静寂の住人2
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クラスの生徒の荷物を調べ始め京子の机を調べていた女子が戸惑った声を出した。
「え・・・?これボールペンだわ。」
女子が取り出したボールペンに京子は何で?呟いた。女子は瑠花に確認をしてもらおうと手渡した。
ボールペンを渡された瑠花は京子の机に入っていたのかと驚くが何故京子の机にあったのかを考えた。
『京子の奴もしかして瑠花がディーオの机に入れたのを見てたんじゃ?それでボールペンを取ったんだわ!あいつ羨ましそうにしてたし。まあ良いわ。この際京子をストレス発散の道具にしてやろうっと!』
「ディーオさんから貰ったのはこのボールペンよ。」
瑠花はそう言ってディーオに見せた。
「ディーオさん念のため見てくれないかな~?」
「僕が渡したのはこのボールペンで間違いないよ。」
プリマベーラと瑠花の言葉を聞いた生徒達は京子を蔑んだ目を一斉に向けた。京子は慌てて否定した。
「私、やってないわ!」
「じゃあ何で笹川の机に入ってんだよ!」
「そうよ!京子ちゃんじゃなきゃ誰が京子ちゃんの机に入れたのよ!」
「私じゃない!」
泣きながら訴える京子に黒川が止めに入る。
「ちょっと待ちなさいよ!京子がやったとは思えない!もしかしたら京子を妬んでる奴が仕組んだ事かもしれないわ!」
京子は並中のアイドルと言われていて実際人気がある。その妬んでる人間の仕業じゃないかと言う黒川に生徒達は責めた。
「黒川さんは友達だから庇いたいのは分かるけど友達なら瑠花ちゃんに謝罪するように言った方が良いわ。」
「妬んでる人がいるとして瑠花ちゃんからボールペン盗むのは無理だろ?常に山本や獄寺が傍にいるんだからさ。」
「寧ろ盗める状況に居るのは笹川さんじゃないの?」
「笹川達は南川の家に遊びに行ったりしてんだからさ。」
「どう考えても笹川じゃね?少なくとも俺ら男はピンクのボールペンなんか要らねえし。」
「笹川さん謝ったら?瑠花ちゃんとは友達でしょ?」
「だからって京子だって決め付けないでよ!」
庇う黒川だが生徒達は聞き入れず京子が犯人だと決め付けた。
責められる京子は山本の方を見るが「瑠花の物取るとか駄目だろ?早く謝れよ。」と言われてしまい慌てて獄寺の方を向くが獄寺は『10代目を裏切った奴なんか庇うかよ!』と内心で罵って何も言わずそっほを向いた。京子はショックを受けて俯いた。
そんな京子を見て楽しんでいた瑠花は更に山本と生徒達を煽る。
「京子ちゃん!瑠花の事嫌いなの?それともボールペンがそんなに欲しかったの?」
問い詰める瑠花に京子は違う!取っていない!と泣きながら言うが瑠花は泣きながら「言い訳ばかりして酷いよ!」と言って教室を飛び出した。飛び出した瑠花を見て山本と数人の生徒は慌てて後を追い、残りの生徒達は京子と黒川を取り囲んだ。
「何で謝んないんだよ!」
「南川さん可哀想!」
「泥棒女!」
「アイドルが泥棒とかありえねーよ!」
「泥棒を庇う奴も同罪だぜ!」
「ダメツナの次は笹川さんなの!?瑠花ちゃんが可哀想!」
「やっちまえ!」
生徒達は京子と黒川に暴力を振るい出した。
それを見ていたプリマベーラは呆れた顔をした。
「うーん。普通なら僕が服を脱いだ所で「疑ってゴメン。」くらい言うでしょ。でも誰も謝罪しない。そのくせツナや笹川京子には謝れって喚いてるし。審査は無駄だったのかなー。」
8世のダニエラの無実が証明された時、晴の守護者と雨の守護者は反省して謝罪したが今回は誰一人謝罪せずに京子を犯人だと決め付て制裁に走った。
結局、プリマベーラの審査は無駄に終わった。
ホームルームが始まる頃に山本達は瑠花を慰めながら教室に入ると怪我をして床に座り込んでいる京子と黒川が怯えた顔で山本達を見上げた。
「わ、私は本当にしてないわ。」
「京子がするわけないじゃない。」
信じてと言う京子と黒川だが瑠花が二人共酷いよと呟いて大袈裟に体を震わせると山本が呆れた声を出した。
「言い訳してないで瑠花に謝るのな。黒川も笹川に謝るように説得しろよ。友達ならさ。」
その怪我は自業自得だと言って山本は瑠花を席に座らせた。瑠花はボロボロになっている京子と黒川を見て『アイドルとか言われててムカついてたんだよね!ザマーミロ!』と嘲った。