静寂の住人2
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イヴェールに呼ばれて壇上に出て来た綱吉。綱吉は何の感情もなくマテリアルの世界のリボーン達を見た。
イヴェールはリボーン達に聞いた。
「彼を見て何か感じることがあるか?」
リボーン達は口々に喋った。
「ツナ!玲奈の嘘が分かったぞ!明日からまたねっちょり修行だぞ。」
「10代目!これからもお供します!」
「親友だし今度遊びに行こうぜ!」
「また極限に楽しくやろう!」
「ツナ君仲良くしてね。」
綱吉からしたら全く意味の無い言葉だった。彼はトゥリニセッテの世界の〈沢田綱吉〉であってマテリアルの世界の〈沢田紘吉〉ではない。
「リボーン、他の皆も不正解だよ。」
綱吉の台詞にリボーン達はどういうことだと怪訝そうにする。
「一体何のことだ?ちゃんと説明しやがれ。」
「そうですよ10代目。」
綱吉はイヴェールに聞いた。
「俺が説明した方が良いのかな?」
「構わない。とりあえずツナに近付けないようにリボーン達の足の動きを封じておこう。」
指を鳴らしリボーン達の足を封じて、ついでに玲奈の足も封じた。綱吉は口を開く。
「俺はこの世界の沢田紘吉じゃない。」
リボーン達は何を馬鹿な事をと笑うが綱吉に「最後まで聞くことも出来ないの?」と言われてまたイヴェールにジロリと睨まれて口を閉じた。
「本当は俺がこの世界に生まれて、君達が知ってる沢田紘吉は俺が生まれた世界に生まれる筈だった。だけちょっとしたトラブルが起きた。」
「入れ違ったって事か?だがそんな事より俺達にツナを返してくれ!」
リボーンが言うと綱吉はまだ終わってないと一刀両断した。
「入れ違っただけなら問題無かったんだけど俺は南川瑠花に重傷を負わされて死にかけた時にイヴェールに助けられて気が付いたら静寂の世界にいた。そしてリボーン達が知ってる沢田紘吉がいた。彼はリボーンに撃たれたって言ってて殺された事を自覚してた。」
リボーンに撃ち殺された事を自覚していると言われてリボーンは俯くが綱吉は気にも止めずに続ける。
「俺とこの世界の紘吉はほぼ同時に助けられた。と言ってもこの世界の紘吉は死んでいたから魂だけだったみたい。体が透けていたし。でも俺達が世界に戻るか生まれる筈だった世界で生きていくかの選択を迫られた。」
「世界が崩壊しないならさっさと戻れば良いじゃねえか。」
綱吉は首を横に振る。
「そんなの嫌に決まってるじゃん。戻ればリボーン達に制裁とか言われて暴力振るわれるし。とかいって生まれる筈だった世界で成り代わって生きていく気もないよ。」
「とにかくこっちはツナがいなきゃ立ち行かないんだ!」
怒鳴るリボーンに綱吉は呆れるしかない。
「だからね俺とこの世界の紘吉は悩んだんだよ。そうしたらイヴェールの同胞のプリマベーラがある提案をしてくれたんだ。」
「て、提案だと?」
頷く綱吉は「俺はこの世界のリボーン達を、君達が知ってる紘吉は俺が生まれた世界のリボーン達を審査することを提案したんだ。」と説明した。リボーン達は何故か嫌な予感がした。
「おい、ツナ。審査して結果が出たらどうする気なんだ?」
「結果次第で変わってくるけど俺の場合君達の知っている紘吉にはこう伝えた。『戻っても良いことは一つもない。俺も君の代わりになるつもりもない。』ってね。それにイヴェールが並中の生徒として潜入してから審査は始まってたんだから。」
「何だと!」
「そ、それじゃ・・・。」
「そう。イヴェールは転校初日から山本達に聞いていたよね?ダイナマイトを投げ付けるのは犯罪だ、バットで殴るのも犯罪だって教えてくれてたよね?でも皆無視してたよね。そこで反省してくれたらまだ良かったのにさ。」
最後の方は呆れ返るように言う綱吉にリボーン達は項垂れた。リボーン達を一瞥すると視線を玲奈に向けた。
「鳥居玲奈さんもね。イヴェールを引き入れようとして告白したけど断られた途端に襲われただの何だの言って騒いでたよね?しかも随分手慣れてた。そこに落ちてる書類に書かれてる内容を見ると同じ事をしてきたから慣れちゃったのかな?でも嘘がばれたら全てを失っちゃうよ?そんな君は今何を得たのかな?」
「くっ!」
悔しそうに唇を噛み締め俯く玲奈。俯く玲奈を無視して綱吉は言った。
「まだ最終的にどうするか決めてないけどこの世界に留まるかどうかの決定権は俺にもイヴェールにも無い。有るのは君達が追い詰めて殺した沢田紘吉だけだよ。」
ハッキリ言う綱吉にリボーン達は慌てた。
「待ってくれ!何とかツナを説得してくれ!」
「10代目に取り成してくれ!」
「このままじゃ俺達ヤバいのな!」
綱吉はリボーン達の自分勝手さに閉口するが最後に伝えた。