静寂の住人2
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映像が終わると誰かが呟くように言った。
「玲奈ちゃん・・・なの?」
「確か鳥居はダメツナに告白されて断ったから苛められてたんだよな?」
「でもこの映像だと玲奈ちゃんが沢田に婚約しろって言ってたけど?」
「付き合うなら分かるけど婚約って一体何なんだ?苛められてるんだろ?」
『『『『 まさか!?』』』』
本当なら無実の紘吉にしてきたことは・・・
生徒達は血の気がザァーと引いた。
玲奈は何とかしようと口を開こうとしたがそうはさせないと雲雀はそれを遮るようにマイクスダンドを投げつける。
「キャーーッ!?」
顔面に当たり悲鳴上げて顔を押さえる玲奈を無視して雲雀は怒鳴るように言った。
「鳥居玲奈はいずれ沢田紘吉が継ぐ会社を乗っ取るために婚約を求めた!でも沢田紘吉が拒否したから陥れようとして襲われたと言いふらしたんだ!」
生徒達は玲奈を睨み付けて騙したのかと問い詰めると獄寺達は守るように玲奈の前に立った。
「玲奈ちゃん俺達を騙したのかよ!?」
「鳥居さん酷いわ!」
「この嘘つき女!!!」
「鳥居さんを疑うとは何考えてやがる!」
「極限に玲奈に謝罪するのだ!」
「あの映像は合成なのな!!」
「じゃあ映像の下に日時が表示されてるのは何だよ!?」
ドカッ!ーーーー
獄寺達と生徒達が言い争いを始めると雲雀はトンファーを壁に打ち付けた。
「黙ってろって言ってるのが分からないのかい!?」
雲雀は躊躇の欠片も見せず殺気を出す。玲奈と生徒、教師は勿論獄寺達も殺気に圧されて口をつぐんだ。
雲雀の目線に草壁は心得たように次の映像を流した。
屋上や教室等で紘吉に暴力を振るう映像や、私物を破壊する映像が次から次へと流れていく。
その映像は間違いなくそこに映っているのは自分達で暴力を愉しんで物凄く醜い顔で笑っていて生徒達は茫然自失した。
「これも合成なのかな?でも合成になると君達は何処にいたってことになるよね?次も酷い映像が流れるよ。」
授業中に中学生が解けないであろう問題を紘吉にやらせて馬鹿にする教師の数々の映像が流れる。
真っ青になる教師達に冷たい目で見る雲雀は苛立ち気に言う。
「僕としてはこんな教師は並中には要らない。クビね。まあクビで済むとは思わないで。」
クビで済まないという言葉に目を見開く教師達を無視して次の映像を流すように指示を出した。
紘吉の下駄箱に生ゴミと虫の死骸を詰め込む山本の映像が何本も流れ続ける。
『な!昇降口なんかに監視カメラなんかあったのか!?』
まさか監視カメラに映っているとは思ってなかった山本は顔色が変わった。
「山本武。顔色が悪いね?」
雲雀は次も中々酷いのが流れるから楽しんでよねと嘲笑う。
更衣室で紘吉のブレザーとブラウスをビリビリに破いている獄寺。
『更衣室まで監視カメラがあったのかよ!?』
山本同様に顔色を変える獄寺に雲雀は嘲った。
「獄寺隼人、君も顔色悪いけどこの程度で悪くしてる場合じゃないよ。更に酷い映像も有るんだからさ。」
紘吉の下駄箱を開ける山本と獄寺の手には二匹の子猫の死骸。一匹は火傷が何ヵ所もあり、もう一匹は血塗れになっていた。
その子猫を歪んだ笑顔で下駄箱に乱暴に入れている獄寺と山本。
その映像に生徒と教師は驚愕し中には子猫の無惨な姿に嘔吐した者も出る始末。獄寺と山本は顔色を完全に無くした。
イヴェールはここまでは世界が崩壊する前と同じ進み方だと確認していた。
確認しているイヴェールを気にすることなく雲雀は体育館に集まった生徒達と教師達を一瞥するとイヴェールに訊ねる。
「全ての映像を見てイヴェールはどう思う?彼等は有罪か?それとも無罪?」
「どう見ても彼等は有罪だな。」
誰が見ても酷い映像だと呆れ返るイヴェール。有罪判決を出したイヴェールに生徒達と教師達は非難した。
「おい!ディオス!何で有罪なんだよ!」
「私達は騙されただけです!」
「ディオス君、我々を騙した鳥居玲奈の方が有罪だろう?」
悪いのは玲奈だと騒ぐ生徒や教師達にイヴェールは有罪と言った理由を説明した。