモは全滅して南川財閥も失った瑠花は怒り狂った。声が出るなら「ふざけんな!瑠花を馬鹿してすむと思ってのかよ!クソがっ!」と口汚くプリマベーラを罵っていただろう。そんな瑠花の心中が丸分かりのプリマベーラは鼻で笑っているとイヴェールから交信がきた。
《愚者達を連れてきた。》
《遅かったね。何かあったの?》
《復讐者にディアブロスファミリーを潰しておいて欲しいと頼んでいた。》
《成程ね。それじゃ笹川京子と黒川花がいた空間に鳥居玲奈を入れておいて。邪魔だしね。》
《分かった。》
交信が切れるとプリマベーラは瑠花の腕を掴み問答無用で京子と花がいた空間に入れた。するとイヴェールが現れる。
「鳥居玲奈は入れておいた。」
「分かった。そっちの裏切り者達は?」
イヴェールは指を鳴らすと上から紘吉を裏切った者達が降ってきた。痛がるリボーン達をイヴェールは空かさず動きを封じる。
「これで良いだろう。」
「それじゃ試しにやってみよう!」
楽しそうにするプリマベーラにイヴェールは頭痛がしてきたとこめかみに手を当てた。