静寂の住人2
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唖然としている愚者達にプリマベーラは楽しそうに話す。
「南川瑠花は沢田綱吉が継ぐ会社を隠れ蓑にしようと目論んでたんだ。でも沢田綱吉が拒否したから陥れたんだ。」
校長と副校長、教師達と生徒達は騙された!と騒ぎだした。そんな愚か者達を見ているプリマベーラは吹き出した。
「プッ、あははははっ!皆は楽しそうに沢田綱吉を痛め付けてたじゃん!」
嘲笑するプリマベーラに集まっている生徒、教師は何がおかしいと食って掛かる。
「俺達は南川に騙されただけだ!」
「瑠花ちゃんが嘘を付いたからよ!そんな事しなかったら私達沢田を苛めたりしなかったわ!」
「我々もだ!南川を苛めていると思ったから沢田に指導していただけでまさか騙されているとは思わなかった!あんな性悪な生徒だったとは!」
「あんな子供だと分かっていたら転入を断っていた!」
騙されただけだ、悪いのは瑠花だと喚く生徒と教師と校長達。プリマベーラは更に笑った。
「あははっ!僕は同じクラスだったけど南川瑠花は苛められたとか殴られたとか言ってたけど仕返ししてって頼んでたところ見たこと無いんだけど?でも皆は苛めてたよね?それって自分の意思でした事だよね?」
確かに仕返しして欲しいと頼まれた事は無かったと生徒達は俯いた。プリマベーラは生徒達から教師達に目線を向けた。
「先生達もかなり性悪だよね?だって中学生じゃ答えられない問題を出してたんだよね?校長と副校長は見て見ぬふりをしてた。隼人そうだよね?」
「ああ、アイツ等は10代目を晒し者にしようとしてやがった。まあ俺が答えてクズ共の嫌がらせを潰したけどよ。校長達は知らぬ存ぜぬって感じだったな。大方南川財閥の融資金欲しさに10代目が酷い目にあっても放置してたんだろうよ。」
凍土を思わせる目をして獄寺が吐き捨てると校長と副校長、教師達も俯いた。そんな校長と副校長、担任にプリマベーラは更に笑う。
「校長はストーカーして被害者から慰謝料を請求されてるんだよね?副校長は援助交際してるよね?僕の担任だってコンビニで万引きしてたよね?」
プリマベーラが力を使って天井から大量の証拠の写真や書類をばらまいた。校長達は慌てて書類と写真をかき集めるが枚数が多い為拾いきれなかった。
集まっている全員が項垂れているのをプリマベーラは一瞥すると獄寺とハルに合図を送る。獄寺とハルは壇上から降りると体育館ので入口や扉を次々と開けていく。すると何十人もの警察官が入って来て出入り口や扉の前にズラッと並ぶ。プリマベーラは清々しい顔をした。
「暴力を振るったら暴行罪。私物や机を駄目にしたら器物破損。誹謗したら名誉毀損。それに校長と副校長は苛めに対して何の手も打たなかった。おまけにストーカーと援助交際と万引きもしてる。これらは全部犯罪だよ。ここに居る殆どが犯罪者だから来てもらったんだ!警察官の皆さんよろしくお願いします!」
プリマベーラの言葉に震え上がった校長、副校長、教師、生徒は逃げ回るが次々と警察官に捕まりパトカーに放り込まれていき体育館に残ったのはプリマベーラと紘吉、獄寺とハルだけだった。正直、全員を逮捕させるとは思ってなかった紘吉は引きつった顔をした。
「えっと、全員捕まっちゃったけどやりすぎじゃ?暴力振るってた人達はともかく軽い悪口を言ってた人達まで捕まえなくても。」
「そうかな?暴行罪の人間達はともかく軽い悪口を言ってた人間にもお仕置きくらいしないとさ。」
プリマベーラがお灸をすえないと懲りないんじゃない?と言うと獄寺とハルは力強く頷く。
「沢田さんは優しいですね。でも10代目にした事は犯罪ですよ!」
「そうです!あの人達は自業自得です!」
「まあ、そうかもしれないね。(獄寺君とハルは本当に沢田綱吉の事を慕ってるんだな。)」
紘吉がそう思っているとプリマベーラは話し掛けた。
「ボンゴレサイドの人間と学校サイドの人間は捕まえたからそろそろ考えておいて。」
マテリアルの世界に戻るか、トゥリニセッテの世界で沢田綱吉として生きていくか。紘吉は選択をしなければならなかった。
「うん。分かった。」
「それじゃ帰ろうか。」
プリマベーラの瞬間移動の術でジッリョネロ日本支部に戻った。
紘吉達がジッリョネロ日本支部に着いた頃、並盛は大騒ぎになっていた。
子供が警察に捕まり親達は菓子折を持って沢田家に謝罪して子供を許してもらおうと向かった。実際、家光も奈々もプリマベーラに捕らえられて閉じ込められているし、子供達は保護されているから誰も居ないのだが。その事を知らない親達はインターホンを鳴らしたが誰も出て来ない事に項垂れたり泣き崩れたりしていた。
ーーーー
深夜、プリマベーラとイヴェールは誰の邪魔も入らないように特別な空間を作って話し合いをしていた。
「こっちは今日愚者達を捕まえたところ。」
「お疲れプリマベーラ。それで沢田紘吉はどうだ?」
「考えてる最中だと思うけど選べないと思うよ?」
「だろうな。こっちのツナもだ。まあ少し待つことにしよう。まだ愚者達に罰を与えていないしな。」
イヴェールが言うとプリマベーラはどこか楽しそうだ。
「そうだね!僕実は良いことを思い付いたんだよね!」
「・・・良いこと?」
ろくでもない事だろうと眉を寄せるイヴェール。そんな同胞を気にせず続けるプリマベーラ。
「どうせならリボーン達に正解を見せてあげようよ!あ、南川瑠花と鳥居玲奈は除いて。」
「正解?」
「うん!全ての世界のリボーン達がツナを裏切ったわけじゃない。だからツナを信じて悪者を退けたパターンを見せてあげようよ!」
訝しげにするイヴェールが聞く。
「その真意は?」
「今後の対策。もし裏切っていないパターンをリボーン達に見せて反省したら次に他の世界のツナが裏切られたときに使えるかなって。」
「今回は試験的にやるということか?」
「そういうこと。今回の件は反省しようがしまいが罰を与えるけどね。」
イヴェールは暫し思案する。
『確かに反省させる事が出来るなら次回からは使える案かもしれないな。出来ればそんな事がなければ一番良いが。それ以前にプリマベーラが馬かなマネをしなければ良い話なんだが。』
首を横に傾け「どうかな?」と聞いてくるプリマベーラにイヴェールは認めた。
「良いだろう。ただプリマベーラが悪戯しなければ良いだけなんだがな?」
イヴェールにジロリと睨まれ指摘されプリマベーラは項垂れた。