静寂の住人2
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
イヴェールが指を鳴らすとある光景が浮かび上がった。
9代目と守護者達が居て何かを話し合っている。
「9代目、沢田紘吉と鳥居玲奈嬢の婚約が正式に決まったら沢田紘吉の処遇はどうするつもりだ?」
コヨーテ・ヌガーが問うと9代目は溜め息を吐いた。
「正式に決まった後、紘吉君はお飾りの10代目にして玲奈嬢の直属の部下にさせて汚れ仕事も彼の仕事に決定しておる。そして玲奈嬢に実権を渡すことにした。」
答える9代目は引き出しから1枚の書類を出した。
「既に勅命書も用意している。玲奈嬢と紘吉君の婚約パーティーが終わり次第勅命書にサインをさせる。」
紘吉に然るべき罰を受けさせると言った9代目に守護者達は納得した。
9代目達は見せられた光景を見て目を泳がす。そんな9代目達を無視して他の光景を浮かび上がらせた。
家光とリボーンの怒号と子供達の泣き止まない声に綱吉は何があったんだと慌てるがイヴェールが幻覚で作った綱吉が動きドアを開けると家光に殴り飛ばされた。
「うっ!!」
怒りがこもった声で家光は怒鳴り付けた。
「全くお前は何を考えているんだ!玲奈嬢を襲ってその後も苛めをしてるって聞いたぞ!ディアボロスファミリーは同盟ファミリーなんだぞ!ボンゴレとの関係が悪化したらどうするつもりだ!」
「俺は何もしてないよ!」
「言い訳するな!ありがたいことに玲奈嬢が双方の関係がこれ以上悪化しないためにお前と婚約したいと言ってきてくれたんだ!」
「嫌だよ!結婚は好きな人が良い!」
家光は座り込んだ綱吉の言い分を遮るように胸ぐらを掴んだ。
「いい加減にしろ!玲奈嬢だってそう思っていたはずだ!それをお前が仕出かしたことを無かったことにするために婚約すると苦渋の決断をしたんだ!寧ろそれだけで帳消しにするって言ってくれた玲奈嬢とドン・ディアボロスに感謝しろ!」
「そんな!」
嫌がる紘吉をまた殴り付け1枚の書類を見せた。
「これはお前が玲奈嬢と結婚したら部下になり一生を掛けて償いをすることを記された9代目からの勅命書だ!ボンゴレを継いだら汚れ仕事や殺しは全てお前の仕事だ!」
自業自得だと吐き捨てるように言って家光は家に戻って行った。
紘吉を殴り付けて勅命書を渡したの光景を見せられた家光も気まずそうにした。
浮かび上がらせていた光景を消してイヴェールは9代目達と家光に問う。
「どうみても沢田紘吉を道具にしようと動いているようにしか見えない。そもそも沢田紘吉を10代目候補に上げたのは9代目だった筈。なのに鳥居玲奈の件であっさり切り捨てるとは。普通なら沢田紘吉の話を聞いて調査くらいするだろう?まあ継げるなら沢田紘吉でも鳥居玲奈でも構わなかった証拠だな。このような無能な組織はない方が良い。」
「っ・・・・・・。」
言葉を詰まらせた9代目を蔑視すると家光に目線を向けた。
「沢田家光も同じようなものだな。息子を信じず挙げ句のはてには鳥居玲奈の結婚を押し付け更に汚れ仕事まで押し付けるとは。普通なら父親は息子を陥れた鳥居玲奈の結婚は反対するのでは?父親としても無能のようだな。」
「・・・・・・っ。」
完全に道具扱いしている証拠を見せたイヴェールは家光達に視線を向けた。
「・・・沢田紘吉に何か言うことがあるんじゃないのか?」
家光と9代目は分からないような顔をした。
「何かと言われても。帰って来てくれとしか。」
「直ぐに継承式を行うから帰って来て欲しい。」
彼等の言葉を聞いた綱吉は呆気に取られた。
「あれだけ酷いことをしてきて帰って来い?継承式?馬鹿じゃないの?」
「しかし俺は鳥居玲奈に騙されて!」
「家光の言う通りじゃよ。」
悪いのは鳥居玲奈だと言っている家光と9代目にイヴェールは見苦しいと言わんばかりに口を開いた。
「元凶は鳥居玲奈だが沢田紘吉を道具のように扱おうとしたのはお前達の意思だろう?しかも沢田紘吉は無実だった。普通に考えたら謝罪するものだろう?それなのにお前達は保身に走るしか出来ないようだな。」
「「・・・っ!!」」
指摘されて漸く理解する家光と9代目達は謝罪の言葉を述べようとするが綱吉は「人に言われてするのは謝罪じゃない。」と一刀両断した。
謝罪じゃないと言われた家光と9代目達は俯いた。項垂れる家光達にイヴェールが復讐者の水牢行きだと告げた。
「お前達はとりあえず水牢行きだ。」
「「「「!!」」」」
すぐに復讐者がやって来て家光と9代目達は連行されて行った。
「とりあえず愚者達の事に関しては終わったな。」
イヴェールが呟くように言うと綱吉は頷きながら『後は俺がどうするか考えないとね。』と思った。
複雑そうな綱吉を見て雲雀もまた紘吉はどんな結論を出すのだろうと複雑そうな顔をしていた。