神々の決断



トゥリニセッテの世界ーーー

戻って来た紘吉をプリマベーラと獄寺が出迎える。

「お帰りツナ。」

「沢田さんお疲れ様です。」

「ただいま。フゥ太達はもう寝てるよね？」

「沢田綱吉に会えてはしゃいだせいか熟睡だよ。」

時間は夜の10時を回っていてハルは既に帰宅し、フゥ太とランボとイーピンは夢の中。神様と人間2人は静かに話している。因みにプリマベーラがフゥ太とランボ、イーピンの分身を作って分身を沢田家に向かわせていた。
プリマベーラが紘吉と獄寺にソファーに座るように促すと瑠花の悪事の記憶が入っている小箱を見詰めながら口を開いた。

「そろそろ並中の生徒と教師達に南川瑠花の悪事を知らせるね。」

「ついにあの牝豚を締め上げるんだな！」

「獄寺君、嬉しそうだね。」

目を輝かせる獄寺に紘吉は本当に沢田綱吉を慕っているんだなと思った。プリマベーラは声が大きいと獄寺に注意した。

「隼人、フゥ太達が起きちゃう。それで話を戻すよ。南川瑠花の嘘をばらす前にリボーン達を捕まえておしゃぶりとボンゴレリングを取り上げてどこかに閉じ込めて、ジッリョネロにマルルーモを潰させるから。」

後数日はかかると説明するプリマベーラに二人は頷いた。

「分かったぜ。」

「分かったよ。・・・あ！」

紘吉が分かったよと言って数秒後何かを知ったような顔をした。プリマベーラは成程と理解したが獄寺はよく分からず紘吉を見た。

「ツナ、もしかして六道骸？」

「うん。」

「どういうことですか？」

「超直感が知らせてきたんだけど骸があのクッキーの成分の調査が終わったみたい。」

プリマベーラがそれなら明日骸に結果を聞きに行く事に決定すると人間2人は眠りに就くがプリマベーラは小箱の蓋を開けた。

「並中にディスクとかあったかな？」

プリマベーラは透視の力を使って並中全体を見渡した。

「あった！」

目的の物を見つけたプリマベーラは両の手の平をパンッと打ってディスクを召還すると瑠花の悪事を映像化し、その内容をディスクにおさめた。

「後はまあ当日にプロジェクターとかスクリーンとかいうのを用意したらいいかな。」

ディスクをひとまず棚に保管すると瑠花の悪事を入れていた小箱を粉々にした。

「本当に汚かったなあ。さすがにウンザリしちゃうよ。」

プリマベーラはやれやれといった顔をした。


翌朝ーーー

プリマベーラは朝食を取りながら紘吉と獄寺、子供達にこれからの事を話した。

「まずは六道骸からクッキーの結果を聞きに行く。そして今日からジッリョネロの日本支部で過ごそうと思ってるからそのつもりでね。」

「もうジッリョネロファミリーに許可貰ったの？」

紘吉が訊ねるとプリマベーラは首を横に振る。

「これからだよ。」

「おい、これからだよって。大丈夫かよ？」

許可を取っていない事に不安になる紘吉と獄寺。プリマベーラは必ずアリアを頷かせるからと言った。

「大丈夫！ドンナ・ジッリョネロが頷くように説得するから！」

意気揚々と話すプリマベーラを見て紘吉と獄寺は心中で『ドンナが拒否したら存在そのものを消すんだろうな。』と乾いた笑みをした。

朝食を食べ終えると瞬間移動の術を使って黒曜ヘルシーランドに向かった。

いきなり現れたプリマベーラと紘吉と獄寺、子供達に千種と犬は驚くがクロームは落ち着いていた。
落ち着いた様子のクロームを見て紘吉はもしかして骸なのかと聞くとクロームは頷き姿が骸に変わった。

「クフフフフ。さすがボンゴレですね。」

骸は千種にクッキーの検査結果の報告書を持ってくるように指示を出した。
暫くすると千種が報告書を骸に手渡した。
手渡された骸は報告書をプリマベーラに渡した。
報告書を見たプリマベーラと紘吉と獄寺は唖然とした。

「こんな物を食べ続けたら最悪廃人だよ。」

「狂暴になるって・・・。」

「相当やばいな。」

唖然としながらもプリマベーラは懐にしまうと骸に労いの言葉をかけた。

「ありがと。全てが終わったら復讐者の水牢から出してあげるからね。」

「ありがとうございます。」

本当に嬉しそうにする骸にプリマベーラはもう少しだけ待っててねと言うと瞬間移動の術でジッリョネロの日本支部に移動した。

瞬間移動で去っていったプリマベーラを見て骸は「僕はあんな術は使えません。さすが静寂の住人といったところですね。」と冷や汗を垂らしながら呟いていた。