静寂の住人2
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日もすっかり暮れて紘吉は帰ろうとするが子供達、特にランボとイーピンが嫌がった。
「やだ!ランボさんまだ公園にいるもんね!」
「イーピンも!」
子供達は最初から奈々が苦手だった。
奈々は確かに料理は美味しいし、デザートも手作りで洗濯や掃除もしっかりやる主婦だ。
しかし紘吉を蔑ろにしていることに気付いていた。
例えば食事なら刺身は切れ端だったり、足りなかったからと言っておかずの量を減らしたりしていた。デザートも形が失敗した物を出す。しかも「ツッ君はお兄さんだからランボちゃん達の為に我慢出来るわよね。」と言い含めてしまう。普通なら母親の奈々が我慢する筈だ。
他にも手伝いをさせて紘吉が失敗したら呆れた顔をして溜め息混じりでもう良いわと言って終わり。その度に紘吉は傷付いているが気付きもしない奈々。
子供達は何故奈々が紘吉を蔑ろにする理由が分からなかったがそんな奈々が怖かった。
「でももう暗くなったし夕飯の時間だよ。」
だから帰らなきゃと言う紘吉にランボとイーピンは首を横に振る。
紘吉はランボとイーピンを見て困ったなと頭を抱えてると見知った人間の声がした。
「こんな時間に何してるの?」
「雲雀さん!?スミマセン!すぐに帰ります!」
このままではトンファーの餌食になってしまうと強引にランボとイーピンを抱き抱えるがイーピンは悲しそうに俯き、ランボは帰りたくないと泣きべそをかいた。
雲雀は俯くイーピンと帰りたくないとぐずっているランボ、暗い顔をしているフゥ太を見て何かがあったと感じ取った。
「小動物。牛の子達は何で帰りたがらないの?」
紘吉が答える前に子供達が次々と言い出した。
「ランボさんあの化粧オバケ大嫌いだもんね!」
「あのお姉さんの目は怖い!」
「鳥居さんがツナ兄と僕達を品定めをするような目で見てきて嫌なんだ!」
だから玲奈が帰るまでここにいると泣き出すランボとイーピン。
雲雀は玲奈を苦々しく思った。
「仕方ないね。なら今日のところは僕の家においで。」
「え?」
「いつまでもここにいられたら風紀が乱れるからね。」
それを聞いて戸惑う紘吉だがフゥ太は喜んだ。
「ツナ兄その方が良いよ!雲雀さんの家に行けば今日は鳥居さんと顔を合わせることもないしランボとイーピンも安心するよ!僕も鳥居さんとは会いたくない。」
雲雀は説得しているフゥ太とさっきとはうって変わったランボとイーピンを見て紘吉に言った。
「牛の子達の為にもさっさと行くよ。後で草壁に着替えとか取りに行かせるから。」
雲雀は紘吉の手を掴んで公園を後にした。
雲雀の屋敷に到着すると紘吉は思わず「雲雀さんの家デカイ!」と声を洩らした。
「これより大きい家は世界中に掃いて捨てるほどあるでしょ。」
雲雀は何でもないように言って紘吉はそういう問題なのか?と心の中で突っ込んでいた。
屋敷に入ると雲雀は使用人に紘吉達の部屋と食事を用意するように言い、客間に通させた。
茶菓子とお茶、ランボ達にはお茶の代わりにジュースが出された。
「もうすぐ食事が出来るからそれまでこれでも食べてな。」
ランボ達は嬉しそうにして食べ出し、紘吉はお礼を言い食べ出した。
雲雀はそんな紘吉を微笑ましそうに見ながら沢田家に連絡を入れたのだった。