静寂の住人2
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瑠花の屋敷から帰って来た獄寺はプリマベーラにクッキーを渡した。手渡されたプリマベーラはこのクッキーも証拠になると紘吉と獄寺、夕飯を作りに来たハルに説明した。
「隼人が持ってきたクッキーは実は麻薬入りなんだ。これの成分を調べたら南川瑠花とマルルーモファミリーの悪事の証拠になるよ。」
「はひ~!麻薬なんですか!?でもどうやって調べるんですか!?」
ハルが訊ねると獄寺が一人思い当たる人物が居ると話し出した。
「骸の野郎は使えるかも知れねえ。」
「骸?」
不思議そうにする紘吉。獄寺は軽く頷き続ける。
「はい。もしかしたら骸は日本でも契約してる可能性があります。その中に成分を調べられる人物と契約してかもしれません。」
「それじゃクッキーの成分は六道骸に調べさせよう。」
元々獄寺が骸に頼んでいた事だから問題はないと踏んだプリマベーラは獄寺の意見に賛成した。紘吉は骸に頼むとかなんてムチャをするだろうと冷や汗を垂らした。
翌朝ーーー
プリマベーラはピンク色のラインストーンが付いたボールペンを力で作り出した。
「こんなものかな。」
誰が見てもスワロフス◯ーのラインストーンのボールペンだ。
紘吉と獄寺はボールペンを作ったプリマベーラを見て何をやる気なのだろうと額に冷や汗を垂らした。
姿を消している紘吉とプリマベーラが2-Aに入ると瑠花がプリマベーラに傍まで来た。(因みにリボーンの命令を聞くふりをしている獄寺は瑠花を迎えに行って登校して早くもグロッキーだ。)
「ディーオさんおはよー。」
「おはよう。南川さん。」
ニヤニヤしている瑠花にプリマベーラは鞄からボールペンを出して渡した。
「昨日約束してたボールペン。」
「綺麗~。ありがとー。」
ボールペンを貰った瑠花は大喜びだ。喜んでいる瑠花に気付いた京子や黒川が瑠花に話し掛けた。
「瑠花ちゃんどうしたの?」
「嬉しそうね?」
瑠花は自慢気にプリマベーラからスワロフス◯ーのボールペンを貰ったと笑顔で言った。
「このボールペンディーオさんに貰ったの~。」
「綺麗だね!羨ましいなあ。花もそう思わない?」
「素敵よね。でもいつの間に瑠花とディーオが仲良くなってたの?」
接点がない二人が物をプレゼントするのに少々疑問に思った花にプリマベーラは口を開いた。
「南川さんはイタリア出身だってクラスの子に聞いてさ。なんとなく親近感がわいちゃって。」
「成程ね。」
「そっか、ディーオさんもイタリア出身だものね。」
納得した黒川と京子。プリマベーラは『南川瑠花に親近感?そんなわけないじゃん。』と内心毒づいた。
ボールペンを貰った瑠花は授業中にプリマベーラをどう陥れるか考えていた。
『このボールペンをディーオの机かロッカーに入れてやろうかな?そうしたらこのクラスの連中は騒いでくれるし。正直ディーオは目障りだしダメツナは見付からないしちょっとストレスが溜まってるんだよねー。まあ流石に今日は無理だから明日に嵌めてやろっと。』
ストレスの捌け口にプリマベーラを利用しようと決めた瑠花だった。
授業が終わり帰宅するプリマベーラを見て瑠花は誰も見ていない隙を狙ってボールペンをプリマベーラの机に入れた。
『ウフフ~。明日からあんたが瑠花のストレス発散の道具よ~。』
山本達に制裁されるプリマベーラを想像して瑠花はニヤニヤと唇を醜く歪ませた。そして獄寺と山本達を遊びに誘って教室を出た。
紘吉と帰宅したプリマベーラは早速仕掛けてきたかと笑った。
「あははっ!僕の作戦に乗ってくれたんだ。それじゃあのボールペンを他の奴の机に移動させなきゃね。」
楽しそうにしているプリマベーラに紘吉は何をしようとしいるのか恐る恐る聞いた。
「楽しそうだけど何をしてるの?」
「ちょっとね。まあ隼人が帰って来たら話すよ。」
「うん。(嫌な予感しかない。しかも止められないって超直感が言ってるよー!)」
紘吉はいざとなったら獄寺と協力してプリマベーラを止めようと決めていたが相手は神に近い存在だ。
人間二人が止めらる術はない。紘吉は『プリマベーラを止められるわけがないか。』とガックリした。
紘吉と夕飯を作りに来たハルと帰宅した獄寺にプリマベーラが話があると呼んだ。
獄寺とハルは適当に座るとプリマベーラの言葉を待つが紘吉はプリマベーラに聞いた。
「もしかしてさっき言ってたやつ?」
紘吉が訊ねるとプリマベーラはそうだよと話し出した。
「南川瑠花は明日僕を陥れようと動くように仕向けたんだ。」
プリマベーラの言葉に紘吉達は驚いた。
「仕向けったって!?」
「どういうことだよ!」
「はひ!危険ですよ!」
驚く三人にプリマベーラは大丈夫だからと言って続ける。
「スワロフス◯ーのラインストーンが付いたボールペンを南川瑠花に渡そうと考えた。案の定食い付いてきたよ。」
紘吉と獄寺は確かにと頷いた。
ハルは瑠花なら欲しがりそうだと苦笑したがそのボールペンを使ってどうするのか聞いた。
「でもボールペンでどう動くんですか?ハルはあまり危険な事はしてほしくないです。」
「心配しなくて大丈夫。僕は嵌められないよ。嵌められるのは笹川京子だからね。」
「ええっ!?」
「何で笹川が?」
「ハルは訳が分かりません!」
陥れられるのが京子だと言ったプリマベーラに紘吉達はまた驚くがプリマベーラは気にせずに続けた。
「今日の放課後さ南川瑠花は隙を見て僕の机にボールペンを入れたんだ。」
「え!それってまさか・・・。」
「そのまさかだよ。南川瑠花は明日ボールペンが無くなったって騒いでクラスの生徒達に持ち物検査をさせようと動くと思う。」
「南川のやりそうな事だけどよでも何で嵌められるのが笹川なんだ?」
「南川瑠花が僕の机に入れたボールペンを僕は遠隔操作の力を使って笹川京子の机に入れたんだ。だから嵌められるのは笹川京子。」
「だけど京子ちゃんを陥れる意味あるの?」
紘吉が聞くとプリマベーラはここからが重要だと話を続けた。
「笹川京子がボールペンを持っていたら山本武やクラスの生徒達はどう動くか見てみようと思ってさ。まあ駄目元だけどおまけの審査だよ。」
「おまけの審査?もう審査は終わったよね?」
「正確にはツナが審査するんじゃなくて僕が審査するんだけどね。」
どこか楽しそうにしているプリマベーラに紘吉と獄寺とハルは明日の2-Aは大騒ぎになるなと思い遠くを見詰めたのだった。