静寂の住人2
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深夜、プリマベーラとイヴェールは特殊な空間を作り綱吉と紘吉を連れて来ていた。
紘吉と綱吉は久しぶりだと言葉を交わす。
「元気だった?」
「うん。綱吉も元気そうだね。」
挨拶が終わるとイヴェールが本題に入ると言った。
「二人に来て貰ったのは他でもない。審査の結果を教えて欲しい。」
イヴェールに聞かれて紘吉と綱吉はお互いを見つめて話していった。最初は瑠花達の審査をした紘吉の話だ。
「俺は戻って大丈夫なんて言えない。南川瑠花は人を陥れることに何の罪悪感もない。欲しいものがあれば人でも物でも悪どい手口を使って手に入れるような人。リボーンは最高峰の家庭教師の肩書きに箔を付ける為にボンゴレの依頼を受けたって言っていた。それって候補が誰でも良いってことだよね?」
紘吉の話に綱吉は頷く。実際瑠花は自分を陥れ更に嘘を付いて回りを騙して煽った。リボーンはボンゴレの依頼を受けた以上完遂させるために綱吉に滅茶苦茶な修行を課した。
綱吉は続きを促し紘吉は続けた。
「山本達は南川瑠花の嘘を鵜呑みにして沢田綱吉を痛め付けても良いって思い込んでる節があるよ。南川瑠花と会話しているのを見てると言葉の端々に沢田綱吉を悪く言ってる。並中の人達もそう。彼等は制裁することで正しいことをしたと思って正義感に酔ってる。」
紘吉の話に綱吉は確かにそうだったと山本達を思い出す。そんな様子の綱吉に紘吉は大丈夫?と気を使うが綱吉は大丈夫だと言って話の続きを待つ。
紘吉は話を続ける。
「家族は最悪だった。母さんは我が子は自慢出来ない出来損ないって言っていて生まなければ良かったって吐き捨ててそれを聞いてたビアンキは沢田綱吉は生まれつきの性悪って罵ってた。初めて会った時ポイズンクッキングをしたことを棚に上げて。父親は9代目達との会議で息子に処罰を望む始末。ボンゴレは南川瑠花との婚約を決めて南川瑠花の部下にしようって決めてた。」
紘吉の話に綱吉はそんな人間達をどう思うと聞いた。
「君は南川さんとリボーン達をどう思うの?」
「最低だと思うよ。南川瑠花は欲望の為に人を陥れるような人だし、リボーンと守護者達は最初から沢田綱吉の人格を馬鹿にして南川瑠花に騙されて暴力を振るって悦んでるし。母親と父親は我が子を出来損ないと決めつけて切り捨てた。その癖沢田綱吉を利用しようとする。そんな人間達の所に帰っても無意味だよ。」
「そっか。」
紘吉の話に綱吉はお疲れ様と労う。プリマベーラは次は綱吉の話を聞こうと言って綱吉は話始めた。
「鳥居玲奈は悪魔のような人だったよ。利用出来るものなら何でも利用したし常に嘘を付いて沢田紘吉を手に入れようと動いてた。獄寺君達は沢田紘吉を馬鹿にしてた。彼等は鳥井玲奈に騙されて制裁することで更生させようと思ってたみたいだけど実際は暴力を振るって暴言を吐くことが許されるストレス発散の道具扱いしてた。並中の生徒や教師も嫌がらせとかしてた。それは全て犯罪だとイヴェールが指摘しても誰一人聞かなかった。」
「鳥居さんは嘘つくのが日常的になってるからね。おまけにボンゴレを手に入れて贅沢したいらしいし。獄寺君達や並中の人達は人の話を聞かない人種だからね。まあ俺の存在はストレス発散するのには丁度良かったんだよ。それでリボーンと母さん達の方はどうだったの?」
リボーンと奈々とビアンキのことを聞かれて綱吉は話を再開した。
「酷かったの一言しかないよ。ビアンキは元々だけどリボーンとの間を引き裂いた悪者として見てたし常に馬鹿にしてた。リボーンと母さんは最低だよ。リボーンは何がなんでも沢田紘吉を10代目にして箔を付けようと躍起になってるし、母さんは理想の息子じゃないことに苛立ってた。それに近所の目と父さんのことしか考えてない。リボーン達は沢田紘吉のことを思い通りにならない道具って見てるよ。」
やっぱり道具としてしか見てないだなと感じた紘吉。考え込む紘吉を見て綱吉は続けても大丈夫かと訊ねた。
「良い話じゃないから聞いててもしんどいよね。少し休憩する?」
「大丈夫だよ。父さんとボンゴレの話を聞かせて貰えるかな?」
紘吉に続きを聞かれて綱吉は家光とボンゴレの話をした。
「父さんは君が悪いと決め付けて殴ってきたよ。鳥井玲奈との婚約も当たり前のように押し付けてきた。ボンゴレの歴史に傷をつけない為に君の気持ちは無視していた。チェデフのトップなのに何一つ調査しなかった。何よりもボンゴレの為に動いていた。多分あの人の居場所はボンゴレなんだろうね。じゃなきゃ母さんをほったらかしにしないし沢田紘吉の為に調査くらいするよね。」
綱吉から父親のことを聞いた紘吉はそうだろうなと答えた。
「父さんはボンゴレの為に生きてる人だからね。全く帰国しないで妻子を放置しても全然平気な顔してたからね。もう家族としては破綻してるよ。9代目達はどうだった?」
「ボンゴレも最低だったよ。9代目は婚約パーティーが終われば沢田紘吉に罰として鳥井玲奈の部下としてコキ使おうとしてる。汚れ仕事は沢田紘吉の仕事でお飾りのボスだって言ってて実権は鳥井玲奈に渡すらしいよ。酷い話だよ。9代目が君を担ぎ上げたのに簡単に切り捨てるなんてさ。」
綱吉の話に紘吉はやっぱりそんな扱いかと呆れ返った。
「誰かを徹底的に犠牲なしなきゃ機能しないなんて所詮は犯罪組織だね。綱吉は俺が戻っても平気だと思う?」
「ハッキリ言って戻って大丈夫なんて言えない。俺が沢田紘吉に成りすましても君の大切な人達が苦しむかもしれない。俺自身もこの世界でやっていく気もないよ。」
綱吉の話に紘吉はお疲れ様と伝えた。
二人のツナの話を聞いたプリマベーラとイヴェールは同意した。
「僕から見ても戻って大丈夫なんて言えないよ。僕だったら戻りたくない。」
「そうだな。私も鳥井玲奈と南川瑠花とリボーン達を見たが酷いとしか言えない。とりあえず解散しよう。」
綱吉と紘吉を先に帰したプリマベーラはイヴェールに準備は整っているのかを聞いた。
「そっちは雲雀恭弥が味方だから証拠は集まり易かったんじゃない?もう終わりに出来そう?」
「まあ鳥井玲奈とリボーン達の悪事を暴くだけなら明日にでも出来るだろう。だがまだやることが残っている。そっちはどうだ?」
「証拠は世界の記憶から取り出して作れば良いしフゥ太にランキングしてもらえば良いかな。それに南川瑠花の部屋にはとっておきの証拠があるから。それらで何とかなるよ。」
お互い少し時間がかかることが分かると今度はイヴェールがプリマベーラに聞いた。
「どういう結果になるかはツナに聞かないと分からないが最悪のパターンになったらどうする?」
「うーん。それは避けたいなあ。でも無理強いしたくもないしね。」
「確かにな。」
世界を救う為に行動してきたプリマベーラとイヴェールはツナとツナの味方達にそれなりの情が移っていた。
「最悪のパターンは避けたいがそうなったら。」
「うん。仕方ないよね。」
そして二人は最悪の事態になった場合の対処を呟くように言う。
「「一度ツナには死んでもらわないとならない。/ならないね。」」
ツナの出す答え次第で対応が変わる。だが恐らく二人のツナは今出した答えを変えることは無いだろうと予測したプリマベーラとイヴェール何とも言えない顔をしてそれぞれの世界に戻って行った。