静寂の住人2
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トゥリニセッテの世界ーーー
プリマベーラは午後の最後の授業を受けながら考えていた。
『うーん。やっぱり駄目元でリボーン達に指摘してみる?』
無駄だと分かりきっていてやるのは本当に無駄でしかないがかつて遠い昔にたった一度だけ裏切った人間達が心から反省して再構築が出来た例があったのだ。
『前に駄目元で指摘したら何とかなった例があったよね。その時は確かボンゴレ8世になる前のダニエラが陥れられたんだっけか。彼女の場合は嵐と雲と雷の守護者が味方についていたっけ。偶然だけど今回の件と似てるよね。』
トゥリニセッテの世界では味方は嵐の守護者獄寺と雷の守護者ランボ。マテリアルの世界では雲の守護者雲雀と雷の守護者ランボ。
『・・・駄目元でやってみるかな。いつまでもこの世界に留まる事は出来ないしね。』
プリマベーラはクラスの生徒達を見渡した。そして。
『そうだな。並中のアイドルの笹川京子を利用しようかな。』
授業を真面目に受けている京子に狙いを定めた。そんな様子のプリマベーラを見ていた獄寺は嫌な予感がし、紘吉もまた超直感で嫌な予感がしていた。そんな紘吉と獄寺を気にせずにプリマベーラはメモ帳にある事を書いて獄寺に渡した。渡された獄寺はメモ帳をに書かれた事を読んでプリマベーラを見て頷き、プリマベーラはこれで証拠が1つ出来たと笑みを見せた。
授業が終わると瑠花は遊びに誘おうと獄寺の席に向かうが瑠花の目にある物が写った。
『へえ。ディーオの奴、良いもの持ってるじゃない。どうやって奪おうかなぁ~。ついでに奪った後に目障りなコイツを嵌めてやろっと!』
瑠花は筆記用具を片付けるプリマベーラに話し掛けた。
「ねえ。ディーオさん。そのボールペン素敵ねぇ~。」
「え?これ?」
プリマベーラが持っていたのはスワロフス◯ー社の透明のクリスタル色のラインストーンが全面に付いたボールペンだった。(授業中にこっそり力を使って作り出した。)
瑠花は欲しそうな顔をしていてプリマベーラは食い付いた!と笑いそうになるが堪えた。
「これの色違いで良かったらあげようか?」
「えっ!良いの!?」
プリマベーラからスワロフス◯ー社のボールペン取られたと騒いで山本達にボールペンを奪わせるつもりだった瑠花は驚いた。驚いた顔を見せた瑠花にプリマベーラは色の話をした。
「未使用のピンク色ならあるんだ。もし南川さんが良かったらだけど。」
「でも悪いわぁ~。」
瑠花は内心は大喜びだがどうせならプリマベーラが今持っているクリスタル色のボールペンも欲しい。そんな瑠花の心が丸分かりのプリマベーラは『僕は嵌められる気はないよ。』と思いつつ話を続けた。
「僕は構わないよ。それにこっちはラインストーンが所々取れちゃってるから流石にあげられないし。」
プリマベーラは瑠花にボールペンを見せた。瑠花は確かに所々取れているのが分かった。
『取れてるなら意味ないわー。ピンクだけ貰おっと。』
「本当に良いのー?」
「うん。同じイタリア出身だしね。明日持ってくるね。」
「ディーオさんありがとー!」
お礼を言うと瑠花は獄寺を遊びに誘った後山本と京子と了平も誘って並中を出ていった。
プリマベーラは姿を消している紘吉に帰ろうと声を掛けた。
「僕達もそろそろ帰ろう?ハルも来るしさ。」
「うん。・・・帰ったら聞きたい事があるだけど良い?」
「良いよ。」
若干顔が引きつっている紘吉にプリマベーラは不思議そうにした。
帰宅して早々に紘吉はプリマベーラに聞いた。
「プリマベーラ、ボールペンの事だけど。何をするの?」
嫌な予感がして気が気じゃない紘吉。プリマベーラはそんな事かと話した。
「駄目元で愚者達に指摘してみようと思ってさ。」
「指摘?」
「うん。とりあえずね。」
「それで何であのキラキラしたボールペンが出てくるの?」
指摘するのにボールペンは何の関係があるのかと訊ねる紘吉にプリマベーラは笑顔で答えた。
「それは後でのお楽しみだよ。」
清々しい笑顔で答えたプリマベーラを見た紘吉は初めて獄寺とハルに会った時の事を思い出した。
『な、何をするんだろう・・・。』
紘吉は渇いた笑みしか出来なかった。
一方、瑠花が屋敷に招待して獄寺と山本達は瑠花の部屋に通されていた。
瑠花の部屋を見て山本と了平、京子はセンスが良いとかお洒落だと誉めていた。獄寺はけばけばしい調度品にうんざりしながらクローゼットを見つめる。
『メモ帳だとクローゼットが開くと大量の麻薬入りクッキーが出てくるから数枚持って来てって書かれてたが。』
クローゼットを見ているとガタンと音がして扉が半開きになる。瑠花は慌てて扉を閉めようとしたが間に合わず扉が全開して、引っくり返った段ボールから大量のクッキーが出てきた。
クッキーが大量に出てきて山本達は驚きながらも食べてみたいと騒ぎ出し、瑠花は消費期限が切れてるから駄目だと止めには入る。そんなやり取りを尻目に獄寺はクッキーをポケットに入れたのだった。