静寂の住人2
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真っ青になる奈々とビアンキを横目にイヴェールは舞台袖に居る綱吉を呼んだ。呼ばれた綱吉は壇上から奈々とビアンキを見下ろす。
「顔色が悪いみたいだけど理由は近所に住んでいる人達の目を気にしないで暴力を振るった事を気にしてるだけだよね?でもさ貴方達がした事で何かあるんじゃない?言うことがあるよね?」
綱吉に問われ奈々とビアンキは異口同音で言った。
「「何かあったかしら?」」
「本気で言ってるの?」
綱吉に再度問われて二人は答えた。
「悪いのは鳥居玲奈だし。」
「ママンの言う通りよ。あの性悪娘が悪いのよ。」
育児放棄した事、ポイズンクッキングで痛め付けた事に対して何も思っていない奈々とビアンキに綱吉は呆れた。
「イヴェール、この二人悪い事をしたって思ってないみたい。」
「そのようだな。」
イヴェールは溜め息混じりに指摘した。
「まずはビアンキ。確かめもせずに年下の人間に暴力を振るうのは世間的にどう思われると思う?しかもリボーンと獄寺と一緒になって。」
性悪な女性、凶悪な姉弟だと思われるのではないかと言われてビアンキは漸く気が付いた。イヴェールは今さらだなと思いつつ奈々に指摘した。
「沢田奈々。貴方がした事は回りから見たら児童虐待や育児放棄だ。しかも沢田紘吉は無実だ。」
無実の息子を虐待する母親は何と呼ばれるか分かっている筈だと言われて奈々は両手で顔を覆い俯いた。
自分達がした事を理解した奈々とビアンキは謝罪しようとしたが綱吉が蔑視しながらはね除けた。
「俺に謝罪されてもね。俺は貴方達が知ってる沢田紘吉じゃないんだ。俺は別の世界の沢田綱吉だよ。」
「「えっ?」」
困惑する二人にイヴェールは無駄だと分かっていたが説明した。
「ツナの言っている事は本当だ。彼は二人が知っているツナじゃない。因みにその事に気付いたのは雲雀恭弥とランボとフゥ太とイーピンそれから六道骸とクローム髑髏だ。彼等は直ぐに見分けがついた。二人は一緒に暮らしていたが気付きもしなかったみたいだな。」
「でもツッ君でしょ?」
「何を言っているの??」
更に困惑する奈々とビアンキ。これ以上話しても意味は無いだろうと結論付けたイヴェールは復讐者に奈々とビアンキを連れて行くように命令した。
引き摺られて行く奈々とビアンキを見送るとイヴェールは本来の姿に戻り綱吉に視線を向けた。
「次はボンゴレに行くつもりだが顔色が悪いな。少し休むか?」
「平気だよ。」
「本当か?」
「大丈夫だよ。」
まさかまた復讐者に命令して奈々とビアンキを牢獄送りしたイヴェールを見て少し引いたとは言えない綱吉だった。
結局綱吉を心配して休憩した後、イヴェールの力で綱吉と雲雀はイタリアに向かい先ずはチェデフに行く事にした。
チェデフの家光が居る執務室の中に着いたイヴェール達。いきなり現れた綱吉達にラルとバジル、ターメリック、オレガノは間者かと思い武器を構えたがイヴェールと綱吉と雲雀だと気付いて武器をしまった。
「アリアから話は聞いています。貴方が静寂の住人のイヴェール様ですね?」
ラルが丁寧に尋ねるとイヴェールは頷いた。
「アリアに知らされていたのか。彼女の予知能力はまだ衰えていないようだな。」
そう言ってイヴェールはラル達を見やる。
「ほう?君達は鳥居玲奈を信じていないようだな?」
「ええ、彼女とは何度かパーティーで会った事がありますから。」
バジルが言うとオレガノとターメリックが付け足すように口を開く。
「鳥居玲奈はボスとしての器はありません。以前パーティーでディアブロスファミリーより格下のファミリーの娘からアクセサリーを奪おうとしているを見たことがありますから。」
「俺達が近付いたらすぐに逃げましたが。そんな行動をする娘は信用に値しません。」
「全くだ。しかし家光の奴も9代目達も何を考えているんだ。」
はなから信じていないと言うラル達に綱吉はイタリアに居るラル達でさえ見極めたというのにボンゴレは何をしているんだと呆れていた。
呆れ顔をしている綱吉にラルは苦笑しながらもイヴェールに視線を変えた。
「イヴェール様は家光に会いに来たのですか? 」
「そうだ。しかし・・・ああ、あの部屋に居るのか?入っても良いか?」
ある一室に気配を感じたイヴェールは透視して転がっている家光を見付けた。
ラルが部屋の扉を開けると猿轡をされて縄で縛られ身動き出来なくなっている家光が転がされていた。
「アリアからイヴェール様が来ると伝えてくれたので。」
チェデフのメンバーで家光を襲ったと言うラルに綱吉は「神様ってだけで皆動くんだなあ。」と遠くを見た。雲雀もまた遠くを見ていた。ただ神様は「成程。」と感心して中に入る。
転がっている家光を冷たく見下ろした。
「これからボンゴレ本部に行く。拒否権は無い。」
イヴェールが家光を米俵のように担ぐと綱吉と雲雀を連れてボンゴレ本部に向かった。
見送る形になったラル達は予めまとめていた荷物を持ってマフィアランドに避難した。「ボンゴレはもう元の姿には戻らないだろう。」と溜め息をついたのだった。